マグロやサバ、祖先は共通の深海魚 国際研究グループ
千葉県立中央博物館の宮正樹動物学研究科長らと英オックスフォード大、東京大などの研究グループは、マグロやサバ、カツオといった遊泳魚の多くが約6500万年前の白亜紀末にいた共通の魚から進化したことを突き止めたと発表した。この時期には巨大隕石(いんせき)の衝突で恐竜を含め生物の大絶滅があったが、これを生き残った深海魚だという。
現在の分類体系を書き換える成果で、論文が5日、米科学誌プロスワン(電子版)に掲載された。
研究グループは魚類の過半数の約1万7千種が分類されているスズキ類を対象にミトコンドリアDNAの塩基配列を網羅的に解析。化石なども調べた結果、サバやマグロからタチウオ、エボシダイを含む15科232種類が共通の祖先から分かれて進化したと断定した。
共通の祖先は現在のタチウオのような細長い形で、水深400メートルぐらいの深海に生息していたと推定している。新分類群として「ペラジア」(ギリシャ語で外洋に住むものという意味)と名付けた。