大阪府知事選挙 何を訴えた?候補者演説を徹底分析!

大阪府知事選挙は3月23日に告示され、立候補したのは届け出順に、▽無所属の新人で法学者の谷口真由美氏(48)、▽参政党の新人で歯科医師の吉野敏明氏(55)、▽無所属の新人で共産党が推薦する元参議院議員の辰巳孝太郎氏(46)、▽大阪維新の会の現職の吉村洋文氏(47)、▽諸派の新人で執筆業の稲垣秀哉氏(53)、▽政治家女子48党の新人で薬剤師の佐藤さやか氏(34)の6人です。

NHKはそれぞれの候補者の演説を、AIを使った「テキストマイニング」という手法で分析し、有権者にどのような内容を訴えたのかを読み解きました。
演説の中で使われた政策や選挙運動に関する言葉の回数を集計し、より多く使われた言葉をより大きく表示しています。

谷口氏は、15分余り演説し、最も多く使った言葉は「人」の13回でした。
「若い『人』やお年寄りが、希望を持っていい『町』だと思える大阪にしたい」といった文脈で多く使われました。

谷口氏は、日本ラグビー協会の元理事です。「ラグビー」は、父親がラグビーチームに所属していたことを紹介しながら、今回の選挙を「自分」もフェアに戦いたいと訴えました。

さらに、大阪府の予算について、詳しい情報にアクセスできないとして「情報を出してもらえなければ『検証』のしようが無い」と批判しました。

「ヒョウ」柄のジャンパーを着て演説した谷口氏は、「ヒョウ」柄の物を集めるのが好きで、身につけると機嫌がよくなり、趣味は「ヒョウ」集めだとアピールしました。

吉野氏は、およそ10分半演説しました。多く使われた言葉は「ごみ」と「沈下」で、それぞれ10回でした。これらは、大阪湾の人工島「夢洲」とあわせて使われました。

大阪府などが「夢洲」にカジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致を進めていることについて、「地盤沈下」などを理由に、反対する姿勢を強調しました。

辰巳氏は、15分近く演説し、多く使った言葉は「カジノ」と「知事」で、それぞれ15回でした。
「カジノ」は「ギャンブル」だと訴え、「『依存』症対策には施設を作らないことが一番だ」と述べました。そして、カジノを含むIR=統合型リゾート施設誘致の反対を訴えました。

また「知事」は、現職の吉村「知事」の新型コロナウイルス「対策」などを批判する文脈で使われたほか、自らが「知事」になった場合には「教育」や「府民」を守る府政を取り戻すと主張しました。

そして「『維新政治』を終わらせて、『希望』を持てる大阪を作りたい。私を『知事』に押し上げて『仕事』をさせて下さい」と呼びかけていました。

吉村氏は、およそ25分間演説しました。最も多く使われた言葉は「子供」で20回でした。

大阪の「子供」たちが家庭の経済状況にかかわらず希望する進路を選択できるように、高校や大阪公立大学などの授業料を「無償」化すると訴えました。

次いで多かった「府市」は、「一体」や「成長戦略」「万博」といった言葉とともに使われました。大阪府と大阪市が一体となって、「万博」や、カジノを含むIR=統合型リゾート施設の誘致、JR大阪駅北側の「うめきた」の再開発などを進めていくとしています。

また「財政」という言葉を使って、以前の財政状況は「破綻寸前だった」と批判し、立て直しに取り組んできた現職としてのこれまでの実績を強調しました。

稲垣氏は、およそ14分間演説し、最も多く使われた言葉は「日本」の26回でした。

また「核武装」や「自衛」といった言葉を多用しました。
「『府民』の生活を守るために、大阪から『国防』力の強化を進めるべきだ」などと訴えました。

佐藤氏は8分余り演説し、最も多く使われた言葉は「政治」で12回でした。

「女性」や「若者」の「政治参加」を促し、新たな視点を取り入れていきたいと繰り返し訴えました。
「政治」に「興味」が無かった人たちにも訴えるため、「選挙」戦はSNSを中心に行っていくと話していました。

大阪府知事選挙の投票日は4月9日で、即日開票されます。