Inc.:すべての経営者が欲しいと思っているものは何でしょう? 凄腕のPR担当者、追加融資、それとも完璧な社員でしょうか?

おそらく、どのような経営者でも欲しがるのは、1日の時間の長さです。経営者に限らず、「あと数時間あったら...」と誰もが思うものですが、それが本当に簡単に手に入ります。

当然ながら、本当に1日の時間を増やせる方法はありません。しかし、社会学者であり、作家であり、幸福の専門家でもあるChristine Carter博士によると、1日の時間が増えたような気になる方法があるのだそうです。Carter博士のブログに、短いながら興味深いポストがありました。身体的な病気を和らげる製薬業界で使われている考え方を、持続的に時間短縮したいという問題に応用するのです。

その考え方とは「最小有効量」です。

行動のオーバードーズ

最小有効量とは、健康において臨床的に有益な変化を促進するために必要な、医薬品の最低用量のことです。この考え方は、製薬業界以外でも有効だとされています。「快適に生活して働くために、睡眠、瞑想、ブログの更新頻度、メールチェックの回数、学校のボランティア、宿題の手伝い、デートの日数など、人生のあらゆるものの最低有効量を見つけなければなりませんでした」とCarterさんは書いています。

今の世の中には、もっとお金が欲しい、もっと成功したい、もっといろいろな活動がしたいと、常にさらなる努力を強いる強迫観念があります。しかし、そんな「もっと〜したい」をすべて実行した後には、疲れ切ってしまう人がほとんどです。

ですから、自分の人生のあらゆる側面を最大化するにはどうすればいいかを考えるのではなく、参加する楽しさを感じながら人生のあらゆる行動を最小化するにはどうすればいいかを考えましょう。

何でもイケイケの時代であっても、「もっともっと」と追求することが必ずしも良いことではない、ということを認めなければなりません。さもないと、最低有効量を超えるどころか、その行動によって有害反応を引き起こす最大耐量まで超えてしまいます。

Carterさんは、この最低有効量を活用する方法も教えてくれています。

最初に、日々の生活の忙しさを調節するために、すべての行動の最低有効量を調べます。家でも会社でも効率よく過ごせるように、メール、デート、子どもの送り迎えなどにかかる時間や回数を調べましょう。

仕事でもプライベートでも、あらゆる行動がオーバードーズになっていませんか? 忙しくてもっと時間が欲しいと思っている人は、自分の行動の最低有効量を考えてみてはいかがでしょうか。

A Simple Trick for Adding More Hours to the Day|Inc.

Jessica Stillman(訳:的野裕子)

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