英語が苦手だと感じている方は、決して少なくないことでしょう。しかし、『文法や構文を覚えなくても大丈夫 「線」と「丸」を引くだけで、英語は一気に読めるようになる』(松延正一 著、日本実業出版社)の著者によれば、苦手意識を克服するためのポイントは「ネイティブの視点」を持つことにあるようです。

ネイティブの視点は、日本の学校教育で習う英語文法とは異なり、もっと簡単でシステマティックに英語の仕組みをとらえているというのです。たとえば、以下の文章を例に挙げてみましょう。

You are here to meet people who enjoy life with you.(「はじめに」より)

この文章を見たとき、どこで区切って理解したでしょうか。You are here(あなたはここにいる)がひとつのまとまりだとはわかったでしょうが、to以降の区切りははっきりしないかもしれません。しかし、「ネイティブの視点」ではこの英文が次のように見えているのだそうです。

ちなみにこれを日本語に置き換えると、以下のようになります。

つまりネイティブは、「パーツの組み合わせ」で英文を読んだり話したりしているということ。パーツに分けることで、文章のもっとも重要な部分=メインパーツを明確にし、それ以外の部分の主従関係もパーツごとに視覚的に理解しているというわけです。

そこで、上記のように英文に「線」を引き「丸」を加えることで、英文の構造をわかりやすく理解する方法を紹介しているのが本書の特徴。

きょうはSTEP1「英文は単純なパーツの組み合わせでできている」のなかから、日本語と英語のちがい」に焦点を当ててみたいと思います。言語の違いが明確になると、英語がどんな言語なのかが具体的にわかるようになるというのです。

日本語と英語の違いって?

まずは、次の日本文と英文を見くらべてみてください。

もちろん英語と日本語の仕組みはまったく異なりますが、「まさにこれが日本語の特徴だ」といえるのは次の3点だそう。

では、日本語と英語の違いを明らかにするため、この特徴を踏まえつつ、日本文を英文になおしてみましょう。日本文がどのように英文に「翻訳」されるかのプロセスを確認するためです。

まずは翻訳の準備として、日本文を次のように区切ります。

もとの日本文には主語がないため、「あなたは」が補われています。なぜなら英語の文が成立するためには、「主語と動詞」が必要だから。さて、この分の主語をyouにして英語に変換してみましょう。

youを主語にしたのは、述語の「嬉しいものですよ」の「ですよ」から考えて、「わたし」ではなく「あなた」へ向けた内容だと推測できるからです。(14ページより)

なによりもまず主語と動詞を

英語の基本原則は「何よりまず主語と動詞を作る」ことにあります。それ以外の説明は主語と動詞より重要度が低いため、主語と動詞のあとに加えられる仕組みになっています。「説明を加えていく」というのが、英語の基本だからです。(16ページより)

次に、「友だちができると」を英文になおしましょう。ポイントは、「友だちができると」を「友人ができたときに」と言い換えている点です。

makeは動詞なので主語が必要。友人をつくるのは「あなた」なので、youを補って「you make a friend」とするわけです。そして最後は、「友人ができる」のが「どこなのか」を説明する「外国で」を加える段階。

「外国で」は「外国の中」だと考えて、inを使います。inは「領域内」を伝える前置詞です。前置詞の多くは「どこなのか」を説明するために使われます。またforeignは、もともと「未知の」の意味ですが、a foreign countryで「未知の国=外国」となります。(17ページより)

このように、日本語を英語に変換する際には、英語の“「なによりもまず主語と動詞」で、そこに「説明を加えていく」”という基本の仕組みをもとに組み立てなおす必要があるということです。

こうした基本の仕組みがわかれば、文章をより立体的にとらえることが可能になります。そのため、簡単に読めることが実感できるというわけです。(15ページより)


本書を活用すれば、英語を「暗記して覚える」ことから「立体的に実感する」ことが可能になり、ネイティブのように英語をすばやく理解し、使いこなせるようになると著者は太鼓判を押しています。しかもTOEIC対策や英会話の学習に注力している人に限らず、すべての英語を学びたい人に役立つそう。参考にしてみる価値は大いにありそうです。

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Source: 日本実業出版社