Googleの新しいメールアプリ、『Inbox by Gmail』が日本語に対応しました。『Gmail』から派生したサービスですが、従来の『Gmail』とは大きく異なるメール管理方法が採用されています。
しかし、今までのメールとは使い勝手がかなり違うため、初めて使うときは何をどうしていいのか分からない方もいるでしょう。そこで、『Inbox』の基本的な使い方と、『Gmail』との違いについてご紹介いたします。
なお、『Inbox』の概念や考え方については、こちらの記事をご覧ください。本記事では各ボタンの動作など、実際の使い方について見て行きます。
ラベルでメールを一斉操作
『Inbox』では『Gmail』の「ラベル」がさらに進化し、タブとラベルを統合したようなものになっています。最初から「ショッピング」や「マネー」「ソーシャル」などいくつかのラベルが用意されており、受信したメールは一定のルールのもと、自動的になんらかのラベルが振りあてられるという仕組み。

ラベルは1つずつオン・オフできますし、自分で新しいラベルも作れます。また、ラベルの振りあて方も手動で変更できますので、今まで自分が使ってきた通りのフィルタリングの再現もできるはず。
さて、『Inbox』の最大の魅力は、このラベル単位でメールを一斉に操作できる点にあります。

これは「ショッピング」のラベルを開いたところなのですが、この下にも同様のメールが延々と続いています。このように、「開く必要もないメール」が大量に溜まってしまった時、上部のチェックマークをクリックすると、このラベルのメールをすべて「完了」(従来のアーカイブ扱い)にできるのです。
「ラベル単位の一斉処理」の効果は絶大で、必要なメールだけ読んで後はサクッと「完了」していけます。ラベル単位で分かれていますので、誤って「完了」してしまうこともそうそうありません。
便利な機能を多数持つ『Inbox』ですが、この圧倒的なメール処理速度こそ、本アプリの魅力だと思います。大量のメール処理に追われている方や、面倒ですぐにメールを溜めこんでしまうという方は、大きな恩恵が受けられるはずです。
基本3機能を使う
最大の魅力がわかったところで、基本的な操作についても見てみましょう。といっても『Inbox』はシンプルに作られており、3つの機能さえ覚えてしまえば、ほぼ使いこなせます。
重要なメールは「ピン止め」
メールの右上にあるピンのボタンをクリックすると、そのメールを「ピン止め」できます。『Gmail』のスターに近い機能で、「ピン止め」されたメールは常に受信トレイに表示されます。

「ピン止め」したメールは、ラベルの一斉「完了」を押しても「完了」状態になりません。重要なメールをピン止めしておけば、その他のメールは一斉処理できるわけです。
また、「ピン止め」したメールには、「リマインダー」の欄にメモを書き足せます。書き込んだ内容は画面左の「リマインダー」の項目でまとめて確認できます。「ピン止め」したメールが増えた時、ピン止めした理由を書いておくと便利です。
あとで読み返したいときに「スヌーズ」
もう一つの重要な機能が、「スヌーズ」です。メール右上にある、時計のボタンをクリックして使います。

これは、「今は必要ないけど、あとで返信や確認が必要になるメール」に対して使います。メールはいったん「スヌーズ」の項目に移動し、指定した時間になる、またはスマホを持って指定の場所に近づくと、「ピン止め」された状態で受信トレイに戻ってきます。
この時、スマホ用アプリならば通知が届きますので、見落とすこともありません。まさに、目覚まし時計の「スヌーズ」と同じような機能ですね。
「完了」は整頓された「アーカイブ」
さて、ここまでにも何回か使ってきた「完了」という言葉ですが、これは『Gmail』で使われていた「既読」と「アーカイブ」のいいとこ取りをしたもの、といったところです。
『Gmail』の「既読」と「アーカイブ」には、それぞれ弱点がありました。「既読」はいつまでも受信トレイに残ってしまうため、だんだんメールが溜まります。「アーカイブ」は、一度アーカイブしたメールが必要になった時に、再度掘り出してくるのが面倒でした。
一方、「完了」はスマートです。完了したメールは「アーカイブ」と同じく受信トレイから消えてスッキリしますし、左側の「完了」の中に、ラベル別・時期別に分類されています。「完了」したメールでもう一度「完了」ボタンを押せば、すぐに受信トレイに戻せますし、「ピン止め」や「スヌーズ」も直接使えます。

この「完了」が優秀で、気兼ねなくメールを完了に放り込める点も、メール処理速度アップに一役買っています。なお、『Inbox』で「完了」したメールは、『Gmail』内ではアーカイブ扱いになります。
注意点
実に使いやすい『Inbox』ですが、一つ注意点があります。新しいアプリなので仕方ないことですが、『Gmail』で使えたサードパーティ製含む拡張機能は、『Inbox』には未対応なものが多いです。「この拡張機能がないとダメだ!」という方は対応待ちとなります。
ただし、開発の早い拡張機能の場合は、すでに対応しているケースも有ります。まずは調べてみるとよいでしょう。
(コンタケ)
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