最新記事

ロシア

国民が戦死する一方で...ロシア高官の子供がドバイや米国で過ごす「贅沢セレブ休暇」写真が判明

As Russian Officials Rail Against West, Their Kids Vacation in NATO Nations

2023年1月14日(土)19時43分
イザベル・ファン・ブルーゲン
セルゲイ・ショイグ国防相

セルゲイ・ショイグ国防相(右、2020年8月) Sputnik/Dmitry Astakhov/Pool via REUTERS

<ロシア高官たちが欧米諸国を厳しく非難し、ウクライナの戦場にロシア国民を送り込み続ける一方で、その子供たちは......>

ロシアがウクライナへの本格侵攻を開始した際、ロシア高官たちは口を揃えて欧米諸国を激しく非難していた。だがそうした高官たちの息子や娘が、紛争が始まってからも北大西洋条約機構(NATO)加盟国を含む諸外国を頻繁に訪れ、優雅な休暇を過ごしていることが、その証拠となる写真とともに明らかになった。

■【写真】トルコ、ドバイ、アメリカ...ロシア高官の子供たちが過ごす優雅な「セレブ休暇」

これは、ロシア語の独立系ニュースメディア「ザ・インサイダー」が調査したもの。同メディアはセルゲイ・ナルイシキン対外情報局長官、セルゲイ・ショイグ国防相、ウラジーミル・ジャバロフ上院外交第1副委員長など、同国高官の子供と関係のある人物のインスタグラムアカウントを分析した。

その結果、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が昨年2月24日にウクライナへの本格侵攻を開始した後も、一部のロシア高官の子供がイタリア、ギリシャ、トルコ、アメリカなどのNATO加盟国で休暇を過ごしていたことがわかった。

ナルイシキンの娘ベロニカのインスタグラムアカウントは非公開だが、ザ・インサイダーは彼女の親友であるビクトリア・コソラポワが撮影した休暇の写真を分析。2人は頻繁に一緒に旅行をしているという。コソラポワは、ロシアでは禁止されているはずのインスタグラムに、トルコやイタリア、ギリシャで撮影したベロニカとの写真を投稿していた。

ナルイシキンは昨年7月、NATOが「ロシアと、その同盟国であるベラルーシに対してハイブリッド戦争を仕掛けている」と非難していた。

国防相の娘はドバイで優雅な新年

ナルイシキンはまた、ロシアがウクライナを攻撃したのは、ウクライナを「脱ナチス化」し、「ネオナチ」の指導者を権力から排除するためというクレムリンの主張を繰り返してきた。同年4月には、国防省が発行する雑誌のウェブサイトに掲載された記事で、欧米諸国は「ナチス」の支配下に置かれる危険性があると主張した。

「(欧米諸国の覚醒は)欧米諸国において、国家志向で分別があり、現実主義の政治家が権力を握ることではなく、紛れもなく完全にリベラル・ナチスの独裁政権が樹立されることによって終わる可能性がある」とナルイシキンは述べた。

ザ・インサイダーは、ショイグ国防相の娘クセニアがドバイで豪勢に新年を迎え、ホテル「シーザーズ・パレス・ドバイ」に滞在していたことも明らかにした。

さらに、ジャバロフ上院外交第1副委員長の息子のアレクサンダーは最近、休暇でトルコとアメリカを訪れていた。ザ・インサイダーは、「(親のジャバロフが)『親米』の反対派を暴露していた時、息子のアレクサンドルはアメリカを旅行していた」と指摘している。

アレクサンドルは2021年8月に、妻とサンフランシスコとロサンゼルスを訪れ、過去数カ月の間にトルコとドバイも訪問しているという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、関税徴収の新組織設置を表明 就任初日の

ワールド

ハマス、ガザ停戦案への回答まだ イスラエル軍撤退の

ビジネス

住宅価格高騰、NY地区の最大の課題=ウィリアムズ米

ワールド

韓国当局、尹大統領官邸に到着 拘束令状執行へ=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン」がSNSで大反響...ヘンリー王子の「大惨敗ぶり」が際立つ結果に
  • 4
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 5
    日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で…
  • 6
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 7
    トランスジェンダーを抹消か...トランプ政権、気候変…
  • 8
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 9
    テイラー・スウィフトの「ダンス動画」が話題...「こ…
  • 10
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 7
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 8
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 9
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中