阿佐海岸鉄道、利用客2年連続増 修繕費重荷、赤字は続く
徳島県などが出資する第三セクター鉄道、阿佐海岸鉄道(海陽町)の2012年度の利用者数は、前の年度に比べ2.6%増の4万222人となった。2年連続の増加。駅に停車中の列車で落語が楽しめる「寄席列車」などの新たな利用促進策が寄与した。ただ、車両の修繕費などがかさみ、単体の経常損益は6333万円の赤字と、22年連続の赤字となった。
利用者数は一般旅客が3.8%増の3万3142人だった。寄席列車のほか、地元中学生による鉄道をテーマにした学習や車内での演奏会などでの利用も寄与した。定期券での乗客は2.5%減の7080人だった。
利用者増で運賃収入は増加したが、四国旅客鉄道(JR四国)からの車両使用料収入が減少し、単体の営業収益は1.4%減の1025万円にとどまった。経費削減の一方、修繕費と人件費がかさみ、経常赤字となった。県や沿線自治体からの基金を通じた補助金を特別利益に計上し、税引き利益は20万円だった。