韓国南部の原発、18時間予備電源なし 点検中に
【ソウル=共同】韓国南部釜山郊外にある古里原発1号機(加圧水型軽水炉、出力58万7千キロワット)で7月、原子炉の点検中に作業員が2台ある非常用発電機を両方停止させ、予備電源がない状態が約18時間続いていたことが5日、分かった。韓国の原子力安全委員会が明らかにした。
当時、原子炉は稼働を停止し、核燃料棒は炉から取り出されていたが、構内の水槽には使用済み核燃料が貯蔵されており、外部からの電力供給が止まれば、冷却装置が使えなくなる状況だった。
原子力安全委員会の運用指針では、いかなる場合でも非常用発電機のうち1台は運転を続けるよう定めている。
韓国では原発への不正な部品納入が次々発覚し、交換のための運転停止で夏場の電力供給危機が起きた。
韓国政府は「原発不正との戦争」を宣言し、不正に厳罰で臨む姿勢を示しているが、発電現場の安全意識の低さも問われそうだ。