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藤島大の楕円球にみる夢

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ラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」11月4日(月・祝)放送のゲストは、日本製鉄釜石シーウェイブスの山田龍之介選手だ。もうすぐ同チームで7回目のシーズン開幕を迎えようとしている。北海道生まれで東京育ち、釜石の街に魅せられた男だ。
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 1991年10月12日生まれの33歳。
北海道釧路町出身。父は祖父の代から続いている昆布問屋を継いでいた。
 中学から東京へ。西東京市立柳沢中でバスケットボール部だった少年は、都立大泉高校へ進学後、山岳部に入った。

 しかし、ラグビー部の上級生たちに「週1、兼部でもいいから」と誘われて楕円球と出会う。
 伝統あるクラブに入り、当然、兼部のことなど忘れて仲間と体をぶつけ合う生活に熱中した。

 同じ都立校(日比谷)に敗れて終わった部活動。当初は大学でもプレーを続ける気はなかった。しかし、「自分の可能性に懸けてみたくなって」先輩がいた立教大へ進学する。
 それが正解だった。

 188センチの長身を買われ、立教大では1年時から出場機会を得た。結果、U20日本代表候補に選出された。金正奎(浦安DR)、中村亮土(東京SG)は、その時の同期だ。
 ビッグネームに囲まれて「気持ち悪くなるくらい緊張した」ことを覚えている。

 紺色のジャージーを着ての、関東大学対抗戦でのチャレンジの日々は濃密だった。
 練習や試合を通して、自分の弱みや強み、周囲の選手たちとの違いも知って、自信をつけたり、失ったりの大学生活を送った。

 上級生になって就活をした時期もあったけれど、ラグビーの沼から抜け出せるはずがなかった。
 大学の先輩(西田創)がプレーしていたNECグリーンロケッツと縁をつないでもらい、トップレベルのチームでプレーを続ける夢を叶えることができた。

 国内最高峰リーグ(当時トップリーグ)で活躍することは簡単ではなかった。
「自分より才能のある選手たちが、自分よりはるかに細部にこだわってプレーしている世界」
 公式戦デビューを果たした3年目に3戦出場も、所属した5シーズン、トップチームでピッチに立てることは少なかった。

 2018年度のシーズン最後に、グリーンロケッツでのプレーを終えることになった。
 しかし、プレーヤーではなくなっても社員として働ける場所があったのに、安定した生活から飛び出た。その行き先が釜石だった。

 長く住んだ関東から離れ、鉄とラグビーの街へ、家族とともに向かおうと決意した理由を番組で、藤島氏と熱く語る。
 少年時代から、心を突き動かされて判断して失敗したことはない。特別な場所、釜石での生活も、思った以上に楽しいものとなっている。

 狩猟免許を取得。山に入って活動する時の話を聞いていると、現地の風景が頭に浮かぶ。
 地元の人たちとの触れ合い。チームメートとの時間。ラグビーが必要とされていることが伝わってくる。
 人生を楽しんでいる33歳の、味わい深い言葉の選び方にも注目しながら、放送に耳を傾けてほしい。 (文・田村一博 「Just RUGBY」編集長)

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で11月4日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャスト(未放送音源も含む)で番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。11月11日の同時刻に再放送する。