就職面接の準備をする際、絶対に回答を決めておかなければならない質問がいくつかあります。たとえば、「あなた自身について教えてください」という質問などです。なぜなら、そういう質問は一般的かつ面接結果に大きな影響を与えるものだからです。しかしながら、「なぜこの会社を希望しているのですか?」という質問は、皆さん自身に関するものではないだけに厄介です。
この質問に対し、他の応募者も言いそうな「透明性を重視する会社だからです」、「素晴らしい企業文化を持っているからです」といった、月並みな回答をせずに対処するにはどうすれば良いのでしょうか? それを考えるヒントとなる4つの視点をご紹介します。
1.会社の独自性を認識しましょう
この質問にうまく答える鍵となるのが、どこまで具体的に述べられるかです。もし同じ答えが別の会社にも使えるようなら、明らかに具体性に欠けています。言い換えれば、答えは面接を受ける会社ごとに違っていなければなりません。「才能のある人々と働けるからです」、「国際的な影響があるからです」といった、どこでも通用する答え方をしてはならないのです。
企業文化から切り込みたいのなら、自分が好ましいと思う側面について具体的に話しましょう。たとえば、単に「社員皆がやる気があるように見える」と言うだけではなく「目標に集中する環境が好ましいと思います」とか、「チームが年間目標ではなく週目標を設定している伝統が魅力的です」と述べるのです。
あるいは、その会社が定期的に人事異動を行うことが気に入っているのなら、さらに話を進めて全社的なhack dayについて語りましょう。これは、実際にリサーチを行ったことを示す絶好の機会なのです。
2.原点に戻りましょう
その会社についてよく調べていることを示せば面接官に強い印象を与えられますが、事前に調べることが可能でない場合もあります。その会社についてもっと情報を得ることが思ったよりも難しいことが判明した場合は、その会社に関して最初にどのような評判を耳にしたのかを話してみましょう。もちろん、くどくなりすぎてはいけません。ここでの目的は、応募する前からその会社を知っており、関心を持っていたことを示すことですから。
これを行う方法の1つは、応募している会社の発展について情報を得ることです。会社が成長して変化をし、業界の変化に適応していく様子について、いかに興味を持って見てきたかを述べるのです。ブランドの歴史についての洞察をふくめたコメントができれば、間違いなくその会社への関心が一朝一夕のものではないことを示すことができます。
3.会社の将来とそこでの自分の役割について考えましょう
会社の歴史を調べる以外に、将来のことを少し考えてみる方法もあります。会社のどの分野に成長の可能性があると考えているかについて語ったり、その成長に自分が貢献したいと望んでいることを示すのも、この質問に対処する素晴らしい方法です。
こういう先見的な考え方は、皆さんがその会社の将来を思慮深く考えていることを示すだけでなく、会社の成長を継続させる方法についてのアイデアを持っていることも示してくれます。これはオンラインで調べられること以上に、知識とやる気を示す効果のある方法です。実際、皆さんはその会社の将来について批評的に考察し、その中で自分の役割を果たしたいと望んできたのですから。
4.個人的な交流を示しましょう
もし他のすべてが失敗しても、これだけは必ずうまく方法があります。すでにその会社に勤めている人と個人的な交流を持つことです。皆さんが他の応募者たちとは異なる存在になるために頼れるものがあります。それは人脈です。もしかしたら、その会社に友人が勤めているかもしれません。もしそういう人がいるなら、自分がその友人の経験したことについて、いかに感銘を受けたかを話すことができます。ただし、具体的に話すことをお忘れなく。
また、たとえ社内に知り合いがいない場合でも、面接に招かれただけでも何人かの社員と接触しているのです。ですから、その社員たちとの個人的な交流や、彼らの対応に自分が非常に歓迎されたと感じた、もしくは今まで自分が会話を交わしたチームメンバーの熱意を見て大変興奮した、というエピソードを語ることができるでしょう。いつだって最後に決め手となるのは人とのつながりなのです。
この質問に100%の正答は存在しません。ですから創造的になって、その会社に自分が関心を持っていることを表現しましょう。陳腐でお決まりの回答ばかり並べ立てない限り、問題ないでしょう。
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