トヨタ、米リフトの自動運転部門を買収 590億円
【ニューヨーク=中山修志】トヨタ自動車は26日、米ライドシェア大手リフトの自動運転部門を5億5000万ドル(約590億円)で買収すると発表した。リフトの開発チームを取り込み、自動運転技術で競争優位をめざす。
トヨタで自動運転技術を担うウーブン・プラネット・ホールディングス(東京・中央)を通じてリフトの自動運転部門「レベル5」を今夏にも買収する。リフトの配車システムや車両データをウーブンの技術開発に提供することにも合意した。買収により自動運転関連の開発人員は1200人体制となり、本社機能を置く東京に加え、米シリコンバレーと英ロンドンにも開発拠点を構える。
トヨタは2019年にも米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズの自動運転部門に出資した。同部門はその後に米自動運転技術企業のオーロラ・イノベーションが買収し、トヨタはオーロラの株主になっている。
ウーバーやリフトなどライドシェア大手は配車サービスと併せて自動運転技術の開発にも取り組んできた。一時は大手自動車メーカーをしのぐ開発体制を敷いたが、新型コロナウイルス危機で本業のライドシェア事業の収益が悪化し、開発コストが大きい同部門の維持が難しくなった。
トヨタは自動運転でライバルの一社だったリフトの技術を取り込み、自動運転を中核とする総合モビリティーサービスの確立を急ぐ。買収や出資を通じて、ライドシェア大手が将来手掛ける自動運転サービスをトヨタが押さえる狙いもある。ウーブンのジェームス・カフナー最高経営責任者(CEO)は26日の声明で「世界トップクラスの専門家と技術を集めることで、迅速に事業活動を進められる」とコメントした。
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