『10年後に食える仕事、食えない仕事』単行本発売
デザインとタイトルは雑誌版を踏襲して貰った。いずれもよくできている。帯は担当編集者による。よって完全に“東洋経済プレゼンツ”。 |
→紀伊国屋
■本書の目的 ――正しい航海図を持とう
これからの経済はグローバル化だ、皆が英語を操って世界を相手に丁々発止のビジネスをしなきゃいけない、キャリアアップして世界に通用する人材にならないと生き残れない――。
そんなまことしやかな言説がはびこっている昨今だが、それは英会話学校やビジネススクールの営業トークに過ぎない。
ところが、そんな謳い文句に脅され、自分もキャリアアップしなくては、と様々な講演に出かけたり、ビジネス書を読み漁ったり、とりあえず英語学校に通ってみたり、資格取得マニアになったりして、疲弊している人も多い。
ジュンク堂にて |
実際には、グローバル化がいくら進もうが、日本人の仕事として日本に残る仕事は、必ず残り続ける。逆に、グローバル化で減る仕事、賃金相場が限界まで下がり続ける仕事、丸ごとなくなる仕事がたくさん出てくるのも事実だ。
だから、自分がどの領域で稼ぐのかを考え、仕事を選び、能力を高めていかねばならない。本書はその航路図となるものを目指して執筆した。
もちろん、世界を相手に厳しい競争社会で勝ち続け、ナンバーワンを目指したいという人には、より頑張ってもらいたい。だが、日本人の皆が世界70億人を相手に激烈な競争を繰り広げる必要などまったくないし、向いていない人が競争率70倍(国内なら1億人だ)の激戦区に参戦するのは不幸のもとでしかない。
実は、日本人としてこの国で生まれ育ったこと、それ自体がスキルであり武器になる分野も、たくさんある。それを自身の強みと理解し、強みを活かせる分野で能力アップに励むことが、もっとも賢い道だ。この認識を持って仕事選びを行っていけば、それがすなわち、雇用のセーフティーネットにもなる。
グローバル化時代の職業マップ |
グローバル化といっても変化のスピードには差が大きく、しっかり整理して理解しておかないと痛い目にあう。速い順に言えば、ウェブを通して一瞬で国境を越える「カネ」と「情報」、徐々に国境がなくなりつつある「モノ」や「企業」、国境を越えるのにかなりの時間を要する「ヒト」、国境を越えない「土地」。それぞれに関連する職業が、相応の影響を受ける。
本書では解決策につながるメインメッセージとして、一貫して上図の職業マップをもとに話を進める。究極的に「一物一価」へと収れんしていくグローバル化によって、ブラックホールのように「重力の世界」へと引き込まれる仕事は着々と増えており、その流れやメカニズムを理解したうえで、自身の仕事を選び、進化させてもらいたい。
けっこう目立つPOPかも |
第一章では、日本の雇用に何が起きつつあるのか、その最先端を示す。第二章では「日本人メリット」が大きい仕事とは何かを説明し、第三章では職業マップの各エリアを解説する。
第四章に判定チャートを用意したので、ご自身の職業およびこれから目指す職業が、どのエリアに属するのかを確認するのに役立ててほしい。
第五章では、10年後の世界でどうやって食べていくべきかを、おおまかな職種別 (エンジニア、セールス、バックオフィス)に示す。第六章は、日本人全体の雇用が10年後にどうなっているべきか、その全体像の政策提案だ。
TPP締結によって、10年後に参加国間で関税は原則撤廃となり、グローバル化は加速する。今から個々人が準備し、どこで職を得て生きていくのか。その選択の一助となれば幸いである。
■本書の目的
第一章 いま、何が起きつつあるのか
1.新卒採用のグローバル化
2.サービス業の海外移転
3.事業再編にともなう中高年クビ切り
第二章 「日本メリット」で食える仕事の条件1.独自カルチャー依存
2.信用&コミュニケーション
3.ハイレベルな日本語
4.チームワーク&サービス
5.国による参入規制
第三章 各エリアの職業とその特徴①「重力の世界」――重力のように収斂されるエリア
②「無国籍ジャングル」――世界中の人がライバル
③「グローカル」――日本市場のプロとして
④「ジャパンプレミアム」――インターフェイスとしての日本人
第四章 判定チャート10年後、あなたの仕事はどうなるのか?
第五章 10年後の生き残りかた1.エンジニア系
2.セールス系
3.バックオフィス系
第六章 10年後の「日本人の雇用」
■おわりに
これもPOPらしい |
客観的に第三者が内容を要約したものとして、こちら(マインドマップ的読書感想文)を紹介する。
“今よく言われている「グローバル化」の話だと、上記マップの左側半分だけで終わっている”
というご指摘だが、これがまさに本書のポイントである。ほとんどの既刊本では、「マップ左側の上下」だけを議論している。これは決定的に重要な“日本人メリット”という視点が欠落しており、日本人の雇用・労働を、誤った方向に導きかねない。
重要なことは、マップ(=上記グローバル化時代の職業マップ)の右側を常に考えて仕事を進化させていくことだ、つまり、「マップの左右」の軸のほうがむしろ重要なのだ、というのが私の考えであり、それが正しい「仕事のグローバル化を考える際のフレームワーク」だと思っている。職業とグローバル化の関係、および「10年後に食える仕事とは何か」に関心のあるかたは、ぜひ、ご一読いただきたい。
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英語教育分野でもグローカル市場でやらなければならない仕事、グローカル市場でしかできない仕事はいくらでもある。「TOEIC排除、TOEFL礼賛」は無国籍ジャングルとの消耗戦を強いられるだけ。
人と土地は国境を越えられない。か
『10年後に食える仕事、食えない仕事』単行本発売:MyNewsJapan
グローバル化時代の職業マップの分割マップは切り口が面白いな。やっつけ感はぷんぷんするけど。
読んでみようかな。面白そう(^^)
今でいう,10年後も食える仕事が,今から20年後に食えるかどうかは不明だよな
チェック
日本人らしさって自分じゃ分かってるようで分かってないだろうな
10年経っても残る職種、というのが気になる。
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