「俺の話はどうも人に理解してもらえない」「この凄さがなぜ伝わらないんだーーー!」という経験をしたことをある人も多いのでは。

それには、文章法や話術といったコミュニケーションスキルの問題もあると思いますが、数字を入れていない、または使い方がまずいといった問題が大きな要因であることもあります。

例えば、

  1. 「工場の不良品が出てとにかく大変なんです。もうてんやわんやで大騒ぎです」
  2. 「工場で10個に1個不良品が発生しています。工場は1時間停止中で復旧には50分かかります」

という2つの文章を読んで現状が把握でき今後の復旧対策を立てやすいのはどちらでしょう。答えは言うまでもありませんね

数字の使い方のほんのちょっとした工夫で、会話や文章、プレゼンなどの場で説得力がグッと増しますから、適材適所の数字をうまくおりこんでいきたいですねー。

続きます。

 では、とにかく数字を入れればいいのかというと、それもやはりまずい

「今度、定額給付金が2兆円国庫支出されるから、どこか買い物にでも行こうか?」

と、言われてもまったくピンときません。

「各個人に定額給付金として1万2千円貰えるんだって、どこか買い物にでも行こうか?」

の方がわかりやすいですね。

同じ、1日という時間でも、1日、24時間、1440分、など色々な表現の方法があります。

また、数字は単体でポンと出されても分からないケースも少なくありません。

「今月売り上げは5億円です」と言われても、それが多いのか少ないのか判断のしようがありません。

前月比、前年比、同業他社などとの比較や粗利率などとの数字と合わせて、初めて意味を持ってきます。

逆に、数字を読むときには、その数字の裏に隠された意味も理解しなければいけません。

業界シェア1位、2位、3位と比較した場合、1位と2位でシェアが大きく違う場合もあれば、僅差で抜きつ抜かれつの勝負をしているときもあります。

数値にまつわるおもしろい話としては

100万円の自動車を30万円引き、30%引き、3割引きで購入できるとして「どれが一番安く感じるか?」という実験。もちろん購入額はどれも同じです。この場合、

  1. 30万円引き 75%
  2. 30%引き 19%
  3. 3割引き   6%

の順で安いと感じた人が多いようです。面白いですよね。

これだけでも面白いのですが、次に1,000円のTシャツの場合では

  1. 30%引き 52%
  2. 3割引き 41%
  3. 300円引き 7%

と順位が入れ替わったそうです。

同じ価格、同じ購入結果でも人間の印象に与える数字の印象が違うというのは面白いですよねー。

このように、適材適所で効果的な数値を使って、うまく自分の伝えたいことを相手に伝えるようになりたいですねー。

クラウドリーディングでは、以前『文章力の基本』という本を紹介しましたが、文章と数字はビジネスでは避けて通ることのできないものですから、常に磨きをかけておきたいですね。

(聖幸)