仕事であれ私生活であれ、成長したり進歩するためには変化していくことが必要です。しかし、多くの人が変化に適応するのが困難であったり変化に抵抗してしまいます。言うまでも無く変化するには強い信念が必要です。不幸にして、ほとんどの場合は、信念を信じるか、それを説く方が信念を以て生きるより簡単です。

変化と折り合いを付けることは、会社や自分の人生を発展させるために重要なスキルです。

変化することがそこまで難しい理由は何か

これほど多くの人々が変化を遂げることや変化に適応することができずにいるのは、4つの基本的な理由があります。

変化は好まれない

変化に抵抗するのは普遍的な感情であり、嫌悪と緊張を招きます。よって変化は人に好まれません。

未知の物に対する不安

結果が予測できないことには、不安なので抵抗してしまいます。

コンフォートゾーンから出ることになる

自分にとって快適な範囲であるコンフォートゾーンを大切にしたい人が多く、その範囲の外で冒険するのを恐れます。

確実性より不確実性が勝る

変化するときは未知の海路を航海することを強いられます。人は自分が良く知っている確実な海路の方を好みます。

われわれの多くが変化を嫌い、ここまで抵抗するのは、それが単に人類の性質であるからなのです。誰でも自分のコンフォートゾーンの中で生きて個人的な習慣や行動パターンを維持することを好みます。しかし、毎日暮らしていると変化は避けられません。

ポジティブな変化は良いですが、それでも適応する必要があり、新しいパターンを学習する必要もあるので、そのせいで難しくなります。そのため、ある種の折り合いを付けていくスキルを発達させると、生涯にわたって、変化に適応するとき役に立ちます。

変化に適応する

職場での変化に適応するにしても、私生活でポジティブな変化を遂げようとしているにしても、(有益な社則を導入したり、親になったりすることです)、以下の5つの有益なコツを実践すれば、スムーズに変化していき易くなります。

1. 自分がしようとしている変化を包括的に捉える

粘り強ければ強いほど、将来的な変化を遂げてそれに適応するのが容易になります。変化を受け入れると、楽に移行できてポジティブな姿勢を発達させ維持していけるようになるでしょう。覚えておかなくてはいけないのは、変化するのは困難であるかもしれず、人により対処法が違うということです。自分の人生における変化の対処法は他人とは違うかもしれません。

2. 助けてくれる人達を見つける

何かを変えてそれに適応していくのは、支持してくれるシステムがあると著しく簡単になります。自分のことを気にかけてくれたり愛してくれて、変化に適応していくのが大変なときに、いつも助けてくれる人達を周りに置くことは大切です。

3. 平常時のパターンを維持する

生活上の変化を遂げようとしていても、その過程においては、ある程度の平常性を維持する必要があります。例えば、子供の親になり世界が逆転してしまったと感じるとき、親になる前の習慣や行動パターンを維持しようするかもしれません。そういう場合は、例えば、睡眠のパターンはもう普通でなくなってしまっても、健康的な食習慣はまだ維持できます。

4. 過去に上手く言った折り合いの付け方を思い出す

新しい変化に適応しようとしているときは、過去に生活上の変化をする必要があったときまで遡り、その時どうやって折り合いを付けたか思い出してみてください。どんなスキルを使ってそのときは適応しましたか。どんなスキルを使ったか思い出したら、今しようとしている新しい変化と折り合いを付けていくために、もう一度そのスキルを使ってみましょう。

5. 自分の感情を封じ込めず、大切にする

変化を遂げようとしているときは、そういう場合に抱いても全く自然な感情を自分に許さず、しばしば押し殺してしまいます。そういう感情におぼれていいわけではありません。表現してもいいという意味です。思い切り泣いた後や友人と大いに笑った後、どれだけ気分が良くなるか考えてみてください。自分の感情を内に溜めすぎないでください。ちょくちょく表に出しましょう。

上記のコツを実践するのが早ければ早いほど、どんな変化にも適応するのが楽になり、自分に効果があって嬉しくなります。助けてくれる人達とつながり(上記参照)、必要なら、この分野に熟練した有資格の心理学者と自分の状況を話しましょう。

人生の無常を受け入れる

もう一つ、重要な考察は、人生は決して静的なものではないということです。いつも動的なのです。現在人生のどのようなステージにいようとも、他人とどんな共通点があろうとも、変化は常に起こります。さらに大切なのは、変化は避けられないという事実です。だから、変化に適応することは、誰もが学習すべきスキルです。変化することはごく普通のことで、しばしば歓迎されることであるにしても、自分を変化に適応させていくのは、困難でストレスでありえます。それなら、変化しようとしていて、それに適応しようとしているときは、どうしたら不安とストレスを減らせるでしょうか。

まず何よりも、人生は決して同じままであり続けることはない(誰の人生でもその点では同じです)ということを自覚する必要があります。今、人生のどの段階にいようとも、将来計画通りになる保証はありません。これを受け入れ、人生は永久でないことを自覚すると、不測の事態が起こったときに、適応するのが楽になります。そうして不測の事態をありのままに認識して、特殊な状況を最大限に利用できたら、こうした変化に直面してもパニックになることはないでしょう。

変化は成長する究極のチャンス

どんな変化も、当初どれほどやりにくそうに見えようと、変化をした後ではずっと上手く切り抜けているものだということを、上記で述べたこと以上に覚えておいてください。当然のことながら、コンフォートゾーンの外で冒険することを強いられます。しかし、世界を別の見方で見ることができるようになれて、大抵の場合は、よりポジティブに見ることができるようになります。人生の新しい章を開くので、自分を進歩させ、新しい目標が持てるようになるのです。

Andrew Walton(原文/訳:春野ユリ)

Photo by Shutterstock (alphaspirit)