理想的には、仕事にいつでもやりがいを感じていたいです。現実の世界では...そうでないこともありますよね。思い切って転職、という方法もありますが、ちょっとしたことでまた仕事が楽しくなるかもしれません。

ではどうすればよいのでしょうか? オススメの方法があります。上司に「仕事が楽しくない」と伝えるのです。

わかります。これまでのキャリアで教えられたこととは違いますよね。でも信じてください。部下が仕事にやりがいを感じていない、と上司が全く気づいていない場合もあるんです。上手に伝えれば上司にとっても皆さんにとっても良い結果になることでしょう。今回は、その「伝え方」をご紹介します。

不満リストを作る

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今の仕事に関する不満を記録したリストを作れば考えや論点を整理するのに役立ちます。

2、3年前に私自身が上司と仕事について話した際に、このリストが本当に役に立つものだと実感しました。私は、当時勤めていた会社で数年間働いていて、大規模な合併が行われるまでは楽しく仕事をしていました。仕事に対する不満の一部がその合併に関係していることはわかってはいたものの、それが何であるのか、自分では、ハッキリとはわかっていませんでした。業務内容は変わっていませんでしたし、長時間の残業があるわけでもありません。そこで、気づいたことは何でもメモするようにしました。これを毎日、約一週間続けました。

自分の書いた不満リストをじっくりと見てみてピンときました。当時私は新しいグループと仕事をしていたのですが、そのグループは時差のある他の地域にありました。そして仕事の締め切りの都合上、私は以前のようにジムに行ったり、ランチに出かけたりしていませんでした。他にはこれといった発見はありませんでしたが、この不満リストを見て気づいたことは、上司と話す際に本当に役に立ちました。

さあ、不満リスト作りが終わったら次のステップです。

話し合いの場を設ける

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仕事や会社への不満を長々と聞きたい上司はいません。単に「ここが気に入らない」というリストを提示しただけでは、話を聞いてくれることはないでしょう。

不満リストを作ったら、上司との話し合いのために、もう1つ新しいリストを準備してください。不満を並べたリストの中に何かテーマがないか、話し合いのポイントになりそうのものはないか、じっくりと見てみてください。例えば、お昼ご飯をいつも自分のデスクで食べているとか、遅くまで残業続きで友達との約束をいつもキャンセルしているなどということがあれば、「健康的なワークライフ・バランスのあり方」という項目を作って分類しましょう。単に不満を並べるのではなく、できる限り解決策につながるようなポジティブな言葉に置き換えるようにしましょう

リストを完成させたら話し合いの場をセッティングしましょう。上司の元に駆け寄って「お話があります!」と言いたくなるかもしれませんが、上司の危険信号を点滅させたくなければここはぐっと押さえましょう。上司というものは部下が近づいてきて「お話したいことがあります」などと言うと何か大きな問題があるのでは、と考えてしまうのです。ですから、打ち合わせの後や休憩室でのちょっとしたおしゃべりの際に、上手にさりげなく上司にアプローチしましょう。「プロジェクトの納期の改善」や「職場の士気の高め方」について考えていることがあるので、少しだけお時間をいただいてお話ししたい、といった風に伝えてみてください。これで上司はあなたとの話し合いに備えることができます。

さて、話し合いのテーブルでは次の3つの方法をお勧めします。

1. 解決策を提案する

「仕事が楽しくない」という気持ちをどう伝えるかは悩ましい問題です。過度にネガティブな印象は与えたくないでしょうし、かといって不満があるのに、オブラートに包んだような言い方もしたくはないでしょう。

コツは、解決策と問題をペアで提案することです。例えば、ロンドンのチームとのミーティングでランチの時間がとれないなら、「チームのメンバーがお腹を鳴らしながら時計を気にしなくて済むし、ロンドンのチームは遅くまで残らずに済むので、ロンドンとの会議を一時間早く行えばチームがもっと仕事に集中できると思うのですが」、と上司に提案してみましょう。状況を改善するためにあなたができること、を話してみてください。上司はあなたの提案を高く評価するでしょう。そして、願わくば、ランチの時間が犠牲になっているという本当に伝えたいメッセージを伝えるのです。

2. アドバイスを求める

解決策を思いつかない? 大丈夫です。上司にアドバイスを求めましょう。

例えば、経理担当のボブの口臭がひどく、一緒に働きたくない場合。「ボブと一緒に仕事をするのに問題があるのですが、ボブとより良い関係を築くためのアドバイスをお願いします」、という風に伝えてみてください。上司には、あなたが試してはみたものの、上手くいかなかったことを話してみましょう。例えば、記録を残すためにもメールでのやり取りの方が都合がよいとボブに提案した、などです。そして、他に良い方法がないかを尋ねます。目的はボブの口臭の不満を言うことではなく、上司に状況を分かってもらい、解決策につながるヒントをもらうことです。

3. 助けを求める

何が原因で仕事がつまらないのか、自分自身でもよくわからない時に、この方法は有効です。上司に、以前のように仕事に打ち込めないこと、仕事に喜びを取り戻すのに、どうしたらいいかわからないとを伝えてください。不満リストを見てオフィスや自分の役割についてあなたが気づいたことを話し合ってみましょう。

話し合いはできる限りポジティブに行いましょう。仕事が楽しくない、ということではなく、もう一度やる気を取り戻したい、ということを中心に話します。上司はそんなあなたの姿勢を高く評価してくれるでしょう。そして、何がきっかけあなたはやる気になり、何がやる気をそぐ原因なのか、上司と話し合いましょう。賢い上司なら、職場があなたにとって再びやりがいを感じられる場所になるように助言してくれるはずです。

仕事にやりがいを感じていないといけないわけではありません。でも、やる気が出ないことの方が多いなら、それは何か問題があるということです。何が悩みの種になっているのか、本当のところを理解するのは簡単ではありませんが、よく考え、上司と率直に話をすれば、きっとまた仕事が楽しくなることでしょう。

How to Tell Your Boss You're Not Happy at Work|The Muse

Kelsey D. Atherton(原文/訳:猿渡晴子)

Image adapted from Dr.G and Sfio Cracho (Shutterstock). Additional photos by i a walsh and tiarescott (Flickr).