学生の親の扶養控除150万円に緩和、自公「前向きに検討」
自民、公明、国民民主の3党の税制調査会長は11日、2025年度の税制改正について国会内で協議した。大学生らを扶養する親の税負担を軽減する特定扶養控除をめぐり、自公は子の年収要件を現在の103万円以下から130万円以下に緩和する案を提示した。国民民主は150万円以下を求めた。
自公側は国民民主の要求について前向きに検討すると伝えた。自民党の宮沢洋一税調会長が会合後、記者団に話した。施行時期についても、自公案の26年1月に対し、国民民主は25年1月を求めており、時期についても検討する。
高校生の扶養控除の縮小に関しては、国民民主は実施しないように要望した。24年10月に月1万円の児童手当の給付対象に16〜18歳が加わったことから、与党は24年度税制改正で縮小の方針を決めている。
所得税の「年収103万円の壁」については同日の会合で他国の基礎控除に関する資料をもとに議論した。自公が12日の衆院通過をめざす2024年度補正予算案に、国民民主が賛成するかが当面の焦点だ。
自民、公明、国民民主の3党の政調会長はこれに先立って11日、国会内で会談した。2025年度予算案をめぐり、国民民主は11の柱で72項目から成る要望を提示した。「年収103万円の壁」の178万円への引き上げやガソリン減税などを改めて求めた。
103万円の壁の引き上げそのものは自公国で合意済みだ。開始時期について、国民民主は25年からを主張する。一方、自民党は企業や自治体の事務やシステム改修の負担などを理由に26年を前提とする意向を示している。
補正予算案への賛成を取り付けるため、自公側が開始時期で譲歩する可能性もある。引き上げ幅については協議を続ける。
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年収の壁とは、パート労働者らの年収が一定額を超えると税や年金、社会保険料の負担が発生し、手取りが減る問題です。103万円、106万円、130万円などが境目で、年収が範囲内に収まるよう働く時間を調整する人も多く、収入が頭打ちになるだけでなく人手不足の要因にもなっています。