News & Topics

  1. ホーム
  2. News & Topics
  3. 「第7回 みやざきジュニアプログラミングアワード」を共催!大賞獲得チームは全国大会へ

2024.11.18

「第7回 みやざきジュニアプログラミングアワード」を共催!大賞獲得チームは全国大会へ

木々が色づき、秋の風情が感じられるようになった11月の宮崎で、「第7回 みやざきジュニアプログラミングアワード」が行われました。今回は発表から受賞までの一部始終の様子をお届けします。


ICT人材育成の重要性が高まる中、県内の小学生がプログラミングのアイデアや完成度を披露する場を設けることで、子どもたちのICTへの関心を高めたり、次世代のICT人材の発掘・育成に繋げたりすることを目指す同大会。昨年、高学年の部で優勝した上田蒼大さんは、その後進んだ全国大会でグランプリを獲得するなど、年々その注目度は高まっています。


今年も主催には宮崎日日新聞社、共催に宮崎県情報産業協会、そして私たちMiyazaki IT Plus(宮崎市ICT企業連絡協議会)が加わり開催。当日は、当協議会会長の岡田憲明含めた、高校・大学の教授や宮崎県情報産業協会会長代理などが審査を行いました。


■低学年の部大賞者は小学2年生、今年の台風がきっかけに


今回も例年通り、人や地域の明るい未来のために役立つようなアイデアがつまった「みんなのみらい」のテーマに沿った作品を募集。当日は1次選考を通過したファイナリスト10組が登壇し、小学校1〜3年生までの「低学年の部」、4〜6年生までの「高学年の部」の2部門に分かれて、プレゼンテーションを行いました。


会場となった宮日会館には、小さな子どもからシニアまで、幅広い年齢層の人たちの姿が見られました。開始前は、来場者同士会話を交わしたり、大会パンフレットに目を通したりするなど、会場全体に穏やかな雰囲気が流れていましたが、発表を控えた子どもたちの中には少し緊張気味の顔付きの子も。



発表では、環境・地球問題と紐付けたゲームや、日常生活での問題ごとを解決する製品など、小学生ならではの視点から生まれた多彩な作品が紹介されました。また成果物の概要だけではなく、「どんな課題から生まれたのか」といった動機や、制作時の苦労、工夫した点など制作過程についても丁寧に説明。発表を終え温かい拍手が送られると、ホッとしたように笑顔になる可愛らしい姿も見られました。



低学年の部で大賞を受賞したのは、延岡市の小学2年生四倉幸敏さんの「いい天気探し」。CO2などの障害を避けながら、虹を集めて“いい天気”にする同ゲーム。今年、宮崎に台風が直撃したことをきっかけに制作したといいます。審査員からは、疑問点をその都度解消し、より精度を上げようとするプロセスが特に高く評価されました。その他、体が不自由な人でも楽しめるラジコンや、熱中症予防になる製品なども発表されました。


■高学年の部大賞は若年者のロコモに着目、専門家への相談がクオリティに寄与


高学年の部で大賞を獲得したのは、宮崎市の大田原樹さん、福地珠吏さん、濵砂結飛さん、福留佳乃子さんから成るチーム「いちご大福」。運動器の機能が低下した状態「ロコモティブシンドローム(略称 ロコモ)」をテーマにした、子どものためのロコモ予防・改善ツール「ロコモ探検隊」を発表しました。同ツールには、チェックリストや運動動画、ゲームなどのコンテンツも用意されています。制作に当たり、整形外科の医者に直接アドバイスをもらったそう。また懇意の受賞により、来年開催される全国選抜小学生プログラミング大会への出場権も獲得しました。



岡田会長は「いちご大福」の受賞について「まず、課題の着眼点が素晴らしいと感じました。実際に専門家に話を聞きに行き、その意見を取り入れながら作り上げたことが、クオリティの向上に寄与したのだと思います。今後は、小学生だけではなく、幅広い世代の人たちに向けて発展できるとさらに素敵なコンテンツになるのでは」と述べました。



去年に続いて参加した男の子からは「今日に向けて10回以上は発表の練習をしてきました。緊張はしましたが、途中からほぐれてしっかり発表できました」と話していました。また、別の参加者の保護者からは「元々プログラミングは好きな子なのですが、発表することには苦手意識があるようで。なので、今回多くの人たちの前で発表できたことは、本人にとって貴重な経験になったと思います」といった感想が届きました。



子どもたちならではの視点で社会課題に向き合い、プログラミングで解決策を見出す姿が印象的でした。また専門家への取材や入念な準備など、真剣に取り組む参加者たちの姿勢からは、次世代のICT人材としての大きな可能性が感じられました。


今後もMiyazaki IT Plusは地域との関りや企業間での交流を図りながら、宮崎のIT業界を盛り上げていきます。


 


取材・執筆・撮影=藤井美帆(Qurumu)