Inc.:「覚えが早い人」はどのような学習戦略を立てているのでしょうか?
15年の経験を持つデジタル・モバイル戦略家のAlessio Brescianiによる回答は以下の通りです。
すばらしい質問です。おかげで私は関心を持って学んできたビジネスや自己啓発、そして武道について真剣に向き合わざるを得なくなりました。
聞いてください。私は、飲み込みが遅い人が、そうでない人よりも物事についてはるかに深く理解している様子を数多く見てきました。実際、覚えるのが遅い人は思慮深く、そうでない人はその特性に欠けていることが、しばしば見られます。なので、覚えが遅い人にも強みはあります。
そうは言いましたが、私が学習する際に取り入れている、誰にでも通じると思われる基本原則をご紹介していきます。
1. 反復
私は反復こそが熟練につながると固く信じています。新しいスキルを学ぶときには、そのスキルを何度も実践しましょう。新しい理論を学ぶときには、当てはめられるものすべてに当てはめて使ってみましょう。
ブルース・リーは言っています。
私は1万発のキックを一度に繰り出せる者を恐れないが、1発のキックを1万回練習した者を恐れる。
時間をかけて、実践を継続的に重ねたスキルは、称賛されるべきものになります。
2, 集中
ソーシャルメディア、マルチタスク、オープンプランのオフィスなど、現代は集中を妨げるものが多く存在し、人は常に刺激にさらされています。
私たちは集中する能力を失ってしまいました。しかし、どんなことでも真に理解し、身に付けるためには集中しなければなりません。
私は新しいスキルを学ぶとき、邪魔されない環境に身をおいて、集中する時間を作ります。新しいスキルに関した文章を読むときは、歌詞のない音楽をかけます。そうすれば読んでいる内容が歌詞に邪魔されることはありません。
スティーブ・ジョブズはこう述べました。
集中することは、自分が注目した内容にうなずくことだと皆考える。しかし、それは間違っている。集中とは、その辺にある、たくさんの良い着想に対してノーということだ。慎重に選択を行わなければならないのだ
3. 背景と細部
特定の事柄について理解するためには、初めに全体像を見ることが有益だと気づきました。まずは、物事の背景を理解します。
そのため、本を読むときはページをめくるより先にまず目次を読みます。そうすると、物語全体がどこに向かっていくかわかります。だから、細部を読む際には、メインのテーマが他のものとどう関わっているのか、理解できるのです。 細部は重要ですが、知るタイミングも重要です。
細部に取り掛かるのが早すぎると、全体の背景を見失ってしまいます。そうすると細部も同様に見失い、結局、表面的な理解で終わってしまいます。
ですから私は、背景と細部を行ったり来たりして表面と中身の両方を学ぶようにしています。
4. 関連性
背景と細部を理解して学習すると(前項参照)、情報には関連性があることがわかります。それは、学習した内容を記憶にとどめておくのにとても重要です。
これは、トランプの組み合わせを順番通りに覚えるときに、カードの特徴を使ってストーリーを組み立てる人が多い理由の1つです。そのストーリーによって、カード間の関連性が理解でき、組み合わせを覚えておけるようになります。
テーマに対して関連性を意味付けることは、学習を促進し、その内容を記憶にとどめておくには最適の方法です。
5. 速度
速度は、学習の目的によって変えられて便利です。たとえば、リスニングの再生速度などは2倍にできます。
また、ほかにも重要な機能として働くことがあります。それによって、我々はさまざまなプレッシャーを感じ、学習法を調整します。
速度の変化によって、自身の知的能力が上がります。それは、長距離ランナーが、総合的な体力増強のために坂道を全力疾走することによく似ています。
私の場合、プレゼンテーションの準備をするときは、実際の2倍の速さで話してみて、プレッシャーの下でも必要な情報をすべて思い出せるか確認します。2倍のスピードで大丈夫なら、通常のスピードだとストレスなく行えることがわかるからです。
これは記憶を呼び起こすだけの話ではなく、学習の原動力に変化を与え、その方法を柔軟にすることにつながります。
上記の基本原則が、あなたの役に立つことを願っています。
5 Ways to Learn and Remember Absolutely Anything|Inc.
QUORA(訳:コニャック)
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