塩野義が初の株式分割 10月、配当予想は実質引き上げ
塩野義製薬は30日、10月1日を効力発生日として1株を3株に分割すると発表した。株式分割の実施は初めてだ。最低投資金額を引き下げることで、株式の流動性を高め、投資家層を広げる。2025年3月期の配当予想を実質的に引き上げることも決めた。
基準日は9月30日。1単元(100株)あたりの最低投資金額は8月30日の終値ベースで68万700円だが、分割後は22万円台に下がる。東京証券取引所は上場株への望ましい最低投資額を50万円未満としている。
あわせて、25年3月期の期末配当を分割前換算で前期末比2円増の87円とし、年間配当は172円にする。従来予想より2円高い。塩野義は株主資本配当率(DOE)を4%以上とする方針を掲げており、株主還元を充実させる。23年8月〜24年3月に発行済み株式総数の3.5%にあたる自社株買いも実施した。
塩野義株は6月7日、開発中の肥満症治療薬について当初見込んでいた体重減少の効果が表れなかったことを受けて一時、前日比16%安の6106円を付けた。8月30日終値で6807円まで回復した。株式分割などで投資家層を広げて株価の安定につなげる。
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