「Facebookページ」に変わったFacebookファンページの利用方法の変化
「Facebookページ」に変わったFacebookファンページの利用方法の変化
2011年2月14日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
Facebookのファンページの名称が「Facebookページ」と改称され、レイアウトが通常のユーザーページとほぼ同じような外観へと変更された(現在は希望者のみ。3月10日までにすべてのFacebookページが新デザインに切り替えられる)。
レイアウトの変更とともに、自分の個人アカウントではなく、自分が管理しているFacebookページとしてほかのユーザーページやFacebookページで「いいね!」やコメントを行うことができるようになっている。つまり、個人として特定はされないが、Facebookページ(というファンサイトであったり会社や団体を代表するサイト)の代表者・管理者としての人格を表に出して、ソーシャルネットワーク上の交流を楽しむことが可能になった。
ブロガーであれば分かりやすいと思うが、Twitterが国内でも台頭する以前は、日本のブロガーは、「○○○」というブログの管理人、という自己紹介をすることが多かった。筆者でいれば「Speed Feed」というブログを数年来続けているが、「Speed Feedの小川さん」という紹介のされ方が多かったものだ。もしくは、そうしたブログ名をそのまま一種のハンドルネームにしているブロガーも多かった。彼らの多くは、自分のTwitterのアカウントを、自分のブログ名にしている。
その後、ブログが個人メディアだけでなく、複数の管理者の更新によるニュースメディアとしても普及するに従って、こうした「ブログ名=ハンドルネーム」という形も徐々に少なくなってきた。というより、個人が運営するソーシャルメディアの多角化の影響かもしれないが。
Facebookは完全実名制であり、ハンドルネームというものが存在しないが、Facebookページは実名で参加している個人が(複数人かもしれないが)運営するコミュニティである。これまではFacebookページによるファンサイトと個人の交流は、個人ユーザーがファンサイトに対して足跡を残す、片方向のコミュニケーションだけだったが、今後は「“○○○”というFacebookのファンページの運営者」という人格、一種のハンドルネームを使った双方向のコミュニケーションも行えるようになる。
これは歓迎すべき現象であるが、反面、実名個人としてのコミュニケーションと、ハンドルネーム利用のコミュニケーションという、ふたつのペルソナを使い分けていく意味で、Facebook上でのコミュニケーションの多層化につながるため、サービスのわかりづらさが発生するかもしれない。
Facebookページには、マーケティングツールとしての側面が強く、企業が強くその活用方法に関心を持つ。その利用法が大きく変わっていくことで、今後どのような企業利用の事例が生まれるのか。注目が集まるところだ。
小川浩氏の新刊「仕事で使える!Facebook超入門」(青春出版社刊)
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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