ロックシーン期待のルーキーの登場だ!いやはや何とも末恐ろしいバンドが出て来たものだ。
4月12日にミニ・アルバム「GIRL FRIEND」でメジャーデビューを飾ったBase Ball Bearの4人組。
インディーズ時代から注目を集めて来た彼らが遂にメジャーデビューを飾った。

彼らの平均年齢は21歳という若いバンドだが、耳が惹きつけられる華やかなギターサウンド、高い音楽性とポテンシャルは、並みいる新人バンドとは既に一線を画す存在だ。色鮮やかな歌詞とな音楽性を持ったVo.&G.の小出祐介の生み出す楽曲は、作り上げる作品を若手バンドとは思えない程のクオリティの高いものにしている。一曲、一曲が一筋縄では行かない変化球を投げてくれるBase Ball Bearのサウンドは、この次はいったいどんな球を投げてくるのか、聴いているうちにワクワクしてたまらなくなって来てしまうのだ。

6月21日にはメジャー・ファーストシングル「ELECTRIC SUMMER」のリリースが予定されている。Base Ball Bearならではの疾走感のある爽やかなナンバー。この夏は彼らの歌声が巷を席巻してくれるのではないだろうか。

良い意味でのしたたかさでもって、確信犯的な魅力を感じさせるBase Ball Bearの面々、大物の予感を感じさせてくれる今後の彼らに期待大だ。

Base Ball Bear プロフィール

小出祐介(コイデユウスケ)

Vocal&Guitar
1984年12月9日生 東京都出身
趣味:映画・掃除・読書
好きなアーティスト:XTC・はっぴいえんど・ニューウェーヴ系一連
好きな作家:東野圭吾・新堂冬樹・貫井徳郎
好きな映画監督:伊丹十三・三谷幸喜

湯浅将平(ユアサショウヘイ)

Guitar
1984年4月16日生 千葉県出身
趣味:飲酒
好きなアーティスト:THEE MICHELLE GUN ELEPHANT・SLY&THE FAMILYSTONE
好きな画家:カミュ・ピカソ

関根史織(セキネシオリ)

Bass&Chorus
1985年12月8日生 埼玉県出身
趣味:料理(特にお菓子)
好きなアーティスト:JETHRO TULL ・Caravan(UK)・鈴木慶一
好きな漫画家:尾玉なみえ

堀之内大介(ホリノウチダイスケ)

Drum&Chorus
1985年1月17日生 東京都出身
趣味:プロレスとサッカー観戦、筋トレ
好きなアーティスト:RED HOT CHILI PEPPERS・JOHN FRUSCIANTE・THE POLICE・NILE RODGERS
好きな俳優:竹中直人

Base Ball Bear「GIRL FRIEND」インタビュー

まずは「Base Ball Bear」というバンド名の由来を教えて頂けますか?

小出:最初は「Base Ball」っていうバンド名にしようとしたんですよね。いろいろな候補名を紙に書いて来て、この中から僕的には「Base Ball」が一番良いんだけどって言ったら、他の3人が「うわー!いやだー!」みたいな感じになって(笑)。

(笑)

小出:それでいろいろな単語と書いて、うちのギターの湯浅に「じゃあ、この単語を使って組み合わせを考えたりとかしてくれ」と言って作ってもらった20個位の中に「Base Ball Bear」ってのがあって、何となく字面が良いのと、「Base Ball Bear」って語感が良いし、絵も浮かぶかなぁっていう感じでこのバンド名に決めたんです。

じゃあ、「Bear」のところは後決めな感じだったんですね。

小出:そうですね、しかも僕も「Base Ball」って言ったのも完全に思いつきなので、特に意味もないし、バンド名そのものには全く意味はないですね。

インスピレーションな感じなんですかね。

小出:どっちかと言うと行き当たりばったりですね(笑)。

なるほど、それでこういうバンド名なんですね。最初「Base Ball Bear」ってどういう意味なんだろう?って思ったんですよ。

小出:(笑)、最初は「がんばれベアーズ」から来てるんだと思われてましたね。

あー、「ベアーズ」かなとはちょっと思いましたね。

小出:よく言われるんですけど、でも全然、野球も好きじゃないし別に熊も好きじゃないっていう(笑)。

なるほど、良い勉強になりました(笑)。まず何作か聴かせて頂いて、確か21歳ですよね?21歳とは思えない音楽知識を感じさせるなっていうのがあったんですけれども、今までどんな音楽を聴いて育って来たのかをお聞きしたかったんですけれど。

小出:一番初めにギターを始めた時に聴いてたのはディープ・パープルですね。ディープ・パープルから入って「Live In Japan」を聴いて、リッチー・ブラックモアの速弾きにシビレてですね。俺はエレキギターをやるぞ!って始めたんですけど、それが中1の時で、中2の時にバンドを組もうっていう話になって、そこのドラマーのヤツから「オアシスって聴いたことある?」って言われて、そこまでディープ・パープル以降、そういうハードロックしか聴いてなくって。

学校のお友達と音楽の話が合いました?

小出:全く(笑)。

そうですよね(笑)。

小出:全然話が合わないですよ(笑)。その他にはレッド・ツェッペリンとか聴いたりとかKISSがすごい好きだったりとかして、ハードロックとかだったわけですよね。そういう感じだったんでブリットポップって全然わかんなかったんですよ。そこでドラマーのヤツに「聴いてよ」って言われて、オアシスとかブラーとかオーシャン・カラー・シーンとかその辺を聴いて、これは何て良い曲なんだと。すごいメロが染み渡って来るようだぜ!ってなって、イギリスの感じにドップリとハマっちゃうんですね。

お話を聞いてるととてもな感じですよね。

小出:そうですね。そこまで日本のものって全然聴いたことがなかったので、わかんなかったんですけど、でも中3ぐらいの時にようやく日本のものまで目が行くようになって。当時スーパーカーがデビューしたてだったんですけど、そこのドラマーのヤツが「スーパーカーってバンドがいて」って言って聴いたら、あっこれもすごい良いな、メロが良いな、演奏がシンプルで良いやと。っていうのもあって、ようやく当時の日本のものも聴くようになったんですね。中村一義を聴き出したりとか、僕、中村一義と地元が一緒なんですよ。

そうなんですか。

小出:どうでも良いんですけどね(笑)。

(笑)

小出:という感じでようやく日本の方に浸透して行って、僕もこういう感じで音楽をやりたいなとか、曲を作りたいなってなったのが中3の終わりって感じで、そこから今のメンバーと知り合ったりしたんですよね。

すごい短期間の間にいっぱい詰め込んで聴いてるんですね。

小出:そうですね、今よりよっぽど昔の方が音楽を聴いてましたね。

中学生くらいってそうですよね。

小出:高校入ったぐらいからXTCと今は・・・・トッド・ラングレンとかを聴いてますね。あ、一瞬、名前をド忘れしちゃった!ブライアン・イーノしか出て来なかった(笑)。

ブライアン・イーノもあんまり今の子とか聴いてないですよね。やっぱりとても早熟な少年だったんですね。

小出:かもしれませんね。

クラスの子はたぶんわからなかっただろうなみたいな。

小出:うん、っていうかたぶん他の学校とかだったら、それなりに詳しい人ってやっぱりいたと思うんですよ。詳しい人ってそこそこ絶対いたはずだし、でもうちの学校では音楽に詳しい人ってたぶん全然いなかったと思うんですよね。バンドも全然なかったし、軽音楽部もなかったし。

そうなんですか。

小出:そうなんですよ。だからみんな自主的にバンドをやっているというか、文化祭に向けて急にやり始めるとか、そういう感じだったんですけど。

話を聞いてるとバンド組むにもなかなか相手が見つからない感じですよね。

小出:そうなんですよね。ドラマーを見つけるのに苦労したんですよね。関根と湯浅ともバンドをやるってなった後に堀之内と出会うまでに結局2年を要したりもして。

確か初めは学祭のためにバンドを組んだんですよね。

小出:元々はそうですね。

それでここまで来ようかなと思ったのっていうのは、どういう経緯があったんですか?

小出:学祭にで出ようってなったのは表向きの話であって、僕的にはもうずっとメンバーが定まったらそういうのを目指して行きたいと思っていたんですね。でも実際、このメンバーに落ち着くまでにそれなりにいろんな人とやったんですけど、やっぱり17歳とかで本気でミュージシャンなろうとか言ってるヤツはなかなかいないわけですよね。

何になりたいとかまだあんまり考えてないですよね。

小出:僕はもうミュージシャンになりたいとずっと思っていたし、ギターを始めた時からやっぱりやるからには最後までやりたいっていうのがあって、まぁ、最後がどこかわかってなかったですけど(笑)。

行けるとこまで行こうみたいな(笑)

小出:そうですね、メンバーが定まったらと思っていて、それで堀之内が入った段階で、俺はこれは行けると思うぞっていうのがあって、文化祭まではとりあえず文化祭までっていうバンドにしてって(笑)、終わったタイミングで正直このメンバーでやりたいんですけどって言ったんですよ。

そうだったんですね。じゃあ、もう最初から本気で音楽を志して来てるということですね。

小出:僕はそうでしたね。途中、堀之内が見つからなかった時に映画監督になろうかなとか思ったんですけど。

夢がとっても大きいですね。

小出:(笑)そうですね。映画が元々好きだったし、映画監督になりたいなと。

あー、それでなんですね。今日お話をお伺いしようと思った時に歌詞についてお伺いしようと思っていて、聴かせて頂いて思ったのがまず、色がすごく書かれていることが多くて色彩的だなっていうのがあったんですよ。映像が見えて来る詞、でも世界観がシュールであるっていうところで、どうしてこう色彩的な感じなんだろうなっていうのがあったんですよね。やっぱり映像がイメージされて作られているからなんですね。

小出:そうですね。

詞を書かれる時って、映像の他にどういう点を考えて作られてますか?

小出:うーん、映像的というか結構、歌詞は視覚的ではあると思うんですね。でもそれもおっしゃったようにシュールであるとか、狙ってではないんですけど、自分の中の感覚というか、それはもう本当に感覚の問題なので、あんまり言葉ではちょっと表せないんですけど、でも自分の中にある創作意欲だったりとか、そういうものに基づいて素直に何かを描写しようとした時に、出て来るのが毎回そういう感じなんですよね。

じゃあ、作ろうと思って出て来たものの結果が今これであるっていうことですよね。

小出:そうですね。別にそういう技法だとか、技巧的なことってそんなに考えてないんですよ。後々手直しして、もっとわかりやすくしようとかっていうのはもちろん出て来るんですけど、でも一番初めに出るのは、色的なことだったりとか、ぼんやりした視覚的なことだったりとか、そういうことの羅列ですよね。

聴いてると、それがなんか心地良かったりするんですよ、言葉と音楽が入って来る中で。

小出:ありがとうございます。

今ってエモロックとかが多くって、その中で音がヒネられた感じのバンドってちょっといないなっていう印象があったんですよね。4月12日にメジャー・デビュー・ミニ・アルバム「GIRL FRIEND」が出たんですけども、これは作る時にどういうようなイメージをして作って来たのかなっていうのを教えて頂けますか?

小出:デビュー作品の制作が決定した時には、その形が何であるかって全く決まってなくて、とりあえずそれに向けて曲を作ろうということで、これがメジャーの作品になるんだなっていうこととをまず念頭に置いて、メジャー一発目で何がやりたいのかとか、どういうふうにしたいかっていうのを自分的に考えたんですね。その前に出した「バンドBについて」っていうイントロデュース作品があるんですけど、今回のメジャー1枚目のオリジナル作品として世に出すものは、新しい始まりの感じっていうのをとにかく出したいっていうのがあったので、僕がその制作が決まった時点より、バンドをパンプアップして、もっとマッチョなバンドにしたいっていうのがあったんです。だから音作りからリズムの組み立てだとか、メロディーだったりとかっていうのを、自分的で意識的に変えたいっていうのが、まず一番初めに出たんですね。それプラス自分が今好きなものは何かとか、Base Ball Bearが新しいバンドとしてデビューした時に提供したいものは何かっていうのを考えたら、やっぱり僕はXTCだとか、ニューウェーブのものがすごい好きだっていうのがあって、そのニューウェーブ的なものを今まではニュアンスとしてはあったけれども、ここまで意識したことなかったんですけどね。 うちのプロデューサーのtatsuさんもニューウェーブが好きな人だし、そこで意識的にもっとこうニューウェーブ的な音作りにしようと、そういうのを目指して行こうと思ったんです。そのレコーディング前の段階になって、曲も大詰めになった時に、ニューウェーブという音楽っていうのはやっぱりパンク以降の音楽なので、あんまりメロディアスじゃないものが多かったりするんですよね。リズムだったりとか、全体の荒々しい感じだとか、エッヂの効いた感じっていうのが特徴的なムーブメントだと思うんですけど、僕もそういうのが好きだし、実際にサウンドはそうしたいっていうのがあったんですけど、でもメロディーっていうのは今まで自分達が持ち味にして来た部分だったので、メロディーに関しては一切殺したくないなっていうのがあったんです。それでメロディーの数を減らしても、そのメロディーの良さっていうか良いメロディーが乗った、そういうエッヂの効いたバンドサウンドっていうのをはっきり打ち出そうと、かなり根を詰めて今回のその4曲が出来上がったんです。

デビューアルバムっぽくない貫禄がありますよね。

小出:僕はまさにその世代に生きてる人間ですから、いくらでも今のギターロックって言われてるところに近寄ることっていうのは出来るんですよね。でも僕が毎回曲を作ってる時にボツにしちゃうのって、やっぱりそういうもんだったりとか、あとはニューウェーブっぽ過ぎるとか、そういうのをどんどん削って行った結果、どんどん曲が捻れてくんですよね。複雑というか、なんだろ変な複雑さというか、カオスというか(笑)。

変化球ですかね。斜めに行っちゃいますよね。

小出:そうなんですよね。でもやっぱりあくまでポップとして成立させたいっていうのがあるので、そこはちゃんとバランスを取って、やってるんですけど。

たぶんサウンドが例えば斜めの方に捻れて行っても、メロディーがポップだからサウンドもまたきちんとポップなものとして出来上がってるっていうのはあるんでしょうね。

小出:うん、ありますよね、それは。

なので聴きやすいし、斜めに行くと聴きにくいことって多々あるんですけど、それがないですよね、すんなり入るし。私は今回このミニアルバムで2曲目の「BLACK SEA」がエライ好きだったんですよ。

小出:ありがとうございます。でもそれはもう本当にそうなりたいと思ってますからね、実際。

それは上手く行ってるんじゃないですかね、今。

小出:そうですね、お蔭様で(笑)。

今回ってこのミニアルバムを作る中で逆に苦労したところはあるんでしょうか。

小出:そうですね、さっき言った点を実行するのが本当に辛かったというか。

(笑)、考えたのは良いけれどみたいな。

小出:結局、そこまではっきり考えたこともなかったし、それを実行してみようとも、したこともなかったので、実際やってみるとものすごく今までの曲が無駄が多かったというか、自分が考えてたものに対しても無駄が多かったというか。今までの曲が悪いってわけじゃないんですけど、自分の描いているサウンド像っていうものにはかなり遠かったんだなっていうのが、始めてみてようやくわかったんですよね。さっき好きだっておっしゃった2曲目の「BLACK SEA」ってのが、一番初めに今回のセッションで作った曲なんですよ。だから今までやって来たことを一回、一回見直して行こうっていうのがこの曲だったんですね。この曲がパイロット版だったんですけど。

なるほど。

小出:最初はもっとゆったりしたノリで結構大きいめの曲だったんですよ。広い曲だったんですけど、いやー、こんなんじゃダメだとか言ってるうちに、最初はメンバーが各フレーズを考えて来たのをどんどん俺が指定しだして、「もっとお前はタイトにだ」とか「そんな余分な動きはいい」とか(笑)。

厳しいですね(笑)。

小出:そう(笑)、そんなことを言い出して、そしたら結局、あぁなっちゃったんですね。

練られて作ってあるっていうところで新人っぽくない感じはしましたね。それはフレッシュではないという意味では全然ないんですけど。お話を聞いてると知識&考えて、ちゃんと練って作られたミニアルバムであるってことですよね。

そうですね。すごい練りに練り込んだ4曲ですね。

それでは6月21日にはメジャー・1stシングル「ELECTRIC SUMMER」のリリースが予定されていますが、こちらの方はどんな作品になりましたか?

小出:これはですね、東芝EMIが満を持してお送りする作品なんじゃないかなと(笑)、思いますけどね(笑)・・・・っていうか、だと思います!

自信を持って出来た感じなんですか?

小出:これはもう一年前に作った曲なんですよ。丁度、このくらいの時期だったのかなぁと思うんですけど、その時からこれは取っておこうと。

何かのために。

小出:何かのために。これっていうタイミングで行こうっていうことで(笑)。

これはでもまたちょっとこのミニアルバムの時とはまた違う感じですよね。

小出:それは、ちょっと前の曲だからってことですよね(笑)。

あっ、温めてたから(笑)。

小出:そうなんですよね。そのうちにだんだんバンドがタイトな方をやりだしたんで、2曲目の「Good bye」っていうのはものすごくタイトな曲なんですけど、「ELECTRIC SUMMER」に関しては、もう僕が複雑なことやめようと思った最後の曲ですよね。

なるほど(笑)、それはそれで区切りですね。

小出:はい(笑)、そうですね。この曲で、あー、もう限界だと思ったので。

え、そうなんですか?(笑)

小出:ゴチャっとしたことは。

それなのに満を持してって言っちゃったら(笑)。

小出:でも実際、僕は良い曲だと思うんですよね。良い曲だと思うし、歌詞も本当に命を削って書いたというか。もう夏のことを全て書いてやろうというか、夏っていう大規模なテーマを書き切ってやろうという意気込みで僕は書いたんですけども。

じゃあ、苦労して作ったっていう。

小出:うーん、そうでもない気がしますね。「BLACK SEA」の方が大変でしたね。なんでかっていうと、これはもう「HIGH COLOR TIMES」っていうアルバムがあって、それをどんどん発展させて行った複雑なBase Ball Bearの時期の最後の曲になるんですけど。結構、僕的にも集大成的な感じがあったので、とりあえずこういうことを今後一切やらなくて良いんだと思うと逆にもう全部出し切れたというか。

そういう意味ではメジャーになる前の区切りではあるんですね。

小出:そうですね、一区切りですね。「ELECTRIC SUMMER」と「GIRL FRIEND」の間が「バンドBについて」の表題曲の「CRAZY FOR YOUの季節」っていうことになるんですけど。

結構、時系列が(笑)。

小出:結構、前後してるんですけど。

ただ6月リリースで夏に向かって行くという時点の季節感であれば、こっちの方が最適だってのはありますよね。今回のシングルの聴きどころを語って頂けますか?

小出:もうアンセムじゃないですか(笑)、波乗り上に(笑)。

早いですよ(笑)、デビューして間もないのに(笑)。

小出:(笑)、まぁでも正直これはこの夏一番だなって、この夏一番の夏の曲じゃないですかね。

じゃあ、ここはちょっとフォントが赤字みたいな感じですね。

小出:まさに(笑)。

ではバンド全体についてもお聞きしておこうと思うんですけど、他のバンドにはないBase Ball Bearならではの強みはどんなところだと思いますか?

小出:うーん、全員キャラが立ってるとこじゃないですかね(笑)。

えー(笑)、でも確かにキャラが立ってますね。

小出:キャラ立ってますからね、みんな。それはあると思いますよ。やっぱりバンドとかで、ボーカル以外はわかんないなぁとか結構あるんですけど、そういう意味でははっきりキャラが違う、女の子もいてアクセントにもなってるし。

そうですね。

小出:まぁ、大きく分けると、僕とドラムはよく喋る、他の2人は全然喋らないとなって行きまして、僕は普通(笑)、ちょっと変な女の子、ちょっとバカなドラム、ヘンタイのギター(笑)。

欠席裁判みたいになってるじゃないですか(笑)。

小出:僕ら4人は本当に同世代でも珍しい方が集まったバンドなんではないかなと思いますけどね。

なるほど(笑)、では音楽以外で今、ハマってるものとかを教えて頂けると。

音楽以外で・・・・、布団乾燥機!

えっ!?それハマるんですか?(笑)

小出:ハマりますよ。布団乾燥機をかけると布団が見違えるように気持ち良くなります(笑)。これ僕、最近知ったんですけどね、すごいですよ布団乾燥機。

なんかポップさに欠けますよ、生活感が(笑)。

小出:アハハハ。そうですね。僕、ちょっと前に洋服のシワとか汚れを蒸気で取れるスチーマーっていうのにハマってたんですよ(笑)。

結構、神経質な方なんですか?

小出:典型的なA型ですね。掃除しだすと本当、気になってしょうがないので、なるべく目をつぶるというか。

やる気になっちゃったら際限なくやっちゃう感じなんですね。

小出:雑巾がけとかやっちゃうタイプですね。

それは将来的に良いことだと思いますよ(笑)。

小出:でもここ最近それがちょっと加速して来ちゃって、本当に掃除好きみたいになって来ちゃって、もういらないものバンバン捨てるようになっちゃったし、ホコリとかも気づいたらすぐ拭くようになっちゃったりとか。あとフローリングの髪の毛とかもともと許せない方だったんですけど、より許せない方になっちゃって(笑)、コロコロとかすごいしょっちゅうやってるし(笑)。

私生活がなんかすごい感じがするんですけど(笑)。

小出:ハマってることって言うと、掃除に(笑)、なんか掃除地獄に足がハマっちゃったかなってことですかね(笑)。

それ、ファンの人が戸惑っちゃうじゃないですか(笑)。

小出:いやーでもね、本当にそうなんですよね。

一応、ハマってるものは布団の乾燥ですね。

小出:布団乾燥ですね。

書きにくいですね(笑)。

小出:まぁ、それ以外で言うと最近は美術館に・・・。

ほぉー。

小出:行きたい巡り(笑)。美術館に行きたい気持ち巡りみたいな(笑)。

(笑)、気持ちだけで巡ってるみたいな。

小出:そういう気持ちが出ると、街中にはものすごい美術館の告知のポスターが貼ってあるのに気づくんですよね。キトラ古墳展とかナスカ展だったりとか結構やってて、すっごい面白そうだなとか思うんですよね。そういうのを、あぁきっとこういうのなんだろうなって思って終わるっていうのが、美術館に行きたい巡り(笑)。

面白いですねー(笑)。

小出:あの僕、決して行動派ではないので、外に全然足が向かないんですね。場所を見ても、あぁ遠いなーとか思って、やーめたってなっちゃうんですよね(笑)。

すごい面白いキャラクターですね。

小出:そうですかね。

うん、キャラ立ってます。

小出:ありがとうございます(笑)。

それでは自分の作品以外でお薦めのアルバムを1枚推薦して頂きたいのですが。

小出:おっ!そうですねー。XTCはもう全部聴いた方が良いだろうっていうのはありますね。

マストだよね、みたいな。

小出:マストだねっていう、アハハハ。僕的にはXTCを聴かないともう何も始まんないなっていう、(笑)。小出:僕が家で聴くのは、XTCかトッド・ラングレンか、あぁいうイギリスの良いメロ系みたいなのとか、後はボニー・ピンク。

あぁーなるほど。

小出:ボニー・ピンクで僕が好きなのは、「Let Go」っていうアルバムで、丁度、初期の暗い感じから明るい方へ、今、抜け出そうとするところのアルバムなんですけど、すごい良い曲ですね。「You Are Blue, So Am I」とかが入ってるアルバムなんですけど。僕はすごい好きで、それは朝起きて、眠いなでも起きなきゃなっていう時に聴くと、すごい良い目覚めですね。

それでは今後はどんな作品を作って行きたいと思いますか?

小出:どんどん作品毎に僕自身の興味が移って行くので、どういうの作って行きたいとかは一概には言えないんですけど、最近作った曲は久々に歌モノを作りました。ずっと歌モノをそろそろ作ったらみたいなことを言われて、でも僕ここ最近、歌モノっていうことを考えて全然作ってなかったので、昔はアコギで作ってたのをエレキギターでリフとかを考えながら作るようになってたんですね。でも今回は歌モノっていうことでアコースティックギターでただコードとメロだけで弾き語りみたいな感じで曲を何曲か作ったりしましたね。

じゃあ、出す度にいろんな面を見せてくれそうだという感じですね。

小出:そうですね。「GIRL FRIEND」はすごいリズムの「ELECTRIC SUMMER」はすごいアゲアゲなもの。その次は僕はわかってますけど、これはまだヒミツってことで(笑)。

すごいの出て来そうな感じですね。

小出:そうですね。正直、傑作を作る予感はあります。予感というか自信があります(笑)。

なるほど(笑)。

小出:もしこの次にアルバムが出るとなったら、それはホントに素晴らしいアルバムになると僕は思っております。素晴らしいデビューアルバムだと!

(笑)

小出:はい、ほんとに。

楽しみですね。それでは将来の目標があったら教えて頂けると。

小出:大きいところでやりたいというのはあるんですけど、とりあえず自分達が一番良く見える感じで、レッチリのちょっと前のスレイン・キャッスルのすごいデカイがライブがあったじゃないですか、あれは人が何十万人も来てるんですよね。すっごいモニターデカイけど、絶対、一番後ろの方見えてないし、音も花火みたいに聴こえてないと思うんですよ(笑)。そういうのは自分達的にはないし、東京ドームだと今度は真正面が見えない人とかも出ちゃうから、僕らはやっぱり箱型の四角のところじゃないきゃいけないと思うんですよね。と思うと、すごいデカイライブハウスくらいがホントに一番良く見せられるんじゃないかなと思うんですね。満遍なく楽しんで頂きたい、やっぱ同じお金を払うんですから(笑)。

(笑)

小出:同じ分見れないとつまんないなと思うので、そういうバンドにはなりたいですね。大きいところで満遍なくやれるというか、自分達がこのぐらいだろうって思うサイズでやりたいってのはありますよね。

なるほど、大きくなっても箱型のところでっていうとこですね。

小出:そうですね。結局4人でやれないことはやりたくないので、4人でやる限りは出来るだけミニマムな環境の方が、自分達の音楽的にも伝わりやすいんじゃないかなと。

すごいしっかりしてますね。

小出:そうですね。このくらい考えてないと(笑)、というか野心的じゃないと(笑)。

それでは最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。

小出:ようやくみなさんの待っていたような新人が出て来ましたよっていうことで(笑)、でも本当に期待をして頂ければ、期待に応えるように頑張りますし、そういう意気込みだとか野心だとかっていうものがないと、ダメじゃないかなと思うので。今の音楽シーンとか変えられるものは自分達で変えられるバンドになりたいと思うので、どうぞご期待下さいというか、是非ご一聴下さい。

ありがとうございました。

小出:ありがとうございます。

text by Takahashi