ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社

Interview 01

経験を重ね、理解を深め、
究極のプロセス開発に挑む。

Interview

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2014年入社
プロセス技術部門

丸木 翔吾

出身が鹿児島で、熊本大学で学んでいたこともあり、就職先は九州内で最先端の技術に携われる企業を志望した。その中でソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社(以下、SCK)を選んだのは、データを活用して業務の効率化を進めていると聞いたから。自身も研究でデータを扱い、興味を持っていた。
※2022年2月取材当時所属

Career Step

  • イオン注入機周辺業務担当
  • イオン注入機装置
    プロセス立ち上げ支援担当
  • イオン注入機新機種
    プロセス立ち上げ担当
  • イオン注入新規技術開発
    量産適用担当

イオン注入工程の管理者として
基礎を学ぶ

1 Year

イメージセンサーの製造プロセスの一つにイオン注入工程があります。目標とする特性をつくり込む重要な工程ですが、私は入社してから一貫してこのプロセスを担当しています。新人として配属された長崎テクノロジーセンターで、最初は装置への加工パラメータ入力作業や製品加工時の装置動作履歴の調査など、先輩たちのサポートをしつつ、イオン注入機に関する知識や構造を学びました。また、使用するガスの安定調達化やコスト削減に向けた施策も新人の頃に経験しています。入社から約3年間は、スキルの基礎固めの期間だったと思います。当初は分からないことだらけでしたが、周囲の先輩たちが丁寧に指導してくれたこともあり、イオン注入プロセスのエキスパートへのキャリアを踏み出すことができました。

担当プロジェクト・業務
装置への加工パラメータ入力作業
製品加工時の装置動作履歴の調査
製品不良原因調査
コスト削減活動

自らアクティブに動き
業務を進めるようになる

4 Year

九州以外に住んだことのない私が、山形テクノロジーセンターに約半年間の長期出張をしました。任されたのは、新しい装置の設置に伴う、イオン注入工程の製造プロセスの立ち上げ支援でした。立ち上げた製造プロセスでテスト品を評価し、量産開始につなげる役割を担ったのですが、最初の頃は仕事をうまく進められず戸惑いました。新たに導入したイオン注入機が、長崎テクノロジーセンターで使用していたもののバージョンアップ機で、以前との違いを把握するのに手間取ったことも理由の一つですが、それ以上に、頼りにしていた先輩たちがいない環境が最大の理由でした。そこで、気構えを一新。もう新人ではないし、支援者として行くのだから、自ら積極的に動いて自分で判断しようと意識を切り替えました。そこからは自然と立ち上げもスムーズに進むようになりましたし、責任感と主体性を持つきっかけとなった重要な半年間でした。

担当プロジェクト・業務
イオン注入機装置プロセス立ち上げ支援
設備稼働時間の内訳調査

視座が高くなり前工程の全プロセス領域に
関心が広がる

6 Year

山形への長期出張の後は長崎に戻り、今度は扱ったことのないメーカーのイオン注入機のプロセス立ち上げを担当しました。次は熊本に移って並行して4台のイオン注入機の立ち上げを任され、他の数台の立ち上げも支援しました。今までにないタイトなスケジュールの中、複数台を同時に立ち上げられたのは自信になりました。
そして、6年目に入り、今度は大分で新機種のプロセス立ち上げに着手しました。イオン注入プロセスに対する理解が進んだこともあり、この頃になるとプロジェクトをスムーズに完了できるようになりました。そして大分ではもう一つ、生産管理システム更改におけるプロセス側の担当も任されました。具体的には、システム導入の担当者と全工程のプロセス担当者の間に入り、ヒアリングや意見の取りまとめを行う業務です。イオン注入以外のプロセス担当者と深く関われたことで、さまざまな考え方や技術を知ったことは刺激になり、プロセスエンジニアとしての視野は、イメージセンサー製造の前工程全体に広がりました。

担当プロジェクト・業務
イオン注入機新機種プロセス立ち上げ
社内システム更改プロジェクトプロセス側窓口
丸木翔吾が他の男性と話す様子
7 Year

未知の成果を求め新規技術開発と
業務効率化の双方に挑む

イオン注入機のプロセス立ち上げ業務で経験を積んだ私は、7年目からイオン注入プロセスにおける新規技術開発を任されるようになりました。イオン注入プロセス技術を進化させることで、今までは不可能とされた特性を実現することにつながり、性能を向上させた新しいタイプのイメージセンサーの量産化に結び付けられます。そうした技術の実用化に挑むのが今後の私のミッションと言えます。新規技術の検討を進め、今までにない新たなプロセスを確立したときには、きっと誰も見たことのないデータが取れるということを考えると、今からわくわくしています。
また、私はかねてから、プロセスエンジニアは本質を考える時間を確保することが大切だと考えてきました。でも、現実は日常の業務やルーティンワークに時間を取られてしまいがちです。そこで、思考を必要としない単純作業は、どんどん自動化していくべきだと考え、今はエンジニア自身で簡単に作業の自動化を設定できる優秀なツールを活用しています。それらを活用した環境を周囲にも提供し、SCKのエンジニアたちが純粋な開発業務や専門性の高い業務に没頭できる状況をつくりあげる。そうした業務効率化への取り組みは、新規技術開発と同じくらい高いモチベーションで取り組んでいます。

担当プロジェクト・業務
イオン注入新規技術開発・量産適用検討
プロセスエンジニア業務の自動化推進