概要

本調査研究は、こども家庭庁の令和6年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業費補助金を受けて(株)野村総合研究所が実施している調査研究です。
全国の児童相談所における児童虐待相談対応件数が増加の一途をたどるなど、児童相談所の業務が年々増加する中、児童相談所の職員の負担軽減は喫緊の課題となっています。児童相談所では日々、児童虐待に関する相談だけでなく、こどもの養育に関する相談や障害に関する相談が電話や来所により幅広く寄せられ、その都度、職員が聞き取りを行い、記録し、虐待相談の場合は緊急受理会議を行うなど、多忙を極めている状況です。そのため、児童相談所において、支援に係る業務に多くの時間を割けるよう、AI(人工知能)を含むデジタル技術の利活用により事務を効率的かつ適切に処理し、優先順位の高い業務に資源を重点的に配分する取組が重要となります。
児童相談所業務におけるAIの利活用に関しては、実装段階に至っている技術もあり、一部の自治体では業務システムの一環として運用されているほか、開発段階の技術も含め、今後さらに利活用が進むことが期待されます。こうした状況のもと、国で開発した一時保護の判断に資するAIツールについて、児童相談所業務の効率化等に有用であるかを検証した上で実装段階に進むことが重要となります。
本調査研究では、国で開発したAIツールに関する有用性の検証等を行うとともに児童相談所業務におけるAIの利活用の在り方を検討することを目的として、国で開発したAIツール(プロトタイプ版、iOSアプリケーションとして稼働)を児童相談所における一時保護の判断に有効活用できるかについて、複数の自治体の協力を得て多角的な検証を行います。なお、検証過程では関係法令を遵守し、実際の業務で試行するのではなく、回顧的にデータ入力を行うことで検証を実施します。
その上で、AI領域の学識経験者や児童相談所職員等からなる有識者検討会を設置し、協力自治体での検証結果を踏まえて、児童相談所業務におけるデジタル技術の利活用の在り方について議論し、中長期的な活用構想及び具体的な施策等をとりまとめることとしております。
この度は、本調査研究におけるAIツールの有用性の検証の結果を取りまとめ、ここに効果検証結果中間報告として掲載いたします。
なお、児童相談所業務におけるAIの利活用の在り方については、継続的に本調査にて議論を続け、最終報告書として整理することを予定しております。

児童相談所業務におけるAIの利活用の在り方に関する調査研究

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担当:神戸