[速報]VMwareがDockerと協業発表。エンタープライズにおけるコンテナ環境の実現へ。Kubernetesにも参加を表明。VMworld 2014
VMwareの年次イベント「VMworld 2014」が米サンフランシスコで開幕しました。同社CEOのパット・ゲルシンガー氏は基調講演に登壇。VMwareのソフトウェアをコンテナの最適な運用環境とするとして、Docker、Googleなどとの協業を発表しました。
VMwareがDocker、Googleとの協業を発表
VMware CEO、パット・ゲルシンガー氏。
仮想マシンかコンテナか、という選択ではない。どちらもアプリケーションをデリバリするためのものだ。
私たちはコンテナの最適な環境を仮想マシンを通して提供するために、Docker、Google、Pivotalとの協業を発表する。そしてコンテナをエンタープライズに対応するものにしていく。
Software-Defined Data Centerプラットフォームの上に、オープンなコンテナAPIを実装していく。
Software-Defined Data Centerは、あらゆるアプリケーションのためのプラットフォームになる。
VMware環境上でのDockerの対応、Kubernetesへの参加
VMwareとDockerは協力して以下のことなどに取り組むとしています。
- VMware Fusion、vSphere、VMwareのクラウドサービスvCloud Airなどが、Docker Engingにとって優れた稼働環境になるようにする
- Docker関連のオープンソースプロジェクト、libswarm、libcontainer、libchanの開発
- Docker Hubと、VMwareのクラウドサービスvCloud Air、vCenter Server、vCloud Automation Centerなどとの相互運用性向上
またVMwareはGoogleとの協業も発表。VMwareはすでにvSphereによるコンテナ管理を容易にするため、Googleがオープンソースとして開発しているDockerコンテナの管理ツールKubernetesに対する貢献などを行ってきており、今後もエンタープライズ向けのKubernetesのAPIやツールなどの開発を行うとしています。
VMwareによるコンテナ実装も
発表された情報だけではVMwareがどのようにDocker対応を実現するのか具体的な詳細は分かりませんが、次の2つが考えられます。
1つはVMwareの仮想環境で、ハイパーバイザとコンテナを分け隔てなく管理できるようにすることでコンテナを扱いやすくすること、もう1つはゲルシンガー氏が「Project Fargo」と呼ぶコンテナ機能を持つLinuxの実装について言及しているため、VMware自身がDockerのようなLinuxコンテナ技術の実装を用意しているのかもしれません。もともとVMwareはCloud Foundryの開発においてWarden(ウォードン)というコンテナを以前から実装しており、技術的な知見は十分にあるはずです。
追記:Project Fargoについての解説記事を書きました。Linux実装ではなく、vSphereの新実装のようです。
また、VMwareがコンテナをエンタープライズ対応にするとを表明している点も注目されます。Dockerがエンタープライズでも普及していく呼び水となるかもしれません。
VMworld 2014
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