大阪市、文楽への補助金を減額へ 劇場入場者数が基準に達せず
国立文楽劇場(大阪市)は26日、2013年度の有料入場者数が10万1204人(速報値)になったと明らかにした。大阪市が文楽協会に対して運営補助金を満額支給する基準には達せず、約730万円減額され約2170万円になる見通し。最終公演が近づくにつれ入場者が増えたが、満額には約25%届かなかった。
市が12年度に文楽協会に支給した補助金は3900万円。橋下徹市長が打ち出した補助金見直しで、このうち2900万円分は13年度から観客数に応じ補助額を決めることにした。
入場者数が9万人以下ならゼロ、それ以上なら1人につき約1930円ずつ増額し、10万5000人以上なら満額の2900万円を支給する。過去10年間の平均入場者数は9万6395人。市はこのほか、入場者数に関係なく衣装代などの活動補助費として別途1000万円まで支給する。
今年度最後の初春公演(3~26日)は、千秋楽が近づくにつれ入場者数が伸びた。19日からは技芸員(演者)が人形とともに開演前と終演後のロビーに立ち、あいさつ。初春公演としては過去最多を記録した。ただ、年度を通しては「仮名手本忠臣蔵」などの人気演目が上演された昨年度に及ばなかった。
文楽協会の業務は技芸員のマネジメントや地方巡業の企画など。職員の人件費など運営費は補助金で賄ってきた。補助金の減額分は「退職者を補充せず、人件費の削減で対応する」(三田進一事務局長)という。
市は来年度も同じ制度で補助する方針。