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29
Apr.2020
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Let’sホームレコーディング Vol.7:マイクの動作原理から考える、こだわりのマイク選び 編

20200429_home-recording-vol7_1390_856自宅レコーディングや音楽制作の機材選びにお悩みの方へ向けて、Rock oNスタッフがホームレコーディングに必要な機材をご紹介する
Let’sホームレコーディング!

Vol.1:エントリークラス オーディオインターフェース編
Vol.2:エントリークラス マイク編
Vol.3:プロが選ぶヘッドフォン編
Vol. 4:DAW 編
Vol. 5:ナレーション録音 編
Vol. 6:オーディオインターフェース アップグレード 編


Vol.7は 「マイクの動作原理から考える、こだわりのマイク選び」編

マイクロフォン(以下、マイク)の機能とは「音の空気振動を電気信号に変換する」ことで、変換方法の違いや変換に使われる素材などによってサウンドが変わってきます。現在レコーディング目的で使用される主流のマイクを動作原理から大きく分けると

・ダイナミックマイク
・コンデンサーマイク
・リボンマイク

と分けられます。Vol.2:エントリークラス マイク編 では、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの特徴について触れましたが、今回はリボン型も加えて、マイクの動作原理やスペックを考慮したマイク選びをご紹介します。


●ダイナミックマイクの動作原理

ギターやドラム録音に使用されるShure SM57や、通称クジラと呼ばれるSENNHEIZER MD421等がこのタイプでは有名です。

md421


ダイナミックタイプは、3種類の動作原理の中でも一番シンプルです。


マイクが空気信号を電気信号に変換する過程は、まずマイク内部のトップに設置されたダイヤフラムと呼ばれる空気の振動を受ける振動板が空気振動を受けるところから始まります。

空気振動により振動板が揺れると、その振動板に取り付けられたコイルが同時に動き、マイクの中にあらかじめ設置された磁石の磁界の中で振動する事によって、電磁誘導により電圧を発生することで空気振動が電気エネルギーに変換されます。この振動板にコイルが取り付けられているのがポイントで、振動板自体がある程度の質量を持っているため、動かすのにパワー=音量が必要ということになります。

TIPS1:マイクとスピーカーって動作原理的にはほぼ同じ!?
実は、マイクもスピーカーも基本的に動作原理は同じです。空気信号を電気信号に変えるのがマイクであるので、逆を行っているスピーカーが似た構造になるのはよく考えれば当たり前のことですね。

ダイナミックマイクロフォンの動作原理を上述していますが、スピーカーはまさに、この動きの逆です。

スピーカーでは、電気信号をコイルに送る事で、コイルに取り付けられたコーン紙を振動させて空気振動を産み出しています。
左図のように、スピーカーのユニットをバスドラムに近づけて行うサブキック録音は、スピーカーのウーハーをダイアフラムとして扱っています。YAMAHAからSKRM100 SUBKICKという製品がリリースされ、バーチ&フィリピンマホガニー7プライ、10″×5″のウッドシェルの中に、16cm 50wのウーファースピーカーを設置した物がありましたが、惜しくも生産完了となってしまいました。
SKRM100 SUBKICK


●コンデンサーマイクの動作原理

レコーディングで最もポピュラーなタイプで ノイマンのU87AiやAKG C414 XLIIなどが定番です。

ダイナミックタイプとくらべて、より繊細に音を捉える性質を持つコンデンサータイプのマイクロフォンは、ダイヤフラム自体から全く違った構造を持ちます、そして内部での電気信号への変換構造は大きく異なります。


ダイヤフラム部分をひとつの電極、もう一方に固定の電極を設置し、外部から電源を供給し(いわゆるファンタム電源です)、その回路内のコンデンサに電荷を蓄えます。コンデンサーマイクのグリルを覗いてみるとダイヤフラムにリード線がつながっているのがわかると思います。ダイヤフラムそのものに電圧を掛けるのがコンデンサーマイクの構造的な特徴の一つ。ダイヤフラムに貼り合わされたバックプレート間の静電浮遊容量がお互いの距離の違いから変化するので、それを信号として取り出しています。

ダイヤフラムが空気信号を受け振動する事で、その2極間の静電容量に変化が生じ、その変化を電気信号として出力させています。この検出方法は、ダイナミックマイクで用いられていた電磁誘導による変換と比べ、非常に薄く作られたダイヤフラム(通常数ミクロン)ということもあり、微細な力でしっかりと動くことが出来ます。そのような特徴により非常に繊細な信号に反応する事ができるため、結果的に繊細な表現等を余す事なく捉える事ができます。


●リボンマイクの動作原理

リボンマイクのメーカーといえばAEAの歴史が古く、製造が終了したRCAマイクのリペアサービスからスタートし、のちに名機RCA44の復刻版であるAEA R44Cをリリースしたリボンマイクの老舗メーカーです。比較的最近では1998年に設立されRoyer Labsの新世代リボンマイクも良く知られています。

リボンマイクは構造上の理由から、その形自体が独特なデザインの物が多いです。基本的にはダイナミックマイクの動作原理と同じ電磁誘導による信号変換ですが、ダイヤフラム部分の構造が異なります。


ダイナミックマイクのダイヤフラムは薄い振動板が採用される事が多いですが、リボンマイクの場合は、薄い金属リボン(非常に薄い金属板)をマイクの上部からつり下げたような形状で設計されています。

非常に薄く軽いリボンにより、繊細に空気振動に反応できる事で、僅かな振動も電気信号に変換する事が可能になります。ただし、この電磁誘導により出力される信号は非常に小さいため、リボンマイクでは信号をトランスで増幅するのが一般的です。

昨今リリースされているアクティブリボンと呼ばれるマイクロフォンでは、マイク内部にアンプを設け、信号をマイクから出力させる前に信号自体を電気的に増幅することでノイズに強い信号を出せる構造を持たせています。

そのため従来のリボンマイクとは異なり、アクティブタイプのリボンマイクには電源供給が必要になります。※通常のリボンマイクに電源を供給すると、その電圧によりリボンが破損する恐れがありますのでご注意下さい。
非常にナチュラルで暖かみのあるサウンドが特徴です。


●●●3種類の動作原理で得られるマイク特性

3種類の動作原理で得られる音質的な特性をみていきましょう。全ての製品に当てはまる訳ではありませんが、あくまでも動作原理からみた一般的な特性の参考としてご理解ください。使用用途を限定した物ではありませんので、音楽的な観点からすると、あえて趣向の異なるタイプのマイクを使ってみた方が良いという事もあります。

ダイナミックマイク コンデンサーマイク リボンマイク
機器構造 ダイヤフラムのコイルの振動、磁石による電磁誘導にて検出 ダイヤフラムととバックプレートにそれぞれ電極を設置し、その間の静電容量の変化を信号として出力 コイルの磁界内で金属リボンを振動させた際の電磁誘導による電気出力を検出。
耐久性 シンプルな構造の為、耐久性が高い。 非常に薄いダイヤフラムを持つため、慎重な取り扱いが必要 構造上リボン部分が重力の影響を受け変形してしまうので、垂直での保管が必須(※1)
電源供給 無し ファンタム電源供給が必要 アクティブタイプのみ供給が必要、通常のリボンマイクに供給すると故障しますので注意!
周波数特性 通常 広い 広い
マイク感度 普通 高い 高い
過渡特性(入力された音声に対して、出力が追従する精度の高さ) 普通 早い 早い
音色の特徴 一定の周波数帯域にフォーカスしたサウンド 全体的に広く、自然な音色 ナチュラルサウンド、リボンマイクならではの質感

(※1  現行機種のアクティブリボンマイクなどは、従来のリボンマイクと比べ大幅な改良が加えられており、高い耐久性に、アクティブ回路を搭載した非常に使い勝手が良い仕様をもっています。)

マイクの指向性とは


マイクが音を収録する範囲、マイクの感度が良い方向を表した物が指向性です。指向パターンを適切に切り替える事で、よりイメージしたサウンドや必要なサウンドだけをレコーディングする事ができます。

指向特性の選択が豊富なAKG C414 XLIIを例にしてみましょう。

本体表面パネルに指向特性のパターンが記載されています。左から順に、無指向→ワイド単一指向→単一指向→超指向→双指向となります。指向特性のイメージは、表記の図そのままで、マイクを上部から見下ろしたイメージで捉えて頂くとわかりやすいです。

c414-polar

指向特性を切り替える目的は、狙った位置のサウンドを捉える事に有ります。代表的な指向性の3パターンを例にその違いを見てみましょう。

無指向 単一指向 双指向
多用されるシーン •ボーカルレコーディング
•アンビエント収録
•ボーカルレコーディング
•楽器収録
•ボーカルレコーディング
•ラジオ収録
•M/S方式のレコーディングなど
収音する音源位置 マイクの全方位 •マイクの正面の音を収録する。 •マイクの正面と背面の音を集音する
メリット •音源の位置が不特定の場合、音質変化が少ない
•部屋鳴りなどの環境による音質変化を含めて録りたい場合
•部屋の反射音等をなるべく減らしたい場合
•狙った音源に焦点をあててレコーディング
•向かい合って話す場合等
留意点 音の収録範囲が広いので、ハウリングがおきやすい 近接効果 近接効果

基本的に楽曲制作などでは、単一指向での使用用途が多いと思われます。ただし、注意点もあります。指向特性を切り替える事で、上記のようなメリットもありますが、切り換えによって、同じマイクでも周波数特性がかわりますので、最終的にはトライ&エラーでベストな選択を探してください。

TIPS 2:近接効果 指向性マイクゆえの現象

指向特性を持ったマイクでは、音源がマイクに近づくにつれて、低域の周波数特性が持ち上がって行く現象=近接効果 が起きます。この現象の最たるものは、指向性を持たせるための構造によるところが大きいです。

無指向性のマイクにも近接効果はあるのですが、サウンド・ディスタンス=音の距離感が指向性のマイクと比較して遠くになるという特徴を持っています。そのために同じ距離での近接効果は無指向性のほうが小さく、一般的に近接効果が顕著となる30cm以内の範囲では気にならないレベルとなります。ちなみに単一指向と無指向のサウンドディスタンスは約3倍の違いが有ります。同じ距離にマイクを立てて、指向性を切り替えてみるとその効果を実感できると思いますので是非お試し下さい。

先述した、ダイナミックマイクによる単一指向の特性は、物理的にダイヤフラム面の表面と裏面での振動の受け方を調整し、ダイヤフラム面上で、前方の音を捉える指向性を持たせていました。

これは、物理的にダイヤフラムに届く外部からの音の振動を調整することでこの効果を持たせています。ペンシル型のマイクに見られる先端の少し手前に刻まれているスリットや、ダイナミクスマイクであればグリルを外した際に現れるダイヤフラムの前の金属製のプレートに丸い穴が空いているのがまさに音響調整用の仕掛けとなります。

音源のソースが、ダイヤフラムに近づいていく事で、この表面、裏面での受け方のバランスの大きさが変わり、ある一定の距離を境に低域成分の振動がダイヤフラムに現れるのが、近接効果の要因ともいえます。

そのため、実際のマイクロフォンでは、低域があらかじめロールオフするような特性になるよう設計しているメーカーが多いです。

マイク選びならココに注目!スペックからわかるマイクの個性

マイクを選ぶ上で外せない、スペック確認のポイント

1. 指向性タイプ

TIPS 2:近接効果 指向性マイクゆえの現象 を参照

2. マイク感度/センシティビティー

マイクの感度の事です。一定の信号に対する出力レベルを表しています。値が大きいほど、感度が高いと判断されます。

3. 出力インピーダンス

出力端子からみたマイクの交流抵抗値。オーディオ機材は基本的に抵抗値についてローインピーダンス出し、ハイインピーダンス受けが基本とされています。値が低いほどノイズが乗りにくい特徴があります。

4. 等価雑音レベル

マイク自身から発生するノイズレベル。言い換えれば、マイクで録音できる最小の音量レベルといえます。

5. 最大音圧レベル:SPL

入力に耐えうる最大音圧のレベルを表します。マイクは音源の目の前に設置をされることが多いのでこの数値が小さいと大音量のアンプや、キックの収録時にマイク本体で歪が生じてしまいます。また、耐圧の低いマイクは構造上もその音圧に耐えられないことが多いので最悪壊れてしまうことも有りますのでご注意下さい。

6. 周波数特性

マイクで収録可能な周波数の範囲です。

7. ダイナミックレンジ

どのくらい小さい音から大きい音までの収音が可能かを表す指標。

8. S/N比

信号量(signal)と雑音量(noise)のレベル比です。値が大きいほどノイズレベルが低くなります。

スペック表の例

例:Neumann TLM107 製品仕様
Acoustical operating principle:動作原理 Pressure gradient transducer
Directional pattern:指向特性 Omnidirectional, wide angle cardioid, cardioid, hypercardioid, figure-8
Frequency range:周波数レンジ 20 Hz … 20 kHz
Sensitivity at 1 kHz into 1 kohm:マイク感度 11 mV/Pa
Rated impedance:定格インピーダンス 50 ohms
Rated load impedance:最小インピーダンス 1 kohms
Equivalent noise level, CCIR1):ノイズレベル 22 dB
Signal-to-noise ratio, CCIR1) (rel. 94 dB SPL):S/N比 72 dB
Signal-to-noise ratio, A-weighted1) (rel. 94 dB SPL):S/N比 84 dB
Maximum SPL for THD 0.5%2):最大音圧レベル 141 dB
Max. output voltage for THD < 0.5 %:最大出力 10 dBu
Power Supply (IEC 61938) P48 Current consumption :電流消費 3.2 mA
Required connector:接続端子 XLR 3 F
Weight /Diameter/Length 445 g / 64 mm / 145 mm

ダイナミックマイクのお勧めモデル

md421

SHURE SM57-LCE

言うまでもないかと思いますがSHUREの定番SM57。中はモールドされたトランスに配線がされていて、ボイスコイル部分に線直結、というシンプルな作りのマイクです。なので電気的な回路が少ない分壊れにくい、と言えます。(ただしボイスコイル部分のハンダ接点用の線は細いのでここが切れると音が出ません…) 単純に安くてクオリティが担保されている、初めての楽器用マイクならこれでしょう。

特性のコントロールもしやすく、何よりも扱いも適当でいいという点は忙しい現場では大きな利点です。また、本数が足りない場合に補う事もでき、ダイナミックマイクなので耐圧も十分。もちろんこれで歌を、というわけにはいきませんので、その場合はSM58をお選びください。中身は同じですがグリルとスポンジで歌用になっています。音に携わる以上避けて通れないマイクです。

製品仕様
指向特性 カーディオイド
周波数特性 40Hz〜15kHz
インピーダンズ 150Ω
開回路感度 -54.5dB re 1V/Pa
コネクタ XLR3ピン、オス
寸法・質量 φ32×全長157mm、284g

SENNHEISER MD421 II

狙った音だけを忠実に捕らえる単一指向ダイナミックマイク。通称「クジラ」

1960年に発売発売されたMD421は、改良を加えて生まれ変わりました。その卓越した性能は、多くのテレビ、ラジオ局はもとよりレコーディング、ライブシーン等では欠かせないマイクロフォンとなっています。

その信頼性と優れた音質を受け継いだMD421IIは低域のスピード感も増し、デジタル録音にも優れた音質を実現しました。今後も、あらゆる音楽シーンでその力をいかんなく発揮します。
ピンポイントに狙ったソースを捕らえる特性はドラムだけでなくVocalからナレーションをはじめ宅録等様々な現場で活躍できます。

製品仕様
指向性 カーディオイド
開回路感度 2,0 mV/Pa +- 3 dB(自由音場、無負荷、1KHz)
周波数特性 30…..17000 Hz
公称インピーダンス 200 Ohm
寸法 215 x 46 x 49 mm
重量 385 g
SHURE
SM57-LCE ★アウトレットSALE
¥11,800
本体価格:¥10,727
0ポイント還元
SENNHEISER
MD421 II
¥57,800
本体価格:¥52,545
0ポイント還元

コンデンサーマイクのお勧めモデル

BRAUNER Phanthera

高解像度かつシルキーなキャラクター(カーディオイド)のコンデンサー・マイクロフォン

高域の抜け感が心地よく軽やかなサウンドですね。ここまで中域が抜けるマイクを中心に聞いてきていたのでPhantheraは2kとかを足したくなるややドンシャリな印象です。Rock oNさんで比較試聴の際にBraunerがよく選ばれると聞きますが、やはり比較した際に高域のシャキッとした成分や抜けが際立つんでしょうね。ギターの方がこのマイクを選ぶのは良くわかりますね。輪郭は本当に素晴らしい。Vocalなどではもう少し中域が欲しくなるはずです。

パフォーマンスを犠牲にすることなく、指向性をカーディオイドのみに絞り込んだラージダイアフラムFETコンデンサーマイクです。VM1と同じく極めてピュアで解像度が高く原音に忠実。既存のコンデンサーマイクのクオリティを凌駕する、Braunerならではの卓越したクオリティを誇ります。

チューブマイクに似た暖かみをもちつつ、声のわずかな表情の違いを汲み取ることが求められるヴォーカル録音や、ナレーション録音に最適な、高解像度かつシルキーなキャラクターのマイクです。

製品仕様
Equivalent Noise < 11 dB A (IEC651)
Signal to Noise > 83 dB (1 Pa/1 kHz-Cardioid)
Sensitivity 33 mV / Pa-Cardioid
Pattern Cardioid
Frequency Range 20 Hz – 22 kHz
Maximum SPL 142 dB SPL @ 0,3 % THD
Power Supply 48 V phantom power
付属品 BMS2サスペンション、VOVOX ケーブル(5m) ケース

TELEFUNKEN TF47

アメリカのコネチカット州で設計、手作業による製造、厳しい品質基準でテストされるAlchemy Series(アルケミー・シリーズ)は、TELEFUNKEN Elektroakustikの次世代大型ダイアフラムチューブコンデンサーマイクです。ヴィンテージとモダンの要素を組み合わせたこのアルケミーシリーズは独創的な音を届けてくれます。アルケミーシリーズは旧R-F-Tシリーズ(CU-29 Copperhead、AR-51、AK-47 Mkll)を進化・改良したもので、TELEFUNKENの長年のマイクの設計、製造のノウハウが詰め込まれています。TF47の中核を成すのは真鍮製のK47スタイルのカプセル、5840W真空管、そしてU47にも見られるカスタムメイドのBV8トランスです。
これらのコンポーネントによって、TF47はU47を彷彿とさせる暖かくもパンチィなサウンドを実現することができます。

製品仕様
Capsule K47-Style Center-Terminated
Tube Type NOS 5840W
Transformer Custom-Made Vintage Spec BV8
Polar Pattern Cardioid, Omni, Figure-8
サイズ 200 mm L x 46 mm Dia
重量 695g
付属品 M 903パワーサプライ、M 803マイクケーブル、ZC03 シェルケース、M 703ショックマウント、M 782スタンドマウント、マイクスリーブ
BRAUNER
Phanthera
¥284,900
本体価格:¥259,000
4274ポイント還元
TELEFUNKEN
TF47
¥319,000
本体価格:¥290,000
3538ポイント還元

リボンマイクのお勧めモデル

AEA R44C

ハリウッド映画のサウンドトラックの柔らかいブラス音から、まろやかで色っぽいジャズボーカル、またはクラシックロックレコードの大きなドラムサウンドに—–ひょっとしたらあなたのお気に入りのアルバムの録音に、44リボンマイクが使われているかもしれません。

RC 44は80年以上もスタジオで愛用され、その奥深さは歴史のみならず、特徴的なサウンドにもあります。1976年にRCAのマイク部門が閉鎖した後、AEAはリボンマイクの修繕作業を初めました。それから、1998年にはRCA 44のパーツを100%生産するまでに至り、結果的には、このクラシックマイクのオリジナルバージョンの生産に達しました。

このサウンドは強力な近接効果によって厚みのある低音から、豊かな中音域、そして楽器のエッジを削るようにユニークな高音など、全音域にわたって特徴があります。美しく、ナチュラルなサウンドを再現するこのマイクは、特に精密に調律されたスタジオにおいて、その並外れた音質再現の信頼性を発揮します。

◆歴史は繰り返す
AEA社は、40年間のリボンマイク業界での経験を通して、RCA 44が何故まだ世界的なスタジオで現在も愛用され続けているのか、様々な見識を得る事ができました。1930年代に開発された44マイクは、当時のレコーディング業界に大革命をもたらした1台でした。その頃は、エンジニアはソロアーティストからオーケストラまで僅か1台または2台のマイクで録音していた時代であって、スタジオマイクには、色々な場面で応用ができ、なおかつ最高の音質を発揮できる能力が求められていました。

RCA 44がもたらした集音範囲の広さ、信頼性、そして音に対しての忠実性などの面においての技術向上は、放送、録音、映画、拡声装置など幅広い範囲で業界の新基準となりました。

テープレコーディングが主流となった時代で、リボンマイクは時代遅れとなってしまいましたが、Capitol Records(キャピトル・・レコード)やWarner(ワーナー)など数々のスタジオは、所有していた44マイクを使用し続けました。後のデジタル革命を経て、44の需要はかつてないものとなっています。AEAのR44として生まれ変わったこのマイクは、Bruce Swedien(ブルース・スウェーディアン)、Kevin Bacon(ケヴィン・ベーコン)、Shawn Murphy(ショーン·マーフィ)、John Kurlander(ジョン・クランダー)など数々の有名エンジニア、プロデューサーの愛用機器であり、また最新のハリウッド映画に使われる音楽の数々は、制作段階でAEA R44を起用していることがよくあります。

製品仕様
操作原理 圧力傾度マイクロフォン
周波数域 20 Hz to 20 kHz
最大SPL 165+ dBSPL (1% third harmonic > 1 kHz)
出力感度 2.25 mV / Pa into unloaded circuit
出力インピーダンス 270 Ω broadband
推奨ロードインピーダンス 1.2 kΩ 以上
極性 2番ホット
コネクター XLR3-pin オス 3mケーブル付属(2Hot)
指向性 双指向性
寸法 長さ 31.1 cm 奥行き8.3 cm 幅 11.7 cm
重さ 3.43 kg(ケース含む

Royer Labs R-121

リボンならではのナチュラルで暖かなサウンドですが、構造ゆえの扱いにくさという短所がありましたが、Royer Labsは耐高音圧性を実現し見事克服。現代版リボンマイクの筆頭製品です。

R-121は1998年にリリースされたRoyer社のフラッグシップ・マイクロフォンです。リボンマイクの在り方を再構築し、世界中のエンジニアが再びリボンマイクを導入するに至ったモデルです。Royer Labsは大きく、重く、壊れやすいといった”古典的な”リボンマイクへのアプローチを捨て去り、全く新しい方向性の中でR-121の設計に臨みました。経験豊富なエンジニア達が求めてきたリボンマイクの持つ温かみとナチュラルさをR-121は持っていますが、こんなにもコンパクトで軽く、高出力で頑丈なリボンマイクは前例がありません。10年以上に渡り世界中で何千本も販売され、エレクトリック・ギターとブラス(金管楽器)レコーディングのスタンダードとして定着しました。
レコーディングマガジン誌が”Royer R-121は21世紀を代表するマイクとなる運命にある”と評する様に、リボンマイクを改めて定義する存在となりました。

代表的なリボンマイクの様に、双指向性とダイナミックマイク相当の出力、ウォームでナチュラルなトーンとフラットな周波数特性を持っていますが、共通点はそこまでです。進化した素材を使用し、最先端の技術と伝統的なハンドメイドの制作との融合で、R-121はあらゆる環境をカバーする用途が広いユーザーフレンドリーなリボンマイクとなりました。

135dBの最大SPLでどんな録音にも耐えるタフな構造。厳選されたパーツとローノイズFETがもたらす高S/N比・高出力化もロイヤークラフトマンシップが名言えた”技”の集大成です。エレクトリック/アコースティックギター・パーカッション、ブラス、ストリングス、ピアノ、ハープ、ボーカルに最適です。

主な仕様
指向性 双指向性
エレメント 2.5ミクロン・アルミニウムリボン
磁石 希土類ネオジミウム
周波数特性 30~15kHz ±3dB
感度 -50dB(1V/pa ±1dB)
出力インピーダンス 300Ω
出力コネクター XLR3-pin オス(2Hot)
ロードインピーダンス >1.5KΩ
最大入力音圧 >135dB SPL
付属品 専用木製ケース、マイククリップ
寸法 径 φ25mm   長さ 158mm
重さ 244g
AEA
R44C ★12/6(火)まで! クリスマスSALE第一弾:レコーディング編
¥398,000
本体価格:¥361,818
0ポイント還元
Royer Labs
R-121
¥253,000
本体価格:¥230,000
3795ポイント還元

記事内に掲載されている価格は 2020年4月29日 時点での価格となります。

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