Visual Studio Codeの代替を狙う統合開発環境「Eclipse Theia 1.0」リリース。VS Codeの拡張機能を利用可能、デスクトップ版とWebブラウザ版に両対応
Eclipse Foundationは、オープンソースで開発されている統合開発環境「Eclipse Theia 1.0」のリリースを発表しました。
Eclipse Theiaは、「真のオープンソースによるVisual Studio Codeの代替」(a true open source alternative to Microsoft’s popular Visual Studio Code (VS Code) software)だとEclipse Foundationは紹介しており、デスクトップアプリケーションだけでなくWebブラウザからも同一機能が利用できるWebアプリケーション版も提供されています。
Eclipse Theiaはコードエディタを基本機能とし、デバッガ、Git連係などの機能に加え、コード補完や文法チェックを実現するオープンな標準であるLanguage Server Protocolに対応することで、JavaScriptやPython、Javaなどをはじめとするさまざまなプログラミング言語に対応。
さらにファイルエクスプローラーやターミナル機能なども統合し、画面もVisual Studio Codeによく似ています。上記の画面を見てもそのことが分かると思います。
そのうえでVisual Studio Codeの拡張機能用プロトコルと完全な互換性を持たせることで、Eclipse TheiaはVisual Studio Codeの拡張機能をそのまま利用できる能力があると説明されています。これを実現するために開発チームは2年の歳月をかけたとのことです。
ただしVisual Studio Codeの拡張機能を提供している「Visual Studio Marketplace」は、マイクロソフトの利用規約によってVisual Studio製品以外によるバイナリのダウンロードとインストールを禁止しているため、Eclipse TheiaはVisual Studio Codeの拡張機能群に直接アクセスできません。
そこでEclipseはオープンなVisual Studio Code拡張機能のマーケットプレイス「Open VSX Registry」をオープンしました。これはEclipse Theiaだけではなく、それ以外のVisual Studio Code互換のオープンソースソフトウェアからも拡張機能のマーケットプレイスとして利用可能です(このあたりが、Eclipse Theiaこそベンダーニュートラルであり、「真のオープンソースによるVisual Studio Codeの代替」とEclipse Foundationが主張する理由だと思われます)。
EclipseはVisual Studio Code拡張機能をこちらにも登録するよう、拡張機能の開発者に呼びかけています。
Eclipse Theiaは、すでにGoogle Cloud Shellのテキストエディタ、SAPのWeb IDEとして提供されているSAP Business Application Studio、ARMが提供する開発環境のMbed Studio、Arduinoが提供するWeb開発環境のArduino Pro IDE、D-WAVEが提供する統合開発環境など、多くの企業で採用している実績があると説明されています。
追記:Googleがクラウド統合開発環境としてTheiaを採用
Googleは2020年10月、Google Cloudに統合した開発環境としてTheiaをコードエディタに採用した「Cloud Shell Editor」を発表しました。
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