<自転車:ブエルタ・ア・エスパーニャ>◇第20S◇7日◇178・4キロ◇ラ・ファイサネラ〜ボラ・デル・ムンド

 アルベルト・コンタドール(28、スペイン=サクソバンク・ティンコフ)が4分15秒差の9位に入り、マイヨロホ(総合1位)を守った。この結果、コンタドールが08年以来の2度目の総合優勝をほぼ手中に収めた。

 この日のゴールは最高勾配23%の超級山岳ボラ・デル・ムンド。残り3・3キロから始まる急勾配にコンタドールは苦戦した。残り2キロを切ったところで、総合3位ホアキン・ロドリゲス(33、スペイン=カチューシャ)のアタックについて行けず離された。さらに、残り1キロでは、総合2位アレハンドロ・バルベルデ(32、スペイン=モビスター)に後から追いつかれ、かわされてしまう。それでも「最大の力を出した」というコンタドールは、最後の力で踏ん張り、ロドリゲスに44秒差、バルベルデに19秒差でゴール。総合ではバルベルデと1分16秒差、ロドリゲスとは1分37秒差で逃げ切った。

 コンタドールにとって、ドーピング違反による出場停止が明けてから、初のグランツールとなった今大会。第3Sで7度のアタックをかけるなど、積極的なレースを展開したが、第12S、14Sではロドリゲスとの一騎打ちに敗れ、なかなか波に乗れなかった。しかし、第17Sで残り51キロからのアタックを決め、独走でステージ優勝を果たすと、一気に総合首位に浮上し、逆に大きなリードを奪った。一度の勝利でひっくり返したコンタドールが、最後は遅れを取ったもののリードを守り切ってみせた。

 ステージ優勝は05、07年総合優勝のデニス・メンショフ(34、ロシア=カチューシャ)。ゴール前でリッチー・ポート(27、オーストラリア=チームスカイ)を突き放した。タイムは4時間48分49秒だった。ポートが17秒差の2位、3位はケビン・デウィールト(30、ベルギー=オメガファルマ・クイックステップ)だった。

 土井雪広(アルゴス・シマノ)は28分23秒遅れの130位でゴール。総合は3時間10分5秒遅れの132位となった。

 8日の最終Sで選手たちは首都マドリードに入り、中心部の周回コースで最後の戦いが繰り広げられる。