お客様は常に正しい」という言葉は、昔からよく言われています。

この言葉はたしかに聞こえが良いのですが、いつでも正しいわけではありません。むしろ、「お客様は常にお客様なのだ」という言い方のほうが理にかなっています。言い分が身勝手で間違っていたとしても、相手の立場は顧客(そのおかげで私たちは食べていける)なので、きちんと対処することが要求されるのです。

どうしたら、トラブルのもとになる怒りや恐怖、そしてお互いの性格の不一致を解決することができるのか。これは、誰もが学ぶべきポイントです。

また、「物の見方がすべてだ」という格言も一緒に覚えておくと良いでしょう。一番大切なのは、私たちの対応がどう捉えられるのかということと、相手がどう感じるかという点であり、そこを上手く理解できないと顧客は競合他社へと流れてしまうのです。

1. 話をしっかり聞く

本当の意味で相手の話を聞く技術は、私たちの文化から失われつつあるようです。しかし、気難しい顧客と円滑に対話をするには、これは必須スキルです。耳は、音の振動を脳に伝達することのできる唯一の器官ですが、きちんと話を聞くことができる人は、耳だけでなく心も使っています。そういう人は、話の最中に集中力を欠くことなく、話し手に意識を集中させています。そして、話し手が話し終える前に解決策を述べてしまったりはしません。守りに入っているような印象は与えないのです。

2. 共感する

問題を抱えている人に対し同情することは良いのですが、共感することでさらに効率的に望む方向に持って行けます。まず、顧客の立場に自分を置いて考えてみることです。例えば、商品やサービスが期待はずれだったら、嫌な気分になったり腹が立ったり、恐怖を感じることさえあるのではないでしょうか? 広告通りに動かなかったり、さらにひどいことに損害を被ったりケガをしたりしたら、どうでしょうか?

3. 相手を受け入れる

間違っていると思ったとしても、顧客の言い分をそのまま受け止めましょう。顧客は自分が正しいと思っているので、受け入れるということが一番大事なのです。言い分を受け止め、信じてもらえていると相手が感じれば、よりリラックスして、要点を話してくれるでしょう。厄介な言い合いでは、論点はたいてい最後に回されてしまいます。クレームのある顧客も、些細なことから話し始め、問題の中核に行き着きます。些細な不満が激しい怒りにつながってしまうこともあるのです。

4. 敬意を払う

敬意のある対応を受けた顧客は、それを返してくれるものです。逆に、無礼な扱いを受けたと感じれば、個人的に攻撃されたと思われるかもしれません。覚えていてください、どんな人からも学ぶことはあるのです。学歴や収入、外見に関係なく。誰しも人間であるというだけで、敬意を示すべきなのです。

5. 交渉する

相手の話を良く聞き、共感し、受け入れ、そして敬意を持って対応をすることができれば、交渉というステップへの道も開けます。どんなに難しい人が相手でも、平気です。顧客に、自分の味方であると信じてもらうことが出来るでしょう。公正で誠実で一貫性のある対応をしてくれると信じてもらえれば、顧客の怒りも収まり、交渉してもいいという気持ちになるでしょう。

最後に、顧客のクレームは必ずその場で解決するようにしましょう。問題解決が迅速であればあるほど、顧客の気分も良くなります。

5 Tips to Effectively Deal With Difficult Customers|Inc.com

Rhett Power(訳:Conyac

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