Phase 1 | Web制作案件における制限枠(1)「お金」 |
サイト制作をするうえでの
制限枠とは
Webディレクションをするうえで大事なポイントは、大きく分けて「案件を管理すること」と「正しいWebサイトにすること」のふたつに集約される、ということは以前取り上げた。このうち「案件を管理する」うえで押さえておくべき4つの要素は「人」、「お金」、「時間」、「クオリティ」だということも扱った。さらに、ここで特に詳しく説明していきたいのが、案件に取り組むうえで制限枠が課せられる「お金」と「時間」についてである【1】。
この場合の制限枠とは、Web制作案件の規模そのものに左右され、その上限が決まっているもののことを指す。クライアントと実際に打ち合わせをする場では「案件をどの程度のレベルにしていくか」という比較的アバウトなニュアンスで、予算や規模について話し合うことが多い。しかし、そのアバウトな部分こそ具体的かつロジカルに組み立てて、扱う必要がある。では、実際に「お金」と「時間」を管理するうえで注意するポイントについて解説する。
Webディレクターが管理する
「お金」の中身
Webディレクターが扱う「お金」については、おもに次のようなものが挙げられる。まず、予算や制作費といった大枠で扱っていくものと、予算や制作費の内訳として扱われるデザイン費やプログラム開発費などの人件費や外注費、さらにサーバ費、ドメイン取得費、インフラといった設備費などだ。このうち、特に注目してほしいのはWebサイト制作案件を管理するうえで制限される「予算」と「制作費」のふたつの項目だ。予算はWebサイト制作にかかる見込み金額で、案件に取り掛かる前にあらかじめ算出して設定しておくもの。制作費は制作案件において最終的に発生した費用のことで、予算とは対照的なものである。
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予算と制作費は
イコールになるべき
予算と制作費の関係について一度確認しておこう。結論としては、予算と制作費はイコールになることが理想の形だ。たとえば案件の予算が100万円だった場合に、結果的にかかった費用が200万円になってしまうことは、明らかに正しくない【2】。このように、制作費に比べて予算がオーバーする状況はだれが見てもよくないと判断できる。しかし、たとえば予算が100万円の案件で、結果的に制作費が50万円で収まってしまったという場合、安く上がったと判断できなくもないが、実はこれもよくないことだ【3】。予算内において、精一杯クオリティや成果に結びつけることがWebディレクターとしての正しい姿勢だ。
予算と制作費に差が出てしまうことは、Webディレクションにとって歓迎すべきことではない。当初、予算として見込んだ数字が結果の費用と大きく異なってしまうのは、プロジェクトマネジメントとしては最悪の結果ということだ。どのようなWebサイト制作案件にもいえることだが、予算と制作費はイコールとなるよう心がけることが成果につながる【4】。
【1】案件を管理する4つの要素のうち、お金と時間がWebサイト制作案件において上限が課される制限枠となる
【2】予算に対して、制作費がオーバーした状態
【3】予算に対して、制作費が下回った状態
【4】予算と制作費がイコールになるのが理想的
[INDEX]
>>> Phase1 Web制作案件における制限枠(1)「お金」
>>> Phase2 Web制作案件における制限枠(2)「時間」
>>> Phase3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する
>>> Phase4 クライアントに理解されやすい見積もり作成のポイント
>>> Phase1 Web制作案件における制限枠(1)「お金」
>>> Phase2 Web制作案件における制限枠(2)「時間」
>>> Phase3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する
>>> Phase4 クライアントに理解されやすい見積もり作成のポイント