「ぜんぶ社会が悪い」思考のススメ
『週刊朝日』1997年5月2日号より |
「新型うつ」や「入社3年以内で精神疾患で労災認定、過労自殺」などNHKが連日、若者の労働問題を特集している。僕は、なんでも社会(親や会社を含む)が悪いと考える派だ。自分自身を振り返っても、ずっとそう思ってきた。政治や政策を大学で学ぼうと思ったのも、社会が悪いから自分が変えたいと思ったのである。
<やめようと思ったことはない。(上司を)やめさせてやろうと思ったことは何度もある>
「会社をやめようと思ったことはあるか」という質問に対して、私は入社2年目に、こう答えている。そして、そのまま実名入りで『週刊朝日』に掲載された(左下)。朝日の市川裕一という記者が「匿名にしましょうか」と電話で弱気なことを言ってきたので、「実名で構わないですよ、何も後ろめたいことはないですから」と告げたためである。
これは大学の講演で「SFC生はどう見られているのか」という事前リクエストがあったので作成した資料である |
実際、何が悪いのだ。新聞記者が寄って立つところの言論の自由とは、堂々と皆の前で実名で意見を表明できることにある。そういう社会がよい社会だと今でも思っている。この記事では社名すら出ていないので会社に不利益は一切ない。
ところが、本社から連絡を受けた部長は、記事に出ていた私のHPの閉鎖を命じ、この問題の処理を誤った結果(私にウェブ利用の規定を作ると言っておきながら作らなかった)、2年後に再び発見して、裁判闘争になった。会社に僕の才能を活かそうという発想がないことが分かったので、活かすためにさっさと転職した。会社に残っていたら、ベストセラー作家どころか、本の一冊も出せなかっただろう。
僕は自分のサイトを閉鎖するつもりは当時から毛頭なかったので更新を続け、今ではこのMyNewsJapanで自由に書きたいことを書き、日経の役員よりもずっと稼いでいる。もし会社の言いなりになって社畜になっていたら、今の私はない。信念を曲げてはならず、会社の言うことを聞いてはいけない、というよい見本である。
ところが最近報道される新入社員は、精神的に参ってしまうらしい。NHKなどを見ていて思うのは、社会が、親が、会社が、正社員という型にはめこもうとし過ぎ、若者の側も、それをまに受けてしまっている、ということだ。
会社の言うことが正しい、上司が正しい、正社員として働き続けるのが正しい、それに従えない人、付いて来れない人は間違っている…。そんなわけが、ないのである。ワタミも、ユニクロも、労基法を守れない違法企業であることは考えればすぐわかる。
自分の頭で考える教育が日本の義務教育にはないので、優等生的な日本人は、答えは1つしかないと洗脳されている。だが、今でも僕は、会社(日経)は時代遅れで間違っていたと思っているし、上司の対応は間違っていたと思うし、それに盲目的に従おうとした親はバカそのものだと思っているし、正社員などというポジションに居座るのも間違っていると思っている。だからぜんぶ逆のことをやって、今の自分がある。
ぜんぶ、社会が悪いのだ。でも、だからと言って何もしなくていい理由にはならない。思考停止してはいけない。自分のほうが正しいのだから、間違ったことをしてる奴らより成功して当然だ、と考える。お天道様は必ず見ている。悪い奴らには天罰が下る。そう思って反対の道で頑張ればいい。
「自分が間違っている、会社についていけない自分が悪い」などと思うから鬱になるのである。まずは正しいのは自分だ、という信念を持とう。日本の教育も、親も、会社も、正社員の既得権を守る国も、間違いなくぜんぶ間違っているのだから、そんな間違ったものに自分を合わせようとしたら、まともな人間である限り、精神的におかしくなって当然なのだ。
自分の頭で考えて、自分のほうが正しい、社会が間違っている、と思えばラクになる。そして、正しいことを実践する。社会のせいにして、他人のせいにして、怠けろ、と言っているのではない。
若いうちは失敗してもやり直しが利くのだから、試行錯誤を続けるのだ。豊かな社会になって食うに困ることはない。若者はもっと、社会的洗脳から解き放たれて、「なんとなく正しいことだと思わされている嘘」とは反対の道を突き進んでほしい。
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普通は「ぜんぶ自分が正しい」っていうところをあえて、逆をいったことにインパクトがある。①自分→社会と②自分←社会のどっちが先かというと②だからススメは正しい。
「~そんな間違ったものに自分を合わせようとしたら、まともな人間である限り、精神的におかしくなって当然なのだ。」⇒これらに適応しようとしたら、精神的におかしくなってしまった(ノД`;)
至極真っ当。
えっ?ネットではもう「ぜんぶ民主党がわるい。ぜんぶ特定アジアがわるい。ぜんぶ日教組がわるいぜんぶ創価学会がわるい」ですが?
いいね。やむを得ず面従腹背はしても、心までは決して屈服しない、そういう心意気を持ちたい。
ある程度能力がないと駄目だと思う
自分の頭で考えて、自分のほうが正しい、社会が間違っている、と思えばラクになる。そして、正しいことを実践する。社会のせいにして、他人のせいにして、怠けろ、と言っているのではない
ただし、社会が悪いと心の底から思うには、普段から努力して自分に自信がないといけない。自分にやましい部分があると薄々思いながら社会を責めようとしても意味がないので注意
「ぜんぶ社会が悪い」思考。このくらい開き直れるのはうらやましい。「お天道様は必ず見ている。悪い奴らには天罰が下る」というふうにも、なかなか考えられないんだよね
精神的に参っている人ができるようになるには、どうしたらいいだろう?「自分の頭で考えて、自分のほうが正しい、社会が間違っている、と思えばラクになる。そして、正しいことを実践する。」/「ぜんぶ社会が悪い」
一度は社会を疑って、自分に自信がついたら自省すればいい。自分を守れ!
何が正解か分からんし、たぶん自分は間違ってるけど、「だからどうした」と思って生きてる。
「全部世間が正しい」とする日本人の一般的考え方の正反対。
この考え方は教養がないと心の中の社会的な部分を自ら蝕んでいき終いには「世の中をよくする」とコンプガチャ事業に手をだしたりしかねないので余りオススメできない。むしろ「社会関係ない」と引きこもった方がよい
口に出す必要はないけど全部人のせいにするのはひとつの処世術よね過度に自罰的になるくらいなら
「社会が、親が、会社が、正社員という型にはめこもうとし過ぎ、若者の側も、それをまに受けてしまっている、ということだ。」一昨日、鳥貴族でまさにこの話をしてた。
自分が悪い、自分がダメだと思う人が多い日本ではそう考えるべきかも。
いいぞ もっと言ってくれ
結論についてはひとまず置いといて、たしかに最近のNHKは暗すぎる。
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読者コメント
就職活動時からずっと読ませて頂いてます。社会人3年目になりましたが、「なんとなく正しいことだと思わされている嘘」が本当に世の中に多いと思いました。自分達の若い世代がなんとなく正しいことだと思わされている嘘に何も考えずに従う事がどれほどリスクがある事かを20代前半で気付く事が出来たのは僕の人生の中でも大きな財産になっていると思います!マスコミの情報を受動的に受けていた時と比べ、格段に情報に対するリテラシーが上がりました。これからも本質を射抜く報道、活動楽しみにしてます!
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