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  • 2024年11月14日

リニア中央新幹線 工事どうなる 調査は?東京・町田市 水や気泡 近くでは地下トンネル掘削

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リニア中央新幹線の地下トンネル工事が行われている「第一首都圏トンネル小野路工区」に近い東京・町田市の住宅の庭で、10月、水と気泡が湧き出て、JR東海は掘削機による工事を中断しました。JR東海の丹羽俊介社長は11月13日、工事を再開する際には住民や周辺の関係自治体に対し、調査結果を説明したいという考えを示しました。現場や調査の状況などについてまとめました。

リニア中央新幹線 東京・名古屋間で工事

JR東海は、総事業費およそ9兆300億円にのぼる「リニア中央新幹線」の整備計画を進めています。最高速度は時速500キロで、東海道新幹線と比べて▼東京・品川と名古屋の間はおよそ1時間短い40分、▼東京・品川と大阪の間はおよそ1時間15分短い1時間7分で結ぶ計画で、現在、東京・名古屋間の工事が進められています。

東京・町田市「第一首都圏トンネル小野路工区」

東京・町田市では、町田市の掘削開始地点から深さ40メートル以上の地下を西に247メートルほど掘り進めています。

JR東海によりますと、10月22日、町田市から神奈川県に向かって地下を掘り進めている「第一首都圏トンネル小野路工区」に近い町田市の住民から「庭で水が出ている」と連絡があったということです。

庭から水や気泡 掘削機表面から数十メートル

社員が現場の庭を確認したところ、水と気泡が地中から湧き出ていたということです。工事に使っている掘削機は、土を削りやすくするために気泡を出しながら動くもので、水や気泡が湧き出た庭は掘削機の表面から数十メートル離れているということです。

JR東海は住民から連絡があった当日から工事を中断し、工事との関係を調べています。湧き出ていた水と気泡は工事中断の2日後から止まっているということです。

JR東海 工事との因果関係 専門家の意見聞きながら調査

JR東海の丹羽俊介社長は11月13日の記者会見で湧き出た水などを調べたところ、人体や環境に影響を及ぼすものではないことが確認されたと説明しました。

そのうえで、丹羽社長は「地域住民のみなさまにはご心配をおかけしている。今回の事象と工事との因果関係について専門家の意見を聞きながら調査を行っている」と述べ、工事を再開する際には住民や周辺の関係自治体に対し、調査結果を説明したいという考えを示しました。

町田市 “調査結果を市民に説明 丁寧な対応を”

JR東海の記者会見を受けて、東京・町田市は「引き続き、工事との因果関係がしっかりと明らかになるまで調査を進めてほしい。結果を市民に説明し、不安を取り除いていただけるよう丁寧な対応をお願いしたい」とコメントしています。

川崎市~町田市 地上ヤード付近で石灰が飛散

リニア中央新幹線のトンネル工事のうち、神奈川県川崎市と東京・町田市にかけて設置される「片平非常口」の地上ヤード付近で12月5日、石灰が飛散し、近隣の車のフロントガラスなどが汚れる被害が出たとJR東海が発表しました。

JR東海によりますと、たて穴を掘った際に出た土を地上のヤードで石灰と混ぜる作業をしていた際に強風にあおられて飛散したとみられるということで、工事を一時的に中断したものの、石灰を少しずつ混ぜるなどして対応しているということです。

JR東海では、「慎重に工事を行うよう、施工会社を指導していく。今後、被害などの申告があれば適切に対処したい」と話していました。
(追記 12月12日)

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