大腸ポリープ切除、AIが診断支援 国が承認
名古屋大学や昭和大学などは10日、がんの前段階のポリープを内視鏡検査で見つける人工知能(AI)システムが医薬品医療機器等法にもとづく承認を得たと発表した。内視鏡の画像をAIが診断して医師に伝えるシステムが承認を受けるのは初めてという。検診での見逃しを防ぐことで、大腸がんによる死亡が減らせると期待される。
このシステムは名大と昭和大、工業製品の設計用ソフトウエアなどを手がけるサイバネットシステムと共同開発した。サイバネットシステムは内視鏡メーカーと組み、2019年夏までに医療機関に提供する計画だ。
国立がん研究センター中央病院などの国内5カ所の病院と協力し、約6万枚の大腸の内視鏡画像をAIに学ばせた。臨床試験(治験)では、いずれがんになる悪性のポリープなのか、違うのかを98%の精度で見分けられた。専門医に匹敵する水準だという。
大腸がんで亡くなる人は女性ではがんの中で最も多く、男性でも3番目だ。初期では自覚症状がほとんどなく、見つかったときには進行していることが多い。がんになるポリープを切除すれば予防効果が高いが、熟練の専門医でないと見落としてしまいやすい。