私は、ちょっとしたことですぐイライラしてしまうタイプです。

小さなころからずっとこんな感じで、クルマの中で妹が歌を歌うたびにイライラして、「歌うのをやめさせて!」と、母に頼んでいたほどです。

こうした時は、「確かにうるさいけれど、楽しいのだから別にかまわないでしょう」と母に諭されるのが常でした(確かに母の言う通りで、悪いのはカリカリする私です)。

ちょっとしたイライラは他愛もないものですが、こうした感情をやりすごす方法を覚えれば、自分自身だけでなく周囲の人もずっと気分良く過ごせるようになるはずです。

イライラしない。忍耐力を身につけるには?

このテーマに関連して、心理学者のEllen Hendriksen博士が忍耐力を身につける方法について書いた記事がQuick and Dirty Tipsに載っていました。

Hendriksen氏はこの記事の中で、忍耐力とは自制心の1つであり「自分の心に湧き上がるマイナスの衝動を抑え、自分の感情や行動を制御する能力」だと説いています。

だとすると、忍耐力は誰もがトレーニングで身につけ、鍛えることができるもので、何も聖人やスーパーヒーローだけが持っている特別な力ではないということになります。

確かにイライラは、この気持ちを経験した人なら誰でも身に覚えがあるように、怒りの範疇に属する感情です。

イライラをやり過ごすための5箇条

さらにHendriksen氏は、自制心と怒りに関する研究をもとに、イライラする気持ちをやり過ごし、忍耐力を身につけるための5箇条を提案しています。

その1:たとえ望み通りでなくても、やりたいことはできると言い聞かせる。

その2:自分が必要としているものを手にした姿を想像する。

その3:考え方のクセを脱し、別の理由を探る。

その4:大切な誰かにこの場面を見られていると仮定する。

その5:あとで楽しく話せる要素はないか考えてみる。

では、それぞれの項目について説明していきましょう。

その1:たとえ望み通りでなくても、やりたいことはできると言い聞かせる

待ちきれない、イライラするといった気持ちが募るのは、自分が手に入れたいものが得られない時ばかりではありません。むしろ、「手に入るまで思っていたより時間がかかる」「あるいは現実のシナリオが思い描いていたものと違う」といった時のほうが、いらだちがひどくなるものです。

「レジの行列がやたらと長い」「乗るはずだった飛行機の便が遅れている」「流れている音楽の趣味が悪い」「チカチカする蛍光色が目障りだ」など理由はどうあれ、ついイライラしてしまいそうな時は、それでもやりたいことはできていると自分に言い聞かせてみてはどうでしょう

たとえ思い通りのシナリオでなくても、買いたいものは買えるし、食べたかったご飯は食べられると考え、そちらに意識を集中させましょう。

その2:自分が必要としているものを手にした姿を想像する

人はとかく自分のことを理想化しがちなものです。

忍耐強く、落ち着いていて、ことを荒立てない、そんな自分の姿を思い描いていることでしょう。では、そんな理想化した自分と現実の自分を比べて、何が違っているか自問してみてください。

さらに、現実の自分にもそんな性質が備わっていると想像してみるのです。「落ち着き」でも「時を止めて列の先頭まで連れて行ってくれる不思議なリモコン」でも、何でもかまわないので、特別な能力を持つ自分の姿を思い浮かべると心が落ち着いてきます

しかも、「落ち着き」のような心の持ちように関するものなら、こう考えるだけでも多少なりとも理想の自分に近づけるはずです。

その3:考え方のクセを脱し、別の理由を探る

イライラするような状況に遭遇すると、どうしてそうなったのか自分なりの理由を考えてしまうものです。

レジの列がなかなか進まないのは、店員の手際が悪いから。パートナーが手伝ってくれと頼んでくるのは、怠け者で自分で解決する気がないから。知らない人に絡まれたら、それは相手が意地悪だから、といった具合です。

そう考えてみると、レジの列が長い、あるいはパートナーから手伝いを頼まれること自体ではなく、こうした事柄についての思い込みがイライラの原因なのかもしれません。

ですから、こうした理由付けを、できるだけ好意的な方向に変えてみるのも手です。

「もしかしたらこうなのかも?」と考えてみてください。そちらの理由だって、あなたがこれまで考えていたのと同じくらい、現実にもありうるシナリオのはずですよ。

その4:大切な誰かにこの場面を見られていると仮定する

良いところや手本を見せたいと考えている相手が、今の自分の姿を見ていると想像してみてください。

こうした人の前なら、落ち着いて感じ良くふるまおうという気持ちになるのでは? 外部の視点を取り入れることが、実際に望ましい行動をとるきっかけになるはずです。

その5:あとで楽しく話せる要素はないか考えてみる

イライラしがちな場面に陥ると、「聞いてよ、こんなひどい目にあったんだから!」と、あとで友達に話す苦労話のネタを練ってしまう人もいるのではないでしょうか。

でもこの方法は、あまりおすすめできません。というのも、自分がどれだけイライラしたかを延々と考えていると、イライラが増すからです!

そんなことを考えるくらいなら、待っている間の楽しかったエピソードをピックアップしてみましょう。

たとえば、運転免許の更新で待たされたけれど、すてきな帽子をかぶった女性を見かけたとか。「ちょっと変わっているけどかわいい子どもとの出会いがあった」あるいは「神のような我慢強さを発揮した自分を褒めてあげたい」といったことでもいいのです。

待っている間、こうしたストーリーを作り上げるとイライラを抑えられるでしょう。

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Image: Antonio Guillem/Shutterstock.com

Source: Quick and Dirty Tips

Jaime Green - Lifehacker US[原文