人生の多くの時間を費やすことになる「仕事」。わたしたちはこれをどれくらい楽しめているでしょうか?
MASHING UPでは、20代〜70代の約1000人にアンケート調査を実施しました。
※「MASHING UP:仕事とダイバーシティに関するアンケート調査」実施期間2019年2月18日〜3月12日 インターネット調査 回答数956
仕事が楽しい人は全体の54%
ずばり、「今の仕事は楽しいですか?」という質問をしたところ、「とても楽しい」「やや楽しい」と答えた人が54%。「あまり楽しくない」「まったく楽しくない」と感じている人が46%といいう結果に。
※MASHING UP 調べ
仕事をする人の半数近くが「楽しくない」と感じていることがわかりました。
仕事が「まったく楽しくない」男性は、女性の2倍
これを男女別に見てみると、仕事を「とても楽しい」「やや楽しい」と感じる女性が、男性より10ポイントほど多い、という結果に。さらに、「まったく楽しくない」と感じる男性は、同じように感じる女性の2倍にものぼるという結果が出ました。
とくに、40代後半~50代前半の男性は「まったく楽しくない」「やや楽しくない」が過半数に。一方で女性はどの年代においても「とても楽しい」「やや楽しい」の合計が過半数を超えています。
※MASHING UP 調べ
これは、自殺者の多い年代であり、男性が女性の約倍数自殺を選んでいる現状と合致。(出展:警察庁「H30年中における自殺の状況 資料」より)
まだまだ社会には「男性は稼ぐもの」というジェンダーバイアスがあります。仕事に対して男性のほうがプレッシャーを感じているのではないか、という仮説が立てられます。
女性は就業形態にかかわらず、仕事を楽しめる人が多い
正社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、女性はどの就業形態においても「とても楽しい」「やや楽しい」が過半数をこえました。これに対し、男性は正社員以外は「あまり楽しくない」「まったく楽しくない」が過半数をこえています。
※MASHING UP 調べ
また、一般社員の女性の過半数が「とても楽しい」「やや楽しい」と答えているのに対して、男性は一般社員の過半数が「あまり楽しくない」「全く楽しくない」と回答。
この結果からは男性のほうが「就業形態や待遇、環境に不満がある」と言えるとともに、「正規雇用でなければならない」「男性なら出世すべき」といった社会的なバイアスにとらわれている可能性があるとも考えられます。
やっぱり! 男女ともにいちばんの不満は「賃金」
では、みなさんが楽しいと思えない具体的な理由はなんでしょうか? 性別でやや結果に違いが見られました。
■女性が仕事において改善したいと思っていること
1.賃金に不満(178人)
2.キャリアプランが見えない(158人)
3.人間関係が複雑(112人)
4.やりたいことがわからない(109人)
5.自分に自信がない/自己肯定感が低い(107人)
■男性が仕事において改善したいと思っていること
1.賃金に不満(101人)
2.キャリアプランが見えない(66人)
3.仕事内容が好きではない/面白くない(58人)
4.人間関係が複雑(53人)
5.労働時間が長い(44人)
この結果からは、男女ともに「賃金」と「キャリアプランが見えないこと」に不満があり、女性は男性に比べ「自分に自信がない」「やりたいことがわからない」という傾向があることがわかります。一方で男性は「仕事内容」や「労働時間の長さ」を気にしていることがわかります。
人生の幸福度と仕事の充実度は一致する?
最後に、生活全般の満足度(幸福度)を聞いてみたところ、男女ともに、仕事の楽しさと相関関係が見られることがわかりました。
※MASHING UP 調べ
※MASHING UP 調べ
また、これをさらに細かく見ていくと、女性のほうが仕事が楽しくなくても幸福度高い人が多く、男性の方が仕事が楽しくないと感じると幸福度が下がる傾向に。
女性のほうが「心」は自由?
今回のアンケート結果からは、男性は「仕事で成果を出さないとならない」「出世すべき」など、仕事においてさまざまなバイアスやプレッシャーと闘っているのではないかという仮説が浮かび上がってきました。
一方、これと比較すると、「女性が活躍するのはまだまだ大変な時代」とされつつも、実は女性のほうが気持ちの上では仕事を楽しめていると言えるかもしれません。また、別の見方をすれば「そうではなく、仕事意外で人生に幸福を感じることが女性のほうが得意」なのだという仮説も立てられます。
男性と女性がともに、人生と仕事を楽しむためにはどうしたらいいのか? MASHING UPは引き続き取材や調査を重ねていきます。
※「MASHING UP:仕事とダイバーシティに関するアンケート調査」より(実施期間2019年2月18日〜3月12日 インターネット調査 回答数956)。
イラスト/髙城琢郎
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