文化放送は13日、17年春の改編として、人気声優の阿澄佳奈を起用した、日曜昼の生ワイド番組「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」(日曜午前11時)を、4月9日からスタートすると発表した。

 1952年(昭27)の開局の文化放送が、日曜の昼間に2時間のアニメ&ゲーム専門の生放送番組を編成するのは史上初めて。この日、同局で阿澄も出席しての会見が行われた。

 「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」は、アニソン及び声優アーティストの歌、ゲームソングに限定したリクエスト番組になる。同局にとって、日曜昼帯は76年4月から90年10まで放送した「決定! 全日本歌謡選抜」、90年10月から94年4月まで放送された「TOYOTA SUPER COUNTDOWN 50」などの名物リクエスト番組を生み出した看板枠だ。その流れを継承し、アニソンやゲームソングに特化した2時間番組となる。

 阿澄は会見で、次のように意気込みを語った。

 今回、お声がけいただきまして。私にとって初めてのレギュラー生放送番組。とても緊張しますし、プレッシャーもありますが、新たなチャレンジをさせていただくことになりました。アニラジ(アニメ系ラジオ)枠で、日曜お昼地上波は新しい試みと聞いています。新しいことが、たくさん出てくる番組になりそうで、ワクワクしています。0から育てていくという感じで、頑張っていけたら。

 番組では通常のリクエスト、ゲストのコーナーのほか、フルコーラ専用のリクエストコーナーもある。また中継コーナーとして、リポーターを日曜に各所で行われるアニメやゲームのイベント、ライブに派遣し、現場の様子を生中継する。

 文化放送は、これまでアニメや声優、ゲームに力を入れてきた。1991年(平3)4月から、声優日高のり子をMCに起用した「ノン子とのび太のアニメスクランブル」をスタート。2007年(平19)には、地上波に加え、インターネットラジオ「超! A&G+」を開局し、声優やアニメ、ゲームに特化した放送を続けている。「ノン子とのび太のアニメスクランブル」も、10年に地上波から「超! A&G+」に移行して、現在も放送を続けている。

 地上波でアニメやゲームを取り上げる番組としては、02年10月から「A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン」(土曜午後11時)、15年4月から「A&G TRIBAL RADIO エジソン」(土曜午後9時)、15年6月から「ユニゾン!」(火~金曜深夜1時)があるが、いずれも夜帯、深夜帯の番組で、声優を起用した日曜生ワイドは初めてだ。

 日曜昼帯は、ニッポン放送が「土田晃之 日曜のへそ」(午後12時)、TBSラジオが「爆笑問題の日曜サンデー」(午後1時)と、人気の生ワイド番組が放送されている。そこに文化放送は、人気声優を起用し、かつアニメ、ゲームに特化した生ワイド番組で挑戦する。同時間帯において異例の番組となるのはもちろん、アニメや声優系の番組は夜帯の放送が多いだけに、アニメ&声優ファンにとっても異例の番組となりそうで、どのように受け止められるのか、注目だ。【村上幸将】