ワタミ、SUBWAYの日本事業を買収 ファストフード展開
ワタミは25日、サンドイッチチェーン世界大手「SUBWAY(サブウェイ)」のフランチャイズチェーン(FC)店展開を始めると発表した。同日付で米サブウェイと日本国内でFCを展開する契約を結んだほか、米サブウェイ日本法人を買収した。商業施設や駅前などへ出店を加速する。ワタミは宅配給食と居酒屋店が中心だがファストフードを加えて収益基盤を拡大する。
ワタミは「マスターフランチャイズ」と呼ぶ形態の契約を同日付で結んだ。契約期間は10年間で、日本においてサブウェイを独占的に展開できる。合わせてこれまで日本国内でサブウェイ事業を展開してきた日本サブウェイ(東京・品川)を同日付で買収した。取得額は非公表。
同日、東京都内で記者会見したワタミの渡辺美樹会長兼社長は「日本で3000店を出せるブランドはサブウェイしかない。小商圏で出せるためマクドナルドに対抗できる」と日本事業買収の狙いを語った。
現状、単一ブランドでは日本マクドナルドが3000店近くの店を構えており外食で国内最多となっている。サブウェイは国内178店を構えており、現時点では差が大きい。渡辺氏は「20年かけて3000店を目指していく」との将来構想を明らかにした。事業の成長性を高く評価していることを強調した。
サブウェイは世界100以上の国と地域で約3万7000店を展開するサンドイッチチェーンで、パンの種類や野菜の量、ソース、トッピングなどを自由に選べるのが特徴だ。注文に合わせて従業員が消費者の目の前で商品を作って提供する。野菜だけを挟んだサンドイッチが430円(通常サイズ)とファストフードとしては比較的手ごろだ。
野菜を多く食べられることを訴求し、健康志向の女性客を中心にファンが多い。新型コロナウイルス禍の影響でオフィス街を中心に一部店舗を閉鎖したが、21年以降は復調している。既存店売上高は48カ月連続で前年を上回るなど好調だ。
サブウェイの日本展開は、1991年にサントリーホールディングス(HD)が日本サブウェイを設立し同社の外食事業の1つとして始まり、ピーク時の2014年には500店近くまで拡大した。
その後16年にFC契約が終了したのに伴い、サントリーHDが日本サブウェイの株式を世界のチェーンを統括するサブウェイインターナショナルグループ(オランダ)に売却し、米サブウェイが直接運営する形となっていた。