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稲盛和夫氏のリーダー育成 「分身の術」やコンパに原点

稲盛流経営まとめ読み

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京セラや第二電電(KDDIの源流)を育て上げ、日本航空(JAL)再建を果たした稲盛和夫氏が亡くなりました。人間の可能性を信じ潜在力を引き出す稲盛イズムをこれからどう受け継ぐのか。ゆかりの企業では「アメーバ経営」の再定義を重ねています。不透明さが増す現代の道しるべとなり得る稲盛哲学を解き明かす記事を集めました。(肩書や年齢は公開時)

すべての職場に経営者の「分身」

1960年代に撮影された社員の表彰風景。壇上に立つキャップをかぶり作業服姿の男性が若き日の稲盛氏です。「孫悟空が自分の毛を抜き、ひと吹きすると分身がたくさん出てくる。私も分身を育てたいと痛烈に思った」。こう語った創業期の苦悩が「アメーバ経営」の原点です。連載「進化するアメーバ経営」は稲盛氏の理論の成立過程や国内外での展開を検証しました。

究極の飲み会が最強組織をつくる

稲盛氏の周りにいつの間にかできる車座。高僧の辻説法のような光景がよく見られました。ストイックな経営者で周囲に合理的思考を求めた稲盛氏ですが、組織をまとめる手法は意外にも飲み会。「機会を見つけてはコンパを開き、リラックスした雰囲気の中、膝を突き合わせて酒を酌み交わし、人生について、仕事について語り明かした」。そんな稲盛氏の実践ノウハウをまとめた連載「稲盛流コンパ」は、会社の飲み会を「ガス抜き」とせず、夢と本音を引き出す場に変えるヒントになります。

「アメーバ」支える「フィロソフィ」

稲盛氏が編み出したアメーバ経営は末端組織にも経営マインドを持たせつつ、過度な部門間競争を抑えて全体の成長を目指すもの。社員に企業倫理や社会貢献の意識を浸透することがカギを握ります。その役目を担う稲盛流のフィロソフィ経営。禅など仏教の理念に共鳴し得度までした稲盛氏は、経営と道徳の両立に心を砕いていました。記事「名経営者はいつから名経営者なのか」では、こうしたアメーバとフィロソフィの関係を読み解きます。

稲盛イズム、バージョンアップは続く

稲盛氏亡き後アメーバやフィロソフィはどこへ向かうのか。京セラでも稲盛氏の薫陶を受けた他の企業でもバージョンアップは続いています。ロボットの高性能化、人工知能(AI)普及によって多くの企業が働き方やパーパスの再定義を迫られているからです。シリーズ「ビッグBiz解剖」では本家本元の京セラが抱える課題と稲盛氏が志向した経営多角化の現在を分析しました。

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