日本サッカー協会が、天皇杯で浦和レッズの一部サポーターが暴力や破壊行為に及んだ騒動に対する処分を協議するため、臨時の天皇杯実施委員会と理事会を来月初旬にも開くことが22日、分かった。

2日の名古屋との4回戦(CSアセット港サッカー場)で完敗した浦和側の応援リーダーら、現段階で77人が暴徒化した事態を協会は重く見ており、議論の進展次第では、サポーターの管理責任を負う浦和に対して来年度の天皇杯出場資格剥奪など厳しい処分が科される可能性がある。

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日本協会が、浦和と悪質サポーターに対し、史上最も重い処分を下す可能性が出てきた。現在、試合後の映像を集めて関与者の動向を分析中。状況確認が終わる来月初旬にも、詳細を共有するため、臨時で天皇杯実施委と理事会を開く必要があると判断した。裁定委と規律委が基準を示し、理事会の承認を経て、処分を最終決定する運びという。

その見通しについて、関係者は「当初のクラブ発表に対して暴力相当の行為はあったと否定した田嶋会長はじめ、スタジアムでの暴力を許さない協会は、従来の罰金や数試合入場禁止では収めない可能性がある」と指摘。「歴代最悪の事件」と見る関係者もおり、最も重い処分案には、浦和の来年度の天皇杯出場資格剥奪も含まれる模様だ。

過去、1件の騒動事案を話し合うためだけに、臨時理事会が開かれた例はないという。それほど協会は事態を深刻に見ている。一方の浦和は試合の翌3日、暴力行為はなかったとして主導者に最大16試合の入場禁止を言い渡した。その後、弁護士をまじえて映像を確認した協会と協議の上で、暴力や破壊、威嚇等の違反行為を25人程度がしていたことを新たに続報として追加報告していた。

その中で、違反者のうち1人が、過去に暴力行為などを理由に浦和から入場禁止処分を受けていたことも判明。特に悪質なサポーターには、国内で開催される全ての試合への入場を禁止する措置を取るとみられる。

7月には、火薬類等危険物の持ち込みと使用で東京サポーターが、全ての日本国内試合への無期限の入場禁止処分を科された。それ以上とも言える暴力や危険行為があった今回は、解除されることもある無期限ではなく、永久に追放される可能性もある。その場合、天皇杯はもちろんJリーグや日本代表戦、小中高から女子に至るまで全カテゴリーの会場に入れなくなる。

協会とJリーグは「子供や家族が安心して観戦できるスタジアムづくり」を目指している。その中で今回の騒動は、名古屋側のサポーターに子供や女性ら家族連れの姿も多くあった夏休み中に起きた。警備員を押し倒したり、相手サポーターの胸ぐらをつかんだりした処分対象者の最終的な特定作業と、漏れのない違反行為者の捜索を終えた後、協会は厳罰を下すのか。臨時の天皇杯実施委と理事会の判断内容が注目される。