民主派の香港政府トップ就任を拒否 中国政府
【香港=川瀬憲司】中国政府は香港政府のトップである行政長官に「民主派」の就任を認めない考えを示した。香港の行政長官は中国政府と関係の深い財界人らによる少人数の投票で「親中派」の人物を選んできたが、次の行政長官を決める2017年には通常の選挙を実施してもよいとしていた。しかし、新たな条件を付けることで、自らに都合の悪い候補は排除する姿勢を明確にした。
中国政府は香港に高度な自治など「一国二制度」を保障しているが、その形骸化を印象付けた。この制度を応用する方針を掲げる台湾との統一戦略にも影響しかねない。
中国の立法機関にあたる全国人民代表大会(全人代)法律委員会の喬暁陽主任が24日、香港立法会(議会)の親中派議員約40人を広東省深センに集め「(北京の)中央政府に対抗する人物が行政長官となることは受け入れられない」と言明。民主派が当選すれば「剣が抜かれ、弓が引き絞られた状態になる」とけん制した。
喬主任は一般の有権者が投票する前に、新たに設置する指名委員会で候補者をふるいにかける考えを示した。その際「中央に対抗しない」「国を愛し、香港を愛する」ことを基準にするという。
香港の憲法にあたる基本法は、最終的に行政長官を「普通選挙で選出」すると定める。「指名委員会」の設置も規定するが「広範な代表制を持ち、民主的な手続きによる指名」と明記している。
民主派は喬主任の発言に一斉に反発。香港中文大学の蔡子強・政治行政学部高級指導教官は「中央政府が香港社会の声を完全に無視できないと信じる」と強調した。