inc.:先月(2017年3月)末、スペースX社は同社のファルコン9を再利用した初のリサイクルロケットを打ち上げました。CNNが報じた通り、「同じロケットが2回目の打ち上げに再利用され、軌道に乗ったのは、宇宙飛行史上初めてのことです」
この歴史的偉業が達成された翌日、マスク氏は次のようなメッセージをツイートしました。
Incredibly proud of the SpaceX team for achieving this milestone in space! Next goal is reflight within 24 hours.
— Elon Musk (@elonmusk) 2017年3月30日「このマイルストーンを達成したスペースXのチームをこの上なく誇りに思う。次の目標は、24時間以内の再打ち上げだ。」
―イーロン・マスク
このツイートは短くてもしっかりパンチが効いているだけでなく、チームを率いる人なら誰もが学ぶべき極意が込められています。
主な極意は以下の2つです。
1.自分でなくチームの手柄であることを強調する
スペースX社の創業者であり推進者でもあるイーロン・マスク氏なら、この偉業を自分の手柄にするのは簡単だったはずです。でも、彼はチームの手柄であることを強調しました。
このように誠実で具体的な称賛こそ、社員にモチベーションを与え、チームの一員だと感じさせ、一丸となることで1+1が2よりはるかに大きな力になるような環境を生むのです(こういうことを心得ているのは、マスク氏だけではありません。バージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏の最近の手紙や、前スターバックスCEOのハワード・シュルツ氏の古いメールにも同様の配慮がみられます)。
では、これをどのように実践したら良いのでしょうか。
早速、ちょっと時間を取ってチームを集合させましょう。そして、チームの仕事のどの点を素晴らしいと思っているのか、それはなぜかを伝えましょう。今後もそれを続けてください。
そうすれば、社員は素晴らしい業績を上げようと頑張り続けるでしょう。「君たちなら必ずできるはず」とあなたが思い込ませたからです。
2.進歩し続ける
マスク氏はチームの頑張りを上手に評価していますが、今回の栄光に胡坐をかくつもりは毛頭無く、社員にもそうあって欲しくないと思っています。
スペースX社の次の目標をすぐに発表することで、進歩し続けようとするマインドセットをマスク氏は表しています。さらに、明晰で曖昧さを避けたコミュニケーションの在り方も示しています。
チームを率いる立場にある人は以下のことを実践しましょう。
- 常にクリアなビジョンを持ち、そのビジョンをチームが達成できるようにマイルストーンを設定する。
- 部下は成長の機会を求めているので、適度に挑戦させ続ける。
あなたのチームは立派な仕事をする能力があります。リーダーの仕事は、チームに進むべき方向を示し、軌道から外れないように導くことです。
マスク氏が示す通り、ダラダラ長く退屈な話をしても優れたコミュニケーションはできません。たった1つの短いツイートでも凄い効力を発揮することを、マスク氏が証明しています。
With a Single Tweet, Elon Musk Just Gave a Master Class in Effective Leadership | Inc.com
Justin Bariso (訳:春野ユリ)
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