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【めちゃイケ・リレーインタビューVol.9】矢部浩之が語る“相方”岡村隆史との関係 22年の集大成「ファンが喜んでくれる最後を」
最終回では前回に引き続き、『めちゃイケ』のリーダー的なポジションで時には表から、ある時は裏から番組を進めていったナインティナイン・矢部浩之のインタビューを掲載。後編では、20代半ばでゴールデンタイム、しかもバラエティー番組にとって伝統ある枠である“土8”を任された思いをきっかけに、今のお笑い界への思い、相方である岡村隆史との関係、そして『めちゃイケ』が終わった後の“矢部浩之”について、余すことなく語りつくした。
若手時代の同志はSMAPとシャ乱Q 後輩芸人へのやさしいまなざし
僕らの頃は「ゴールデンで冠番組を持つぞ」っていう目標があったから良かったんですけど、今の若い子たちも冠番組を持ちたいはずなのに、僕らの若手時代のようになかなかそこに至る道筋が見えない。ただ、芸人の数が多くなって普通にしていても売れない時代になっているので、みんないろんな工夫をして、ネタもおもしろい、キャラもこれまで見たこともないような奴もいっぱいいるから、みんなで切磋琢磨して笑いのレベルが上がっているので、そこは羨ましいなと素直に思います。
岡村への不満爆発?「なに照れてんねん」 30周年の節目に新ネタ披露「しないといけない」
だから、2人で本気の新ネタをやるとなったら、なかなかの労力と時間が必要になってきますよね。相方も言っていましたけど、2020年はナイナイ結成30周年ですし、相方が50歳、僕が49歳になる年で2人合わせて99歳になるので、それは何かデカいことをしないといけないなとは僕も考えてはいますけど、まずは相方からの言葉を待ちたいですね(笑)。でも、結果的にはマネージャーが「どうされますか?」って聞いてきて、動き出すということになりそうな気がしています(笑)。いずれにしても、そこまでに1回はお客さんの前に立って、ちゃんとネタをやったら、舞台の感覚をいろいろ思い出すこともできるし、自信も取り戻せるかなとは思っていますけどね。ちょっと怖いのは、マネージャーが「僕も2人のネタライブ用にドーム会場をおさえようかなと思っているんです」と張り切っているので、それだけは「それはアホや、武道館でもビビるわ」って止めてます(笑)。
矢部が描く“ひとりラジオ”構想 『めちゃイケ』終了の実感「正直、まだない」
そうそう、オールナイト卒業する時の話で忘れられないことがあったんです。最後、番組を卒業するとなった時にリスナーやスタッフからめちゃくちゃ手紙をもらって、みんな気遣いもあるし、気持ちよく送り出してくれる言葉が多かったんですけど、放送作家の小西(マサテル)さんからの手紙にだけ、引っかかる一文があったんです。それが「一人だけ卒業を最初聞いた時、漕ぎ出した船を途中で降りるのかと正直思いました」という一文で、そのあとに「でも〜」みたいな感じで、ちゃんと大人なフォローもあったんですけど、小西さんの中で「矢部、ずるいわー」という思いがあったんでしょうね。でも、裏を返せば小西さんもたぶん迷っていた時期はあるということだと思うんですよ。降りるなら、みんなで一緒に降りようという気持ちだったんでしょうね。それは確かに申し訳ないなと思いました。僕のひとりラジオを小西さんと一緒にやるっていうのは、いいですよね。ただ、岡村・矢部からそれぞれ違うことを言われて、小西さんがノイローゼになってしまうかもしれないですけど、機会があったらやってみたいです。
◆矢部浩之(やべ・ひろゆき)1971年10月23日生まれ。大阪府出身。1990年4月に高校のサッカー部の先輩・岡村隆史とナインティナインを結成。1992年「ABCお笑い新人グランプリ」、93年「上方お笑い大賞」受賞。『めちゃイケ』では進行役として番組を巧みに仕切りながら、2011年の『27時間テレビ』では100キロマラソンに挑戦し、見事に完走した。現在フジテレビ『アウト×デラックス』やテレビ朝日『やべっちFC』などに出演。