1. ミキュイとは?
フレンチレストランで「ミキュイ」または「ミ・キュイ」といったメニューを目にしたことがある方も多いだろう。そもそもミキュイとはどのような意味があるのか、基本的なところから簡単に解説していく。
フランス語で「半生」という意味の低温調理方法
ミキュイとは「半生」という意味のフランス語である。その名の通り、食材を半生に仕上げる調理方法だ。中心までしっかり加熱するのではなく、ほどよく火を通すことにより半生状態に仕上げる。そのためには低温でゆっくり加熱する必要がある。
ミキュイは独特な食感が特徴
魚や肉はしっかり加熱するとパサパサした食感になる。だがミキュイは半生のため、生と加熱の中間のような状態に仕上がる。しっとりして柔らかく、ホロホロと崩れるような食感を楽しめるとして人気の料理だ。
生食が可能な食材で作る
ミキュイは半生に仕上げる料理のため、食材として使用できるのは生食できる魚や肉に限られる。刺身用サーモンはその代表だ。中心までしっかり火を通す必要がある食材は、ミキュイには不向きである。
2. ミキュイとコンフィの違いは?
ミキュイと並んでよく見かける調理方法のひとつが「コンフィ」だ。やはりフランス料理ではおなじみだが、両者にはどのような違いがあるのだろうか?
コンフィは「漬け込む」調理方法
ミキュイが半生であるのに対し、コンフィには「漬け込む」という意味がある。魚や肉をオリーブオイルなどに漬け込んだ状態で煮るのがコンフィの特徴である。保存性を高めるために考え出された調理方法とされている。一方、ミキュイはコンフィのように漬け込む必要はなく、低温調理用の調理器具がなくても、フライパンで焼くといった方法でも作れる。
ミキュイもコンフィも低温調理で作られる
ミキュイとコンフィには共通点もある。それが「低温調理」だ。コンフィも、ミキュイのように絶妙な火加減によってしっとり柔らかい食感に仕上がる。
3. サーモンのミキュイの簡単レシピ
ミキュイを初めて作るなら、定番食材のサーモンがおすすめだ。低温調理で半生にするため、必ず生食用のサーモンを使おう。
サーモンのミキュイの作り方
サーモンに塩をふり、しばらく寝かせてから下味をつける。フライパンを中火で熱し、サーモンの表面をサッと焼く(両面、側面ともに表面のみ色が変わる程度)。火が通りやすいので側面の色を見ながら焼いていくとよいだろう。すべての面を数秒ずつ焼くと、中心部がレアに仕上がる。
4. サーモンのミキュイに合うおすすめソース4選
濃厚なサーモンのミキュイには、酸味の効いたソースをかけると美味しい。低温調理中に作れる、おすすめソースを4種類紹介しよう。
バルサミコソース
バルサミコビネガーを小鍋で煮詰めるだけでよい。1/3量ほどまで水分を飛ばし、トロトロの状態にする。バルサミコソース、オリーブオイルをミキュイにかけ、ディルなどのハーブを添えよう。
大葉ソース
大葉、塩、レモン汁、オリーブオイルをミキサーやフードプロセッサーで粉砕し、乳化するまで撹拌する。ミキュイにかけてもよいし、お好みの野菜をソースで和えてトッピングしてもよい。
焦がしバターソース
小鍋にバターを入れて火をつけ、薄茶に色づいたら氷水に鍋の底をつけて冷やす。醤油、酢、ケッパーを加えて混ぜ合わせる。あればフォンドボーも加えよう。
レモンクリームソース
小鍋に水とレモン汁、ローズマリーを入れて温め、みじん切りにした玉ねぎを加えて煮る。生クリームを加えてとろりとするまで煮たら完成。
結論
ミキュイは「半生」という意味だ。食材を半生に仕上げることで、不思議な食感が生まれる独特な低温調理方法である。コンフィと混同されやすいが異なるため違いを知っておこう。ミキュイをご家庭で作る場合は、必ず生食用のサーモンを使おう。お好みのソースとともに楽しむのがおすすめだ。
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