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公開日 2024/10/10 07:00

ボーズ完全ワイヤレス、最新「QC Earbuds」と最上位「QC Ultra Earbuds」を比較。“買い”モデルはどっち?

よりカジュアルなモデルが10月10日発売
編集部 : 伴 修二郎
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Bose(ボーズ)のノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Bose QuietComfort Earbuds(QC Earbuds)」が、10月10日に発売された。価格は26,400円(税込)と手に届きやすい価格帯のモデルで、カラーはブラック/スモーク/チルドライラックの3色を用意している。

「Bose QuietComfort Earbuds」価格 : 26,400円(税込)

現在、ボーズが展開する密閉型完全ワイヤレスイヤホンのラインナップは、このQC Earbudsに加えて、昨年10月に発売されたフラグシップ機「QuietComfort Ultra Earbuds(QC Ultra Earbuds)」(税込39,600円)の計2モデル。つまり、今ボーズの密閉型完全ワイヤレスイヤホンを探しているなら、必然的にこの両モデルのいずれかを選ぶことになる。

約1万円超の価格差がある両モデルだが、新モデルQC Earbudsはフラグシップ機QC Ultra Earbudsと比較しても妥協のないパフォーマンスを実現し、同社の特徴であるノイズキャンセリング性能においても同等のクオリティを実現しているとボーズは謳っている。となると、一体どちらを選ぶべきかと迷われている方も少なくないだろう。そこで本稿では、両モデルの簡単な比較インプレッションをお届けしたい。

ボーズの完全ワイヤレスイヤホン現行モデル2種を比較

■気になるノイズキャンセリング性能の違いは? 両モデルの効き具合を比較



QC Earbudsは、ボーズの特徴であるノイズキャンセリング機能を搭載したモデル。Ultraがノイズ抑制レベルを11段階で調整できるのに対し、本機はON/OFFの切り替えのみに対応する。だがノイズキャンセリングの効き具合は「Ultraの最大時と同等」としている。

「Ultraの最大時と同等」というノイズキャンセリング性能を実現

まずはフラグシップ機Ultraのノイズキャンセリング性能を確かめるべく、音声再生モード「クワイエット(Quiet)」(イマーシブオーディオOFF/ノイズキャンセリングON)でチェック。ノイズキャンセリングをONにした瞬間、スッと周囲が静まり返り、騒音やノイズがかき消され、ほぼ無音といってもいい状態になる。

カフェなどの飲食店内における話し声やカチャカチャとした食器の音、また交通量の多い交差点近くの走行音やロードノイズなども、本機のノイズキャンセリングを使うと、それらの騒音がほんのわずかに聴こえる程度になる。一定以上の音量感で音楽を再生すれば、まず周囲の音は全く気にならなくなるレベルの強力さだ。またUltraの特徴は、11段階で調整できるノイズ調整。音の好みや環境に合わせてノイズ調整とイマーシブ機能を設定した最大7つのカスタムモードをプリセットすることが可能で、場所やシーンに合わせて細かいノイズ調整が行えるのはUltraの魅力だ。

ホワイトスモーク

チルドライラック

では次に新モデルQC Earbudsのノイズキャンセリング性能を、同じく「クワイエット」モードでチェックしてみる。こちらもノイズキャンセリングをONにすると、Ultraと遜色ない静寂感に、一気に包まれる。特に違和感のある圧迫感もなく、ほぼUltra同等の性能といえるレベルだ。

なお前述の通り、Ultraにあるカスタムモードは非搭載で、加えてBose Immersiveオーディオ機能も搭載していない。選択できる音質モードは、5種類のUltraに対して、QC EarbudsではノイズキャンセリングONの「クワイエット」、ノイズキャンセリングOFFの「オフ」、外音を取り込む「アウェア(Aware)」の3種類と、よりシンプルになった。細かい調整はできないものの、モードの違いがひと目で分かるのは、カジュアル向けモデルとしてむしろ好感触という方も少なくないのではないだろうか。

写真左がUltra、写真右がQuietComfort Earbudsのモード選択画面。よりモードの違いがシンプルで分かりやすくなっている

■さらにアップデートされた機能性。サウンドの違いもチェック



さらに、両モデルとの比較で違いを感じたのが、アウェアモードによる外音取り込みの性能だ。Ultraでアウェアモードに切り替えると、ホワイトノイズが少なく、さらに周囲の音の距離感まで感じ取れるような自然な質感が感じられたが、こちらと比較すると、QC Earbudsのアウェアモードはノイズ抑制の部分や自然さという部分でUltraに少し劣る印象。このあたりにもフラグシップ機との差が感じられる。

装着イメージ

イヤホン本体を眺めてみると、QC EarbudsはUltraとは形状が異なり、円形型デザインを採用している。実際に使用して感じた違いが、ケースからの取り入れのしやすさ。筆者の場合、Ultraをケースに入れる際、スティック部分を穴に差し込む構造に中々慣れず、入れる向きが分からなくなることがあったが、QC Earbudsではイヤホンを耳から外した手でそのまま収納できるほか、取り出しも簡単に行えるのでこの点は嬉しいポイントだった。

装着する際にも、取り外した手で持ち変えることなく耳に挿入でき、装着感もUltraと同様しっかりと耳にフィットしてくれるので耳からズレ落ちる心配もなかった。妙な圧迫感もなく、長時間着けていても、特に耳が疲れやすいこともなかった。

円形デザインでケースからの取り入れのしやすさが感じられる

機能面に目を向けると、連続再生時間はUltraの最大6時間からQC Earbudsでは最大8.5時間まで増加。約2.5時間の延長によって片道1時間の通勤でも約1日分使用時間が増える。また、Ultraでは別売オプションケース対応だったワイヤレス充電にQC Earbudsは標準対応するほか、新たに音声コントロールもサポートする。イコライザー設定はUltraの3バンドから5バンドに増加しており、ほかマルチポイント機能もしっかりと搭載するなど、機能面ではUltra以上に充実している部分もある。

なお各種設定やカスタマイズは、これまでの「Bose」アプリではなく新たな専用アプリ「QCE app」にて行える。アプリ内では充電残量の確認やモード切替え、各種機能のオン/オフに加えてタッチ操作や音声アシスタント操作のカスタマイズなど、Ultra同様に細かい設定が行えた。

バンド数が増加したEQ設定やマルチポイント機能もサポート

最後に少しサウンド面に触れると、QC EarbudsはUltraと比較すると、より中高域に寄ったサウンド特性という印象。とはいえ低音域も必要十分に存在感はあるので、オールジャンルを楽しめるサウンドに仕上がっていた。細かなディテール表現や空間オーディオ、aptXコーデック対応という面で、全体的な音質や仕様はUltraに軍配が上がるものの、QC Earbudsも負けず劣らずの実力を備えていると感じられた。

なお注意点としてQC Earbudsは、Ultraに搭載する音響パーソナライズ機能「CustomTune」や独自の空間オーディオ技術「Immersive Audio」、Awareモード時に大きな音を検出するとノイズキャンセリングが機能する「ActiveSense」、Google FastPair機能などは非搭載。aptXコーデックにも非対応となるので、そのあたりを重視している方はUltra一択となるので気を付けてほしい。

空間オーディオやaptXコーデックには非対応

◇◇◇


Bose QC Earbudsは、フラグシップ機のQC Ultra Earbudsの特性をしっかりと踏襲しつつ、新たに機能面では進化した部分もある、より使い勝手の良いモデルに仕上がっていた。カジュアルにボーズサウンドを楽しめる完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方におすすめできる。

とはいえ、ここまで説明してきたように、サウンドの違いや一部仕様の差があるので、購入を検討している方は、まずは量販店などで試聴していただくことをオススメしたい。

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