ブラックホールのガス、曲がる様子を観測
地球から数十億光年離れた銀河で、超巨大ブラックホールから噴出するガスのジェットが根元で大きく曲がっていることを、東京大などのチームが電波望遠鏡の観測で見つけた。ブラックホールの基本的な性質を解明する手がかりになるという。19日から大分市で開かれる日本天文学会で発表する。
銀河の多くは中心部に巨大なブラックホールがあり、ちりなどが落ち込む際にほぼ光速のジェットを噴き出している。
チームは、ハワイや米西部にある5台の電波望遠鏡をつないで、地球から約53億光年と約73億光年離れた2つの銀河の中心にあるブラックホールを観測した。
その結果、2つのブラックホールともジェットが根元から「く」の字のように曲がっていた。曲がる理由はよく分かっていないという。
複数の望遠鏡をつなぐ技術は、天体をより細かく見るのに有効で、今回の観測は月面に置いた約10センチ四方の物を見分けることができる精度。チームの東京大大学院生の秋山和徳さんは「ブラックホールを直接撮影するという目標に向けた大きな一歩だ」としている。〔共同〕