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請負で仕事を受けたと思ったら、いつのまにか従業員としてコキ使われかけていたお話

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今日は私のフリーランスとしての失敗談だ。
偽装請負の罠にハマったことがある。
だいぶ前の話だし思い出すのもシャクだったけど、教訓も得られたので、紹介してみる。

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偽装請負ってなに?

あまりなじみがない人もいるだろう。

働き方は従業員(労働者)なのに、契約上は請負業者という状態の事だ。
なぜそんなややこしい状態が出来るのかというと、使用者側にとって、おいしいからだ。

通常はバイトなど労働者を雇おうとおもったら、使用者には保険や休暇など色々な義務や責任がある。
しかし業者として契約していると、そういう義務から免れることができるのだ。

労働者側にとってはメリットはない。

参考サイト:
東京労働局

・・・というのは、知っていたつもりだった。
まさか、自分がと油断していた。

始まりは知り合いからの一本の電話

知人の紹介経由で、とある会社から請負仕事の引き合いがあった。

仕事内容は、いわゆる「外注設計」。
編集設計とか大量の部品図バラシなんかが社内では回らないから、図面仕事を外注したいというもの。

本来は知人のWEBサイトから依頼があったのだが、知人が立て込んでて受けられないから私が紹介にあずかったという次第だ。

挨拶に行くとすぐに仕事が出て、見積して請負契約後、業務へ。
小口だったのですぐに終わった。ここまでは、良かった。
数日後また業務依頼が。

打ち合わせに出向いたら最後、捕まってしまった!

依頼の仕事の内容としては、前回と同じような図面仕事。
案件の説明を聞きに出向いたら、そのまま帰れなくなってしまったのだ。
状況としてはこんな感じ。

  • 持ち帰り作業は禁止だといわれる。
    機密上持ち出す許可が出せないから、とのこと。
    数時間で終わりそうな量だったため、とりあえずその会社のPCで作業することに。

  • 次々と、短納期の細かい仕事の指示が来る。
    先の仕事が終わって提出し帰ろうとすると、急ぎの仕事が振られる。
    超特急とのことで、説明が雑だったがおざなりでその場で見積後、作業することに。
    案の定、社員の組図検討ミスなどで、指示も増え工数がダラダラと伸びていく。

    結局、次の日にかかってしまうことになった。

  • 朝は8時に来いと言われる。
    すると当たり前のように、「ウチは8時始業だからね」と社長に言われるw
    請負の場合は法律上拘束される義務はない。
    当然断って私の都合上の出社予定時間を伝えたが、「ではその分遅くまでいてくれるよね」と言い出す。

    ここでかなりの違和感を感じ始めて、「請負としての契約ですよ?」と念を押した。
    すると「そんなことわかってる!俺は社長だしこの業界も長いベテランだからー」と怒り出した。

    この時点で離れればよかったが、一日目の仕事が半端に残っていたため機会を逃してしまった。

  • 「社会奉仕」に参加させられる。
    そしてしぶしぶ出社した二日目。午後一番に周囲が騒がしくなる。
    なんと社長の思いつきで、社会奉仕として近所の公園の掃除を毎週しているとのこと。

    請負の私は当然関係ないと仕事を続けていたら、私も外に出るように言われる。
    「施錠の関係で」「機密上一人にできない」などと言われ、断れずにとりあえず外に出てしまった。
    そして「うちのルール!みんなやってる」と金ばさみを渡され、金ばさみをもったまま押し問答に。
    たしかに、社員以外の請負で来てる人まで熱心にやってたな(汗

完全に「偽装請負」の奴隷を探していただけだった

本格的にやばいと思い、とりあえずなんとかうけてる仕事を終わらせて検収を受けた。
間髪をいれずに「急ぎの仕事が」と来たけど、私のスケジュール上無理ですと断った。

すると社長は激おこで、「作業服も用意してた」「名刺も発注した」「勤務先も決めてたのに」とのこと。

特に「勤務先を決めてた」っては私を勝手に派遣しようとしてたってことだから、本当に自分の決断に自信を持った。決断しなかった場合を考えるとゾッとした(笑

ゾンビもいた

社長ともめていてら、「わがまま言うのはアンタだけ。みんなやってる」と割り込んできた人がいた。

社員が社長に媚びてるのかと思ったら、その人も請負だった。
毎日出勤して、指示受けて、見積時間外なのに奉仕の掃除して、完全に偽装請負だ

本人に偽装請負の認識があるのかわからないが、こんな風に不利な待遇を他人にも強いる様はまさにゾンビだ。

これが事のあらましだが、次は得られた教訓を書いていく。

なんか偉そうにかいてるけど、全部自分へ向けてのお説教である。

教訓1. ゆでガエルを避けるには、こちらが悪者になるしかない

ゆでがえるとは水のうちからじわじわ熱せられて気付かずに死ぬカエルの事だけど、
それを避けるには、まだ湯がぬるい段階で早い判断をして逃げるしかない。
これが、結構難しい。

ぬるい湯の段階では人に己の境遇を話しても、まだそこまで同情されるような事はない。
逆に、逃げたこちら側が「不誠実」だの「社会人失格」だの責められることもあるだろう。私もかなり責められた。

やばいな?あれ?と初期にもたげた違和感は、けっこうな確率で実現する(のぼゆ比)。
新卒で合わない変な所に入ってしまった学生にも気を付けてほしい。
経験や知識が少ない分、判断を下そうとする自分を責めたりしてしまうかもしれない。

自分の直観を信じよう

教訓2. とりあえずは、とりあえず避けろ!

今回の件は、「急ぎの仕事」「困ってる」「とりあえず助けてよ」というバタバタした状況にほだされて、請負なのに出勤強要されて時間や行動まで拘束されるハメになった。

とりあえず、を一度聞いてしまうとそれが前例になってしまう。

教訓3. 面倒くさい奴になろう

特に初めは、融通を利かせちゃダメ。
きっちりとこちらの要求を申し出ないと、「とりあえず」先方の条件を呑んだが最後融通を利かせ続かないといけなくなる。

最後の押し問答の際「面倒な奴だな!」と言われたのだが、私は逆にうれしかった。

使用者に都合の良い人間になったら、損ばかりすることになる。

さいごに

報酬や給料が人質になっている気がして、強く出られないという人もいるかもしれない。

でも払われなかったら違法なので、こちらもまた行動をおこせばいい。
ただかなり面倒だし、消耗するから嫌なのはわかる。

だからこそ、口頭約束は避けて契約書などきっちりと普段から証拠をきっちりと管理するくせをつけたい

とりあえず先行で動いて、とか言われてもせめてメール連絡を要求するとか、「面倒な奴」になろう。

(支払日まで胃が痛かったです)

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