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独与党、バイエルン州で大敗 メルケル政権に打撃

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【ミュンヘン=石川潤】ドイツで14日実施された南部バイエルン州の議会選挙で、メルケル政権を支える保守与党、キリスト教社会同盟(CSU)が歴史的な大敗を喫した。選挙管理委員会の暫定結果によると、CSUの得票率は前回2013年の47.7%から37.2%に下がり、68年ぶりの低さとなる。保守の牙城、バイエルン州での与党敗北は不安定なメルケル首相の政権基盤を大きく揺さぶる。

CSUはメルケル氏が率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党だ。カトリックが多く保守的なバイエルン州で、戦後ほぼ一貫して単独政権を維持してきた。今回の選挙でも第1党になる見通しだが、過半数には届かず、他党との連立協議が必要になる。CSU内での責任論の浮上は避けられず、混乱がメルケル政権全体に広がる可能性がある。

「よい結果ではなかった。謙虚に受け入れなければならない」。CSUのゼーダー州首相は大勢が判明した14日夜にこう語った。

CSUの敗北は、15年の難民危機とその後の党の迷走が原因だ。バイエルン州は難民がドイツに入る際の入り口に位置し、100万人を超える難民を受け入れたメルケル政権への批判が根強い。反難民の極右の台頭に対抗するため、CSUは難民抑制にかじを切ったが、右傾化を嫌う穏健な支持層の離反を招いた。

CDU・CSUと国政で連立を組むドイツ社会民主党(SPD)も失速した。得票率9.7%と前回の20.6%の半分以下になる見込みだ。連立政権の中で存在感を発揮できていないことへの不満が、支持離れにつながったとみられる。

今回の選挙では、CSUに失望した有権者の受け皿となった緑の党と、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進した。環境政党で難民の受け入れに寛容な緑の党が前回より8.9ポイント高い17.5%で第2党、極右AfDが10.2%で第4党になった。

政権与党のCDU・CSU、SPDの支持率低下はバイエルン州だけでなく、ドイツ全域で広がっている。与党の足並みがそろわず、政権運営が停滞していることへの批判が高まっている。

次の焦点は、28日のヘッセン州の議会選挙だ。金融都市のフランクフルトがある独西部ヘッセン州ではメルケル氏のCDUが第1党だが、事前の世論調査では苦戦が予想されている。州議会選挙で連敗となれば、12月の党大会での党首再選を狙うメルケル氏の立場も危うくなりかねない。

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