99u:非常に困難な状況でも問題を解決に導き、創造的なアイデアを喚起する助けとなる手法を取り入れながら全力を尽くすためには、思考システムを構築する必要があります。

常に邪魔が入って仕事が山のように増え続ける、よくある職場環境が、必ずしも創造的な思考をするのに適した環境とは言えません。しかし、適切な情報やインスピレーション、モチベーションさえあれば、より効率的に仕事に取り組めるとして、実際にそのワークフローの改善を試みる機会はどのくらいあるのでしょうか?

障害物を乗り越えて複雑な問題を解決し、仕事を改善する時に必要とされる創造的な思考をする能力は、新しいアイデアのひらめきが必要な時や脳に再び精力を与える必要がある時に常に活用されてきた、昔からある方法を適用することで発揮できます。パブロ・ピカソのような芸術家やイノベーターたちが取り入れてきた、何世紀も前のプロセスに注目しましょう。「Contently」では、Shane Snow氏が、ピカソが頼っていた貴重な思考方法をいくつか紹介しています。

厳選すること:改革というのは、多くの場合、複雑さを減らしてシンプルにしていくことです。文章がうまくなりたいのですか? ならば文を半分に削りましょう。より面白い話し手になりたいのですか? でしたら簡潔な質問をしてください。より良いビジネスモデルを構築したいのですか? だったら簡素化しましょう。

余計なものを削減して厳選することは、あらゆる仕事に皆さんの武器を追加できる、強力で簡単な方法です。なくてはならないもの以外で、削減できそうな領域を探してください。「自分がこれを削除したり、無視したらどうなるか?」と自問することで、皆さんは自分の仕事の基本原則に集中できるのです。Elon Musk氏はこう述べています。「物事が最も基本的な真理に至るまで煮詰めましょう。そして、そこから推論するのです」。

反復すること:ピカソは、時と場所に恵まれた、ただのラッキーな芸術狂ではありませんでした。彼は、当時において最も多作な芸術家の1人でした。他の人たちが、「自分の絵は売れるだろうか...」と手をこまねいている間に、彼はいくつもの絵画を創作していたのです。

私たちの多くは、最初に思いついた貴重なアイデアを、完璧な形で世の中に出そうとして、あまりにも多くの時間を費やしています。一方で、ピカソのように偉大なクリエイターは、自分にとっての正解が出るまで、アイデアのバリエーションを数百万と作成するのです。

もうひとつの良い方法は繰り返し考えることです。たとえ皆さんが最高のアイデアに到達した気がする時でさえも、繰り返し考えることで、本当にそれが正しいのかを確かめることができます。これも反復のひとつの形だと言えます。

たとえばホワイトボードやノート、付箋に、パッと絵を書いたり書き込みをするのは、自分の追求しているアイデアを、完璧にしなければと気負うことなく、繰り返し考える最適な方法です。Steven Johnson氏の、『Where Good Ideas Come From』という本から引用すると、「正しい時は、迷いなく正解にたどりつくことができますが、間違っている時は、正しい答えを探そうと無理に探索するはめになります」

職場での問題の解決や、衝突を乗り越える時に頼りになる思考方法は、他にもたくさんにあります。重要なのは、これらの方法が何であるかを知っていることと、その思考システムが必要な時に、すぐに思い出す方法を持っているということです。

こういった方法の一覧を、付箋に書いて机に貼っておいたり、ポケットに入れて運ぶことができる3×5のカードデッキを作成したり、ブライアン・イーノの『The Oblique Strategies』や(実は、私の開発したiPhoneアプリなのです)『Oflow』のように、すでに構築されたツールを使用したりすることで、より簡単に創造的思考に役立つシステムを構築し続けることができるでしょう。

Tanner Christensen(原文/訳:コニャック

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