Inc.:経営者であれば、将来社員になるかもしれない人に面接をしたことがあるでしょう。私もあります。何年間も、何千人もの応募者に就職の面接をしてきました。しかし、応募者に「何か聞きたいことはありますか?」と聞いても、大抵時間の無駄になります。
ほとんどの応募者は、質問をしても答えの内容を気にしていないからです。応募者は「賢そうな」質問をすることで、自分を良く見せたいと思っているだけです。応募者にとっては、質問の答えよりも、質問すること自体が大事なのです。
しかし、中には答えを気にしている人もいます。良い応募者は、自分が会社に質問をすることで、本当に働きたい会社かどうかを判断しているので、質問にちゃんと答えてほしいと思っています。(結局、良い応募者には、ほかにも会社の選択肢があるからです)
では、良い応募者が聞いてくる質問とはどういうものかをご紹介しましょう。
1. 「入社後3カ月以内にやってほしいと期待していることは何ですか?」
すばらしい応募者は、入社後すぐに全力で仕事に取り組みたいと考えています。「会社のことを知る」のに、数週間も数カ月もかけたくないのです。オリエンテーションや研修、試しにやってみるという無駄なことに、まとまった時間を取られたくもありません。すぐに結果を出したいのです。
2. 「社員の実績をランク付けするとしたら、上位3人に共通している特徴は何ですか?」
すばらしい応募者は、良い社員になりたいと思っています。会社というのはそれぞれ違うものなので、その会社で実績をあげるために必要な資質も違う、ということがわかっています。
実績上位の社員は、長時間働いているかもしれないし、創造力をもつことが重要かもしれません。顧客と良い関係を築くのではなく、常に新規顧客を開拓しているかもしれません。初心者レベルの顧客を教育するのと、ハイレベルなものを求める人のために時間を割くことが、同じように大切かもしれません。
良い応募者は、自分がその会社(社風)に合うかどうかを知りたいのと、合いそうな場合は、どうすれば優秀な社員になれるかを知りたいと思っているのです。
3. 「この仕事では何が結果につながりますか?」
社員というのは投資です。経営者は、すべての社員が給与に見合った働きをしてくれることを期待します(でなければ、給与を払う意味がありませんよね)。
どんな仕事でも、たった1つの行動が大きな成功を生むことがあります。誰かを採用するとき、人事部が重要視するのは欠員を埋めることですが、経営者が本当に求めているのは、適切な応募者を見つけることです。そうすれば、社員の定着率が上がり、研修コストが下がり、会社全体の生産性も上がるからです。
技術サービス部には効率良く修理をすることが求められますが、経営者が本当にしてほしいのは、問題を解決し、もっと利益を生む方法を考えだすことです。そうすれば、顧客との関係を深め、ますます利益を上げることができるようになるでしょう。
いい応募者は、会社の成功に寄与することが、自身の成功でもあると思っているので、どんなことが、良い変化や結果につながるのかを知りたいと思っています。
4. 「今年の御社の最優先目標は何ですか? またその目標に対して、この役職がどのように貢献できる(してほしい)と思っていますか?」
応募者が就くかもしれない仕事は重要な仕事なのでしょうか? いい応募者は、大きな目標に沿ったやりがいのある仕事を求め、同じような志をもった人と働きたいと思っています。でなければ、仕事はただのつまらない作業になります。
5.「何パーセントの社員が、現在の社員の紹介で入社しましたか?」
仕事が好きな社員は、自然と会社に友人や仲間を紹介します。管理職の立場でも同じです。人は、以前一緒に働いたことのある才能のある人を、自然と役員に推薦します。良い社員は、人間関係を築き、信頼関係を育んだおかげで、そのような誰かの後を追って新しい会社に行きたくなることがあります。これらは、驚くほど会社や職場のカルチャーの質に関わってきます。
6. 「空き時間に社員はどんなことをしていますか?」
幸せな社員は、自分の仕事が好きで、一緒に働いている人も好きです。確かに、この質問は答えにくいかもしれません。小さな会社でない限り、一般論を言うしかありません。時には、よく知る社員が、社外でどういうことをしているかを説明することもありますが、それもできない場合は、社員のことをよく知らないということになります。
いい応募者は、仕事のレベルだけでなく、個人的にも気が合いそうな人がいるかを確認したいと思っています。会社の社風やカルチャーが合うかどうかは、とても重要なことだからです。
7. 「もし...な場合はどのようにする予定ですか?」
技術的な変化、競合の市場への参入、経済の流れの変化など、どんなビジネスにも大きな課題があります。良い応募者は、あなたの会社を踏み台として考えているかもしれませんが、それは、まだ成長したり、前進したりしたいと思っているからです。彼らが最終的に会社を去るとしても、それは本人の思う通りに生きたいからであって、あなたの会社を廃業に追い込むためではありません。
たとえば、スキーショップでの仕事のために面接をしているとしましょう。近くに別のショップがオープンしたら、その競合にどのように対処するか決めていますか? もしくは、養鶏場を経営しているとします。家畜の餌代が高騰したらどうしますか?
いい応募者は、経営者が考えていることを知りたいだけではなく、問題が起きたときのためにどのような計画を立てているのか、その計画をどのように実行するのかが知りたいのです。
7 Questions Only the Smartest Job Candidates Ask|Inc.
Jeff Haden(訳:的野裕子)
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