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トヨタ、スズキに5%出資 スズキもトヨタに480億円

(更新)
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トヨタ自動車スズキは28日、資本提携すると発表した。トヨタが960億円を出資しスズキ株の4.9%を持つ。スズキもトヨタに0.2%程度を出資する。現在の業務提携から関係をさらに深める。自動運転や電動化など自動車の次世代技術は複数分野で同時に普及が進み、業界は100年に1度の変革期にある。得意分野を相互に生かして競争力を高める合従連衡が世界で続きそうだ。

スズキの鈴木修会長は28日、日本経済新聞の取材で、資本提携を通じて「大きな変革の波に向け団結する」と強調した。

トヨタはスズキが持つ自社株を取得する形で出資する。スズキの株主の中でトヨタの持ち株比率は3番目で、事業会社としては最多になる見通しだ。スズキは480億円相当のトヨタ株を取得する。両社とも当局が承認し次第実施する。

トヨタの世界販売台数は2018年で1059万台だった。独フォルクスワーゲン(1083万台)、日産自動車などの日仏連合に次ぐ3位だ。マツダやSUBARU(スバル)など連結対象ではない出資先を加えると約1300万台、スズキが入ると約1600万台に拡大する。

トヨタとスズキは16年に提携を検討すると発表。電動化で先行するトヨタがスズキにハイブリッド車(HV)システムを提供するほか、スズキが強みを持つインド市場では電気自動車(EV)で協力するなど、連携を徐々に深めてきた。

今後は自動運転分野などで連携を強める。長期的な関係構築が必要との考えから相互出資に踏み込んだ。

業界環境の変化速度は年々早まっている。半導体の性能や通信技術が飛躍的に進化し、自動運転などにつながる車なども含めた「CASE」と呼ばれる次世代技術の実用化が視野に入ってきた。

トヨタが提携先を増やすのは研究開発などの膨大な投資を効率化するためだ。マツダやスバルにも出資し、EVや次世代の移動サービス「MaaS」の開発で連携を進めている。

過去の合従連衡は、生産や販売を効率化するために規模を競う面が強かった。独ダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と旧クライスラーの合併や、日産自動車と仏ルノーの日仏連合などだ。

トヨタなどによる近年の再編は性格が異なる。技術開発や、新技術の普及に向けたルール形成で主導権をとるのが目的だ。このため買収やグループ会社化など、出資比率にはこだわらない緩やかな連合づくりが加速している。

既存の自動車大手を脅かす新勢力が台頭しているのも特徴だ。完全自動運転の開発では米アルファベットの傘下企業が先行する。EV開発では世界最大の市場を抱える中国メーカーの成長が著しい。新車需要を大きく左右するライドシェアなど新サービスはITスタートアップが担い手だ。

自動車メーカーごとの戦略の差も出てきた。トヨタとは対照的に、米ゼネラル・モーターズ(GM)は稼働率の低い工場の閉鎖を進めるなど縮小均衡にもみえる戦略を採る。

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